ブラック・スワン | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 
 
 
 
 
『ブラック・スワン』
 
 
 
 
 
2010年 アメリカ
 
 
 
 
 
《スタッフ&キャスト》
 
 
監督 ダーレン・アロノフスキー
 
脚本 マーク・ヘイマン/アンドレス・ハインツ/ジョン・マクローリン
 
撮影 マシュー・リバティーク
 
音楽 クリント・マンセル
 
 
 
出演 ナタリー・ポートマン/ヴァンサン・カッセル/ミラ・クニス/バーバラ・ハーシー/ウィノナ・ライダー/バンジャマン・ミルピエ/クリスティーナ・アナバウ/ジャネット・モンゴメリー/セバスチャン・スタン/トビー・ヘミングウェイ
 
 
 
 
 
《解説》
 
 
純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる
 
ナタリー・ポートマン、ミラ・クニス共演の心理スリラー、監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー、主演のナタリー・ポートマンが第83回アメリカアカデミー賞で主演女優賞を獲得した
 
優等生なイメージの強いナタリー・ポートマンが、彼女自身とも重なるヒロインを演じているだけに壮絶な迫力を放っている、10か月もバレエをトレーニングし、変貌していく主人公を体当たりで演じきった
 
 
 
 
 
《物語》
 
 
バレエに人生を捧げるニューヨークシティ・バレエ団のバレリーナのニナは母親と二人暮らし、今朝は白鳥を踊る夢を見た、プロローグの悪魔が呪いをかける場面
 
 
母エリカは元バレリーナで今は絵画を描く日々だが、自分が果たせなかった夢をニナに託し、ニナに対して過剰なほどの愛情を注いでいる
 
 
ニナの所属するバレエ団の次の公演は「白鳥の湖」、バレエ団のフランス人監督のトマは年を取ったプリマバレリーナのベスを用いず、新人のニナをプリマに抜擢
 
次の公演のためにレセプションを開き、トマはベスの引退を発表し、その場でニナを新しいスターとして招待客に紹介した、ニナは華々しいデビューを飾るがロビーでお払い箱となったベスにあばずれと罵られショックを受ける
 
 
その後、トマのアパートに行くとニナはトマに性体験を聞かれて正直に話すが、黒鳥を演じるために性的な楽しみを知れと自慰を宿題とされる
 
一人二役で演じる「白鳥の湖」は清楚な白鳥には相応しいものの、男を誘惑する妖艶な黒鳥を上手く演じられず、焦りと不安は募るばかり
 
 
過酷な練習が始まるが、ニナは性的な魅力に欠けるとトマに手ほどきを受けるが、官能さが出ず、才能はあるが臆病だとトマに責められる
 
 
やがて精神的に疲れ、幻覚や妄想に悩まされて自傷癖が出てしまい、代役のリリーがプリマの座を奪おうとしているように思ってしまう
 
 
疑念と恐ろしい幻覚に苦しめられるようになり妄想は日増しに酷くなる、そしてニナは母親と諍いを起こして、リリーに誘われるまま飲みに出かけるが、自らの心の闇に飲み込まれていく
 
 
 
 
 
 
《感想》
 
 
どこの世界でもそうですがプリマに抜擢されるのは相当のことのようですね、バレエって見たことないのですが、優雅に見えてバレリーナの爪先って酷使してるんですね
 
 
そのプレッシャーは幻覚や妄想でいっぱいです、自傷もしてしまい、指先の皮を剥いてしまったり、爪をハサミで割ったり、地味ですが痛そうです
 
 
主人公のニナを演じるのはナタリー・ポートマンで、踊りは完璧で純真無垢な白鳥を演じるには何も問題はない、しかし妖艶で官能的な黒鳥を演じるのは問題があると
 
 
トマに処女かどうか、セックスは好きかと質問をされるのですが笑ってごまかし、トマに自分で触れと宿題を出されます、その夜に倒れるように寝てしまい、目を覚ますとそのまま自慰をするのですが、目を開けると母親が椅子に座って寝ているんです、ある意味恐怖
 
 
トマを演じるのは「アレックス」のヴァンサン・カッセルで、なかなか厳しくてストレスを与えるような指導です、もちろんそれに勝ってこそのプリマなのです
 
 
それでもニナに無理矢理キスをして唇を噛まれたことで彼女をプリマに抜擢、意外な一面を知れたので黒鳥も克服するだろうと、でも練習で誘惑しろと一緒に踊り、ニナの胸や股間に手を這わします、でも誘惑したのは俺で逆さまだと
 
ニナの代役となるリリーを演じるのは「寝取られ男のラブ♂バカンス」のミラ・クニスで、真面目なニナと違って奔放で野心家なんです、ニナを誘ってクラブで飲んで男漁りをさせたり
 
 
ニナの家に行ってそのまま同性でセックスをするんです、リリーのテクニックでニナは骨抜きにされて朝まで、しかしそれはニナの妄想なんです、もうニナは何が現実で何が妄想なのか
 
 
そこまで押し込めていた性的な欲求が噴出したのか、電車の中でもおかしな中年男にからかわれたり、バレエ一筋で色々と鬱積が溜まっていたのかも
 
 
それに母親のエリカを演じる「エンティティー 霊体」のバーバラ・ハーシーの毒親っぷりもニナのプレッシャーになっていたでしょうね、従順だったのに暴れるようになります
 
 
トマにお払い箱にされた元プリマのベスを演じるのは「エイリアン4」のウィノナ・ライダーで、年を取ったので強制的に引退させられます、それにニナに対してトマのを咥えたのかと罵ります
 
その後にベスは事故で両足を大ケガでもう二度と踊れません、しかもニナの前で顔を刃物で刺す自傷行為を行います、バレエに踊らされているのはプリマの方なのね、それほど熾烈なのです
 
本作は「パーフェクトブルー」と比較されがちですが、今敏監督にパクリかと聞かれてダーレン・アロノフスキー監督はオマージュだと答えたそうです
 
 
 
 
 
熾烈なバレエの世界で次第に追い詰められるヒロインの運命を描く それが『ブラック・スワン』です。
 
 
 
 
 
バレエは完璧だけど妖艶さがない、白鳥は文句なしだが黒鳥ではない、女性としては難しい問題ですね。