『吸血鬼ノスフェラトゥ』
1922年 ドイツ
《スタッフ&キャスト》
監督 F・W・ムルナウ
原作 ブラム・ストーカー
脚本 ヘンリック・ガレーン
撮影 F・A・ヴァグナー
音楽 ハンス・エルトマン
出演 グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム/グレタ・シュレーダー/マックス・シュレック/アレクサンダー・グラナック/ゲオルク・H・シュネル/ルース・ランドスホーフ/ヨワン・ゴットウト/グスタフ・ポーツ
《解説》
巨匠F・W・ムルナウ監督が「ドラキュラ」を独自に映画化
ドイツ表現主義を代表する巨匠で、1927年には渡米して無声映画の金字塔傑作「サンライズ」を発表するムルナウ監督、そんな彼がブラム・ストーカー原作の「ドラキュラ」を独自に翻案映画化
後にヴェルナー・ヘルツォークやロバート・エガース監督が本作のリメイクに挑んだほか、後続のあらゆる吸血鬼映画の原点に屹立する古典的傑作
《物語》
ブレーメンの著名な歴史家ヨハン・カバリウスの日記より、ノスフェラトゥ!血も凍る名前、1838年ブレーメンに疫病をもたらしたる張本人か?
私はあの恐ろしい疫病の原因を捜し求めるうち、トーマス・ハッターと妻エレンに振りかかった痛ましい事件を知るに至った
港町ヴィスボルグに住むトーマス・ハッターは雇用主の不動産業を営むヘル・ロックからヴィスボルグの家を買いたいというオルロック伯爵に会うように命じられる
トーマスは心配する妻エレンを親友のハーディングとその妹ルースに託してオルロック伯爵の住むトランシルヴァニアへと旅に出た
目的地近くでトーマスは食事をするが、そこで何気なくオルロック伯爵の名を出したところ地元の者は怯えだし、道中には魔物がいるなどと言うがトーマスはそのまま向かった
トーマスが徒歩で向かうと途中で馬車がやってきてトーマスはそれに乗り、オルロック伯爵の城へと向かう、そこでオルロック伯爵はトーマスを歓迎
夕食の席でトーマスが誤って指先を切ると血が流れ、オルロック伯爵はその血を舐めようとし、驚いたトーマスは思わず手を引いてしまう
翌朝、トーマスは城の一室で目を覚まし、首元には傷があることに気付く、その夜にオルロック伯爵はヴィスボルグの家を購入する書類にサインをし、トーマスの妻エレンの写真を見た
深夜となり、オルロック伯爵がトーマスの部屋に入りトーマスを抑え込む、その瞬間にエレンが目を覚まし、夢遊病のようにバルコニーを歩き出した、エレンはオルロック伯爵がトーマスを襲う光景が見えたと
《感想》
本作は他者への恐怖や反ユダヤ主義を含むといわれています、それはブラム・ストーカーの原作「吸血鬼ドラキュラ」に由来していると
オルロック伯爵の鉤鼻や長い爪は禿げ頭といった風貌はステレオタイプのユダヤ人だと、北欧で反ユダヤ主義の雰囲気がドイツが外部から侵略されるという描写だそうです
そしてオルロック伯爵が船でヴィスボルグにやって来るのはネズミの大群とペストをまき散らすのは、ユダヤ人が病気を引き起こす病原体とのこと
しかもこのブラム・ストーカーの原作の映画化権も取得していないのに脚本を書いて無許可のまま撮影を開始、しかしキャラクターの名前はドイツ風に変更
ヴァン・ヘルシング教授にあたるブルワー教授は食虫植物などの講義をしていますが、ヴァンパイアハンターではありませんでした
ドラキュラ伯爵にあたるオルロック伯爵を演じるのはマックス・シュレックで、その強烈な風貌は一度見たら忘れられないくらいインパクト大ですね
トーマスの妻エレンの写真を見るや呪われた土を棺に詰めて川を下ってヴィスボルグへと向かいます、彼が来ることで疫病が広まり死の町と化します
しかしオルロック伯爵が血を吸っても吸血鬼を生み出すことなく殺してしまいます、町の人たちも原因はオルロック伯爵ではなくて疫病だと
そしてラストもオルロック伯爵はエレンの血を吸うのですが鶏が鳴いたことで朝と気付いたオルロック伯爵は燃えてしまいます、ですが自己犠牲かと思ったのですがエレンは助かります
ちなみにブラム・ストーカーの夫人のフローレンスは本作を著作権侵害で訴え勝訴、本作の既存のフィルムをすべて焼却するように命じられたが、既に世界中に配給されていてカルトなファンを獲得しています
吸血鬼映画の原点であり頂点となった名作ホラー それが『吸血鬼ノスフェラトゥ』です。
2007年には最新技術での復元、2025年には2Kデジタルリマスター版が発売されています。











