ラブ&ポップ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ラブ&ポップ』

 

 

 

 

 

1988年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 庵野秀明

 

原作 村上龍

 

脚本 藤川昭夫

 

撮影 柴主高秀

 

音楽 光宗信吉

 

 

 

出演 三輪明日美/希良梨/工藤浩乃/仲間由紀恵/平田満/吹越満/モロ師岡/手塚とおる/渡辺いっけい/浅野忠信/三石琴乃/石田彰/林原めぐみ/三輪ひとみ/岡田奈々/森本レオ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

一九九七年、夏、デジタルカメラを駆使して切り取られた、現在・渋谷・女子高生、それら時空間を、切なく紡ぐ、ドキュメント

ハイブリッド・ムービー

 

トパーズの指輪に魅せられたコギャルが、それを手に入れる為に援助交際に走る姿を描いた青春ドラマ、監督は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に」の総監督・庵野秀明

 

原作は村上龍の「LOVE&POP トパーズⅡ」で、執筆当時、女子高生たちに取材して書いた小説を映画化、庵野秀明が本格的な実写映画に初挑戦した

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

吉井裕美は今時の女子高生、今日は渋谷に友達と水着を買いに行く、姉は一人暮らしをするために今日は引っ越し、母親はスイミングの試合に出掛けた、父親の相手はいない

 

裕美はカメラで写真を撮るのが趣味、休みの日でも制服を着て行く、ところで渋谷という街は井の頭線のトンネルを抜けたところにある、だから開放的で若者が集うのかもしれない

 

 

中学生の頃に付き合っていた彼氏と別れた後にテレクラに電話した、その人はテレビ業界の人だと言い会うことになった、赤い帽子が目印だったけど怖くなってすっぽかした、いまだに赤い帽子の人がいると怖くなってしまう

 

 

野田知佐と会ったときにサラリーマンのオヤジに1万円払うからしゃぶしゃぶ食べに行こうと誘われ、名刺をもらって行くことに、やっぱオヤジは女子高生に説教したいだけだ、オヤジの言うことも外れではない

 

横井奈緒と会ったときに奈緒は頼まれたら何でもこなす、そんな奈緒がパソコンにハマり、今はダイエットに夢中、裕美は今の奈緒が一番カワイイのにと思っている

 

 

声を掛けてきたのは自分の作る料理を食べるだけで1人7千円払うという男、イタリア料理を振舞う、料理を前に奈緒は我慢できずに食べだした

 

森高千恵子には彼氏の悩みを聞いてもらった、最近はすぐにヤラせろとか言うしキスマークは付けるし、声が聞きたいときは留守電だし、テスト中に電話が掛かってきて携帯没収されたり、それに千恵子は援助交際で最後までしたと秘密を打ち明けた

 

 

下ネタで盛り上がった夜がある、千恵子は知らないオヤジが相手でも感じるところを触られるとやっぱり感じる、裕美の性欲は心や気分で左右される

 

朝目覚めてアソコが濡れてて何となくムズムズして触ることがある、でも顔を洗って朝食を食べるころにはムズムズは消える、女同士のお喋りではなくて彼氏と裸で抱き合い、肌や体温を感じたくなる

 

 

知佐が学校を辞めてダンサーになると言い出し、海に行くことになり4人で渋谷へ水着を買いに出掛けた、裕美はそこで見つけた12万8千円のトパーズの指輪が欲しくてたまらなくなる、3人の協力を得てその代金を援助交際でゲットすることにする

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

村上龍が亡くなりました、おいら世代には強烈な印象を残した作家のひとりです、その威圧感のある風貌もそうですが独特な作風でした

 

 

村上龍が女子高生を取材して書き上げた小説を原作に「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が実写監督を初監督しました、援助交際というセンセーショナルなテーマに挑みました

 

デジタルカメラを駆使して撮影してその映像やアングルはとても個性的です、ローアングルが多いのですが自転車をこぐ女子高生をサドルの下から撮影なんてね

 

 

まるでスカートの中を盗撮するようなアングルで何回かカメラを跨ぐシーンもあります、まるで男の願望を映像化したようなイメージです

 

4人はオーディションで選ばれ、主人公の裕美を演じるのは三輪明日美は演技経験のない素人なんです、裕美はごく普通の女子高生なのですが、その日は最後までいく援助交際をすると決めた女子高生の一日を回想シーンを交えて描かれてます

 

 

知佐を演じるのは希良梨で、高校も一学期で辞めると言います、ダンサーになるもう事務所にも入ったとね、それで夏休みに最後に海に行こうとなったんです

 

奈緒を演じるのは工藤浩乃で、一番真面目そうなんですがパソコンや機材を買うのに自分のお金で買ったと聞いて裕美は考えることがあるんです

 

千恵子を演じるのは仲間由紀恵で、4人の中では一番大人っぽくて援助交際も進んでやるような女子高生です、それでいて友達思いで裕美が欲しがったトパーズの指輪のために先行して援助交際をします

 

 

それまでの援助交際は一緒にご飯を食べたりするだけなんです、当時の女子高生はコギャルなんて言われてブランド化されてましたね、女子高生に価値があったんです

 

 

トパーズの指輪が12万8千円で4人で12万でカラオケボックスに行くんです、そこで普通に歌を歌うのですが、オヤジの目的はマスカットを口の中で数回噛ませてそれをコレクションしてるんです

 

噛まれたマスカットをずらりとコレクションしていてピンセットでマスカットを透明の容器に入れます、名前を学校名を言わせます、それは偽名で嘘でいいんです、しっかりと考えて言ってほしいと、なかなかの変態です

 

その後はそのオヤジの話題にはみんなしないんです、しかしその12万円を裕美はみんなで分けようと泣いていいます、みんなと友達でいたいから、そこからひとりで援助交際をします

 

 

最初は一緒にレンタルビデオ店に行ってほしいとね、汗まみれで不潔な風貌で腕を組んで店を歩くんです、アダルトビデオコーナーで腕をズボンのポケットに入れて動かせるんです、裕美の手のひらには体液がついて逃げるように店を出るんです

 

 

次に会った男はキャプテンEOと名乗る男で演じるのは浅野忠信で、彼とラブホテルに行った裕美は暴力を振るわれて怖い思いをします、しかもデパートは閉まっていて指輪は買えませんが、少し大人になっているというラスト

 

 

エンディングは当初は宮古島の海で遊ぶシーンだったのですが、実際に撮影もされたのですが、渋谷のドブ川を制服姿で4人が歩くシーンに変更されました、まあ味のある印象深いエンディングでしたね

 

 

 

 

 

 

と、思う それが『ラブ&ポップ』です。

 

 

 

 

 

実写映画でもエヴァンゲリオンを彷彿とさせる演出で、わけのわからないのに面白いと思わせる力が庵野秀明にはありますね。