聖獣学園 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『聖獣学園』

 

 

 

 

 

1974年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・原作・脚本 鈴木則文

 

原作 沢田竜治

 

脚本 掛札昌裕

 

撮影 清水政郎

 

音楽 八木正生

 

 

 

出演 多岐川裕美/山内えみ子/渡辺やよい/大谷アヤ/城恵美/田島晴美/石田なおみ/美和じゅん子/大堀早苗/村松美枝子/衣麻遼子/マリー・アントワネット/三原葉子/谷隼人

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

生んだのは神か、悪魔か!妖しい乙女!

 

幻妖の華、ここに開花!多岐川裕美、衝撃のデビュー作、劇画界に新風を吹き込んだ人気コミックをもとに、聖なる館に棲む乙女たちの妖しく蠢く性を、劇画の原作者でもある鈴木則文監督が独特の官能映像で描いた異色作

 

多岐川裕美が主人公・魔矢に体当たりの演技で挑み、神のような美しさと悪魔のような復讐心を合わせ持つ乙女を好演、鮮烈なイメージをファンに焼き付けた

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

多岐川魔矢は街で出会った行きずりの男・青木健太と一夜を過ごし、次の日にセントクルス修道院に入った、そこには73の戒律があり、特に姦淫、殺傷、盗みには神の罰が与えられる

 

 

助修女となった魔矢は院長の小笠原綾、副院長の松村貞子に部屋に案内された、それ以来、助修女たちの行動が筒抜けになり、その疑いは魔矢に向けられた

 

 

しかし魔矢はスパイをしていた美恵が修道院内で同性愛行為に耽っているところを見て弱みを握り、彼女を使って院長室に忍び込んだ

 

 

そこで探し出した一冊のノート魔矢の母・篠原美智子が心臓発作で死亡と記録されていた、不信感を抱いた魔矢は独自で調査を開始する

 

 

修道女たちから大変人望のある司祭の柿沼が修道院を訪れた、修道院の金を盗んでしまった久子が懺悔していると柿沼は罰と称して久子を犯し、妊娠させてしまう

 

 

魔矢は青木健太を修道院に忍び込ませて副院長の松村を犯させ、それ以来、松村は男狂いになってしまい、彼女の代わりにローマからナタリーが着任し、修道院を牛耳ってしまう

 

 

魔矢は母を知る年老いた使用人の女性から母が妊娠し、院長の小笠原に戒律を破ったとして責められて苦しみ自殺した際に産み落とされたと知る

 

更に院長から父親は柿沼司祭だと明かされ愕然とする、司祭は何人もの修道女を犯し、身籠った者は戒律違反として拷問の末に殺されていた

 

 

知り過ぎた魔矢を追放出来ず、狼狽える院長に司祭は魔矢の殺害の命令を下す

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

聖なる館で起こった母親の不審死を探る娘の多岐川魔矢が女だけのセントクルス修道院に修道女として潜入して、女の園の闇を暴いていきます

 

とにかく修道院はなかなかめちゃくちゃで戒律違反をすると厳しい神の罰があります、修道院の食料をこっそり食べた者には鞭でお互いの体を叩き合えとか

 

 

男を招き入れた魔矢には薔薇の茎の棘による締め付けで、おっぱいが棘で傷だらけになってしまうのです、魔矢を演じるのは本作がデビュー作となる多岐川裕美

 

 

オーディションで魔矢役を探すもイメージい合う新人がおらず、そこで東京駅の近くでバイトをしている美しい女子大生がいると聞いて会いに行き交渉

 

大学を中退してデビューした多岐川裕美はヌードと拷問シーンなど体当たりで演じてみせたが本作はヒットせず、多岐川裕美は本作以降はヌードを拒否

 

 

東映作品を敬遠した多岐川裕美はテレビドラマで清純派として売れっ子となった事で本作でのヌードを取り上げられてリバイバル公開されてヒットとなりました

 

監督は「女必殺拳」の脚本で知られる鈴木則文で、当時はエロスと暴力を前面に出していた劇画の映画化が成功していた、二番煎じでは面白くないと修道院を舞台としたそうです

 

 

オープニングすぐに出会う遊び人っぽい青木健太を演じるのは谷隼人で、それだけの登場かと思っていたら魔矢に手引きされてたこ八郎と修道院に侵入します

 

少年院上がりの松子を演じるのは山内えみ子で、魔矢と掴み合いのケンカをしますが意気投合します、清純な久子を演じるのは渡辺やよいで、司祭に犯されて拷問されて自殺してしまいます

 

 

こんな女だらけの聖なる館では色々とあります、修道女同士による同性愛行為や、妬みなんかもあります、そんな事もあって魔矢の母親は自殺に追い込まれてしまったんです

 

 

司祭によって犯され、身籠った子が魔矢なのですが、この修道院は司祭が修道女を何人も手を出して妊娠させて拷問と自殺で隠蔽してきたのです

 

 

魔矢は母を自殺に追い込んだ修道院の院長と対決となりますが、院長室には落とし穴があったりして落ちたら溶けちゃいます、もうホラーでアクションでエロティックです

 

 

久子は拷問で塩水を飲まされて足の間にキリスト像を置かれて漏らしてキリストを汚したら有罪って事です、もちろん我慢できずにキリストにおしっこを掛けてしまいますが、映画でそんな事をしたのは本作だけで、欧米ではカルト化しています

 

 

センセーショナルな題材を取り上げている低俗な作品をエクスプロイテーション映画と言われますが、そのサブジャンルである尼僧や修道院を扱った作品はナンスプロテイテーションと呼ばれ、日本における古典とされています

 

 

 

 

 

 

私は戒律を犯したのです、性女の群れが可憐な聖女を襲う! それが『聖獣学園』です。

 

 

 

 

 

女ばっかりの生活って男が想像する以上になんか怖いモノがあったりするのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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