『エンブリヨ』
1976年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ラルフ・ネルソン
原作・脚本 ジャック・J・トマス
脚本 アニタ・ドーハン
撮影 フレッド・J・コーネカンプ
音楽 ジル・メレ
出演 ロック・ハドソン/バーバラ・カレラ/ダイアン・ラッド/アンヌ・シェディーン/ジョン・エリック/ロディ・マクドウォール
《解説》
私は人間じゃないの?
成長ホルモンを使い生物の成長を加速させる実験をしていたポールは、結果は想像を絶するものだった、化学実験により怪物化していく女性の悲哀を描いた異色ホラー
監督は「ソルジャー・ブルー」のラルフ・ネルソン、撮影は「タワーリング・インフェルノ」のフレッド・J・コーネカンプ、出演はロック・ハドソン、バーバラ・カレラなど
《物語》
深夜の雨の中、帰宅中の医学者ポールは犬を撥ねてしまった、傷付いた犬を自宅に連れて帰り、一緒に暮らす亡くなった妻ニコールの妹のマーサを呼んで自宅の実験室へと運んだ
治療の甲斐なく犬は死亡、しかし犬のお腹の3匹の赤ちゃん犬だけは救おうと人工子宮の容器に入れるも1匹だけが生きながらえた、ポールはニコールと研究していた成長ホルモン胎盤性ラクトゲンを投与、数時間後には子犬にまで成長した
投与している間は成長を続け、数日で成犬サイズに、更に成長に異常がないことも確認され、副作用がないことを確認できるまで公表は控え、経過観察を始める
投与を止めると成長は止まり普通の飼い犬を装っていた、しかし犬は驚異的に高い知能を持ち、それと同時に恐ろしいほどの凶暴性を持ち合わせていたがポールは気付いてはいない
この実験に自信を持ったポールは人間の胎児での実験に取り掛かろうと、病院院長の友人のジムに胎児の提供を頼み、数日後には自殺未遂の妊娠4か月目の胎児を手に入れ、実験を開始
人工子宮の中で胎児は赤ちゃんとして産声を上げた、ラクトゲンの投与で赤ちゃんは急速に成長、4週間で成人女性となったところで成長は止まったが、今度は老化が始まり劇薬と呼べる薬を投与して老化を制御して安定することになった
目を覚ました女性をヴィクトリアと名付け、まだまだ知能は赤ちゃんのヴィクトリア、翌朝にマーサは友人と旅行に出掛け、ポールはヴィクトリアに一般的な知識を教えるも理解力や記憶力は天才的だが道徳的なものは理解できないでいた
そしてヴィクトリアは男女関係を知るためにポールを求め、そしてセックスを知り、愛を知り、セックスの悦びを噛みしめた、しかし翌朝にヴィクトリアを腹痛が襲った
実験室で自分をチェックすると老化が進み、制御剤を打ってしのいだが、生きるためにヴィクトリアは恐ろしい考えを持ち、ポールが想像を絶する怪物化してしまう
《感想》
70年代はこんな化学が飛躍的に進歩したのか、こんな神の領域までもが人間が手を出して破滅する展開が多かったような気がしますね
まずは犬で実験をしてラクトゲンを投与して胎児だった犬があっと言う間に成犬へと成長するのです、ポールは3匹の胎児が亡くなり、母犬が生き残ったようにして飼うことに
ポールを演じるのはロック・ハドソンで、亡き妻と作ったラクトゲンを成果を確認して公表するために今度は人間で実験をしようとするんです
亡き妻の妹マーサと一緒に暮らしているのですが、この2人はどういう関係なのでしょう?、ポールは本当に妹のように接していたのかな、演じるのはダイアン・ラッド
ポールは友人の病院院長から胎児を譲り受けてラクトゲンを投与して一気に成人女性へと成長させてしまいます、目覚めたときには少し混乱している様子です
ポールは彼女をヴィクトリアと名付けて教育をします、その美貌と天才的な頭脳でまるでスポンジのように吸収していきます、学ぶことが楽しそうなんです
演じるのはバーバラ・カレラで、そのクールな表情は冷たく見えますが天才の表情って感じです、そのスレンダーなスタイルも魅力的です
ほとんどの知識を本から得ているヴィクトリアなんですが、男女間の愛なんかを知りたくてポールにセックスを求めるのです、ポールも実験体だった彼女を抱いてしまいます
パーティに行ったときにはロディ・マクドウォール演じるフランクがチェスで無敵なところでヴィクトリアが挑戦すると圧倒的に展開していきます、最後にはポールに促されてわざと負けるのです
フランクは圧勝していたはずなのにわざと負けたことで屈辱を味わい出て行ってしまいます、ヴィクトリアは勝てていたのに何故?とポールに聞くのですが本の知識だけではダメなんだよと
ヴィクトリアがポールとセックスした次の日の朝に腹痛を感じます、老化が進行し、知り合いのコンピューター会社で調べると妊娠5~6か月の未出産の胎児の脳下垂体液が解毒剤だと判明し、ヴィクトリアによる胎児狩りが始まります
ヴィクトリアは生きるために殺人を繰り返すようになり、ポールも彼女を生かしてはおけないと追うのです、自分で作った女性を殺すことになるなんてまったくマッドサイエンティストです
愛を知ったことでヴィクトリアは生きることに執着したのでしょうか、ヴィクトリアのお腹の中にはポールの子供が宿っており、ラストには産声も
わずか4週間半で胎児から大人へ、しかし愛を知ったその日からヴィクトリアの体に異常が! それが『エンブリヨ』です。
プライムで久しぶりに観たのですが、画質がかなり悪かったです。
更に過激な:続・裏237号室の『エンブリヨ』のレビューはこちらです。

















