『そして、デブノーの森へ』
2004年 フランス・イタリア・スイス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ロベルト・アンドー
脚本 サルバトーレ・マルカレッリ
撮影 マウリッツジオ・カルページ
音楽 ルドビコ・エイナウディ
出演 アナ・ムグラリス/ダニエル・オートゥイユ/グレタ・スカッキ/ミシェル・ロンズデール/マグダレナ・ミェルツァシュ/ジョルジョ・ルバーノ
《解説》
愛するほどに、欺かれる
ヨーロッパの上流階級を舞台に、秘密を抱えるベストセラー小説家が謎に包まれた美女に翻弄され、危うい駆け引きを描いた官能ミステリー
主演はシャネルのミューズに抜擢された「NOVO/ノボ」のアナ・ムグラリスと「あるいは裏切りという名の犬」のダニエル・オートゥイユ
《物語》
セルジュ・ノヴァクの素顔を知る人間は代理人のダヴィッド・ギンズベルグただ一人、ノヴァクの存在は文学界の大きな謎と言われている
ノヴァクのペンネームで執筆活動を続けるダニエルはベストセラー作家となった今も全てを代理人に任せ、自分がノヴァクであることは世間に伏せていた
ある日、イタリアで義理の息子ファブリツィオの結婚式に向かう船の中で魅力的な女性ミラと知り合った、二人は意気投合して惹かれ合い、そして一夜を共にする
翌朝、目を覚ましたダニエル、すでにミラの姿はなく洗面台の鏡にありがとうと口紅で書かれていた、教会へと向かうダニエルは驚いた、ファブリツィオの結婚相手は昨夜一緒にいたミラだったのだ
面倒なことに巻き込まれるのはごめんだとダニエルはミラとのことを無かったことにしたいが、ミラはダニエルを執拗に誘惑をしてくる
ミラは電話である住所にダニエルを呼び出し、そこは友人のエヴァの家で、そこで二人は激しい情事に耽る、そして二人の関係は続いていく
そんなある日、ダニエルの元に二人の情事の写真が送られてくる、ダニエルはエヴァの家に行き、そこである写真を見付けた、それはエヴァの両親の写真で自殺した親友のポールだった、そしてエヴァから現金を要求される
ノヴァクのデビュー作「冬の旅」はポールの作品であり、それが理由でダニエルはペンネームを使っていた、エヴァは復讐として盗作でダニエルを強請り、マスコミにも情報を流した
ダニエルは記者会見を開くことにし、代理人に電話をするが、それを妻のニコレッタに聞かれて盗作と不倫が発覚、ダニエルとミラの密会を見てニコレッタから別れを告げられる
会見では盗作を否定するも、エヴァの要求する金額を支払い、ダニエルはポールが住んでいたデブノーの森にある屋敷に住み始める、そこでミラとエヴァの調査結果を聞いたダニエルはある事実を知ることになる
《感想》
覆面作家っていますけど、それって全てその人が書いているのでしょうか?、ひょっとして途中からは作家が代わっているとか考えてしまいました
覆面作家ながら地位と名誉を手に入れたベストセラー作家のダニエルを演じるのはダニエル・オートゥイユで、20年も謎の作家として文学界でトップにいるんです
妻のいて幸せな人生を送っているのですがどうも変わり者なダニエルなのですが、その小説を読むと若い女が好きな中年男と推測されています
実際にその通りでセルジュ・ノヴァクの討論会があり、そこに客として参加するのですが、美しい若い女性に目が行きます、しかもその女性を勝手にイメージして小説の題材としてメモ
義理の息子ファブリツィオの結婚式に向かう船の中で出会ったミラにも声を掛けて一夜を共にするのです、セックスが終わると妻のニコレッタにトラブルで一日遅れると電話
ミラを演じるのがアナ・ムグラリスで、背が高くてスレンダーで男なら二度見するような女性です、そんな女性と中年男が一夜を共にするなんて夢のようでしょう
それにアナ・ムグラリスが惜しげもなくヌードとセックスシーンを魅せてくれます、終始アナ・ムグラリスの美しさを堪能できる作品とも言えます
ファブリツィオの家でのホームパーティの時でも二人は開いている部屋で下だけ脱いでセックスをするんです、妻も義理の息子もいる家で、しかも大勢の客がいる中で
ダニエルを愛いしている妻のニコレッタを演じるのはグレタ・スカッキで、変わり者のダニエルを支えているのですがミラとの不倫を知った時の静かな怒りは怖いね、ファブリツィオには知らせないで消えてと
そんな情事を隠し撮りしてダニエルを強請るミラの友人のエヴァで、演じるのはマグダレナ・ミェルツァシュで、彼女も魅力的ですが悪い女となります
もうこうなるとダニエルもミラも止まりません、セックスだけの関係なのですが不倫関係ってそれ以上に興奮材料があるのでしょうね、息子の嫁なんて興奮材料ですよ
しかしダニエルが世に出ることになった処女作が盗作だとスクープされるのです、ダニエルは作家は他人の人生を盗むと言います、そうやって小説を書くのでしょう、それが盗作騒ぎにも生きてきます、誰が誰を盗んだかなんてどうでもよくなります
二転三転するラストで最後は罪滅ぼしなのかと思わせます、ミラはそれをどう捉えたのか、人生なんて儚いものですね
シャネルのミューズ、アナ・ムグラリスとダニエル・オートゥイユ共演による官能ミステリー それが『そして、デブノーの森へ』です。
さすがにモデルだけあって存在感は相当です、男ならイチコロですよ。
更に過激な:続・裏237号室の『そして、デブノーの森へ』のレビューはこちらです。














