『４人の食卓』
２００３年 韓国
《スタッフ＆キャスト》
監督・脚本 イ・スヨン
撮影 オ・ジョンワン
音楽 チャン・ヨンギュ
出演 チョン・ジヒョン／パク・シニャン／ユソン／チョン・ウク／キム・ヨジン／パク・ウォンサン
《解説》
観る人の数だけ謎と恐怖が生まれる戦慄の心理ホラー！
「猟奇的な彼女」の大ヒットでブレイクしたチョン・ジヒョンが、殺到したオファーから選んだ２年ぶりの主演作、神秘的な美しさと揺れる女性の内面をミステリアスに演じ、女優としての魅力をさらに広げている
共演はチョン・ジヒョンのデビュー作「ホワイト・バレンタイン」でも共演している、「パリの恋人」のパク・シニャン、監督はこれが長編初監督作のイ・スヨン
《物語》
インテリアデザイナーのジョンウォンはある日の夜に地下鉄に乗っているとウトウトしてしまい、幼い女の子を２人連れた母親を確認したが寝てしまい、終点で慌てて下車するも女の子２人は眠ったまま地下鉄は行ってしまった
マンションに帰ると恋人のヒウンがダイニングを改造していた、リビングはすべてヒウンのセンスでまとめられ、その中でも４人掛けの食卓は一番のお気に入り
翌日に仕事場のラジオで昨夜の地下鉄で見掛けた女の子２人が椅子に座ったまま死んでいるのが発見されたと知った、その瞬間に工事中の天井が崩れてジョンウォンは頭にケガ
その夜に部屋でいると食卓に女の子２人が座っているのが見えた、怖くなったジョンウォンはそのまま車に乗って実家へと戻った、仕事仲間にはケガをしたのでと
父は実家で教会を運営する神父で、父親と妹のヨンソと一緒に食事をして眠るのだが、あの夜の地下鉄の夢を見てしまう、女の子２人を助けようとするのだが扉が閉まって地下鉄は行ってしまう
神経クリニックの改装を依頼されて病院内を調査するジョンウォンだったがそこである女性と出会った、病院の内装工事をしていると女の子２人を殺害した母親が逮捕されたとラジオで流れた
女の子２人の夢を見てうなされるジョンウォンに父親は礼拝を勧める、夜になって信者の人たちを送るように言われたジョンウォンはあの女性を乗せた、彼女の名はヨン
ヨンはジョンウォンと同じマンションだったが車の中で気を失いヨンを自室で寝かせた、目を覚ましたヨンは夫が迎えに来るので失礼します、そして子供たちをベッドにと言って出て行った
ヨンにはジョンウォンと同じように女の子２人の姿が見えるらしく、ジョンウォンはヨンに救いを求める
《感想》
あの「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンが色気もなく化粧っ気もない地味な女性ヨンを演じています、首から足元まで肌を露出することもない女性です
オープニングでは地下鉄の中で幼い女の子２人が毒殺されてしまうんです、眠っているように見えたのでそのまま地下鉄を降りたジョンウォンを演じるのはパク・シニャン
そこからジョンウォンには女の子２人の霊が部屋のダイニングの食卓に眠るように座っているんです、なのでジョンウォンはマンションに帰らず実家へと逃げてしまいます
ジョンウォンは結婚を控えており相手は同僚のヒウンで演じるのはユソン、ジョンウォンの部屋はヒウンのセンスで飾られており、食卓は自信作なんです
チョン・ジヒョンの主演作と思ったのに約３０分くらいはほとんど出てきません、パク・シニャンの主演作かと思ってしまいました
ヨンは普通に結婚して子供がいたのですが情緒不安定な友人のジョンスクによって赤ちゃんをマンションのベランダから落とされてしまいます、このシーンは地味だけど怖かったね、演じるのはキム・ヨジン
それとエレベーターで一緒になった猫を抱いた女が話し掛けてきて、部屋の窓から雨の降る外を見ていたら上からその女が投身自殺して目の前を通過、その瞬間に目が合ったんです、夫は落下速度から目が合うことはないと
病気で意識を失ってしまうヨンを自宅マンションで休ませたのですが、帰り間際にヨンは食卓に座る女の子２人を見たんです、同じものを見たとジョンウォンは彼女に助けを求めます
実はジョンウォンは７歳以前の記憶がありません、練炭の煙を吸ってしまったことが原因だと父親には言われています、なぜか同じ夢を見ているんです
その夢は貧民街で道で座っている子供がバックしてきたトラックの後輪に踏み潰され、運転手は下水に死体を捨てて行ってしまうんです、このシーンはまさか轢かれるシーンがあるとは思わずギョッとなりました
父親はジョンウォンを虐待していてジョンウォンは練炭自殺を計るんです、家は火事になって父親と妹のウニョンは焼死、ジョンウォンは助け出されたのです、それをヨンによって思い出されたんです
実はジョンスクもヨンによって記憶を思い出されておかしくなってしまったんです、恐ろしい記憶は自分で封印してしまうようです、封印してしまうような記憶は呼び起こさない方が平和なんです
たどってはいけない恐怖がある、あなたの記憶に潜む哀しいトラウマを呼び起こす それが『４人の食卓』です。
儚げなチョン・ジヒョンを見るのもファンにはたまりませんね。
