セクレタリアト 奇跡のサラブレッド | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『セクレタリアト 奇跡のサラブレッド』

 

 

 

 

 

2010年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

監督 ランダル・ウォレス

 

原作 ウィリアム・ナック

 

脚本 マイク・リッチ

 

撮影 ディーン・セムラー

 

音楽 ニック・グレニー・スミス

 

 

 

出演 ダイアン・レイン/ジョン・マルコビッチ/ディラン・ウォレッシュ/ジェームズ・クロムウェル/ケビン・コノリー/マーゴ・マーティンデイル/ネルサン・エリス/アマンダ・ミシェルカ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

アメリカ競馬界を席巻した名馬セクレタリアトの奇跡の実話

 

ダイアン・レインとジョン・マルコビッチという演技派2人が主演し、実在した伝説の競走馬セクレタリアトとその馬主ペニー・チェネリーの実話を基に描く感動作

 

1970年代に活躍し、今もって史上最強といわれる伝説の三冠馬セクレタリアトと男性社会の競馬界に飛び込んだひとりの女性の奇跡の実話

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1969年、デンバーに住む専業主婦のペニー・チェネリーはジャック・トゥイーディーと結婚して18年、4人の子供に恵まれて幸せに暮らしていた

 

 

そんなある日の朝、朝食時に電話が鳴った、電話を取ったペニーは言葉を失った、母ヘレンが突然亡くなったのだ、午後には向かえると言って電話を切った

 

 

バージニア州にある競走馬生産牧場「メドウ・ステーブル」がペニーの実家だ、競走馬生産は父の人生そのもの、母が亡くなった事で父は病に倒れ、回復の見込みはない

 

ペニーの兄たちは父を施設に入れて牧場の売却を考えている、経営も赤字続きでそんなにいい値も付かないだろうと、しかしペニーはこれに反対

 

 

経営権を父から譲り受けて牧場の経営に乗り出す、牧場の馬を二束三文で売り、転売して利益を得ようとする調教師をクビにし、母の友人のブル・ハンコックにルシアン・ローリンという調教師を紹介される

 

まだまだ男社会の競馬界、女性だというだけで風当たりも強いが、ペニーは1から学び必死に牧場経営をし、それに専業主婦も欠かせない

 

 

そしてコイントスで決められた一頭の仔馬が生まれた、ビッグレッドの愛称で呼ばれていたが、セクレタリアトの名でレースに出走するが4着に惨敗するも、続く2戦目は騎手をロン・ターコットに代えて快勝

 

喜びに沸くペニーたち、そんなある日、父が脳卒中で倒れ亡くなってしまった、父の葬儀に後にブルも亡くなってしまう、相続税の問題で兄と口論となるがペニーの意志は固い

 

 

セクレタリアトは25年ぶりの三冠馬になるべく、家族や調教師、馬に関わる全ての人々の夢を乗せてゴールへと疾走する、その馬こそアメリカ競馬史上最強と称される名馬となる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

今週の日曜日には競馬の祭典「日本ダービー」が開催されます、そこで競馬の作品をレビューしました、今もってアメリカ競馬では史上最強といわれる伝説の三冠馬セクレタリアトと牧場主のペニー・チェネリーの物語

 

 

アメリカ競馬ではケンタッキーダービーとプリークネスステークスとベルモントステークスの3つのレースを勝った馬が三冠馬と呼ばれるのです

 

 

セクレタリアトが三冠馬となるまでは25年間どの馬も成し得なかった偉業です、日本の三冠馬とは違って5月から6月にかけて開催されます、レース間隔は2週間と3週間で、3つの州の競馬場で走ります

 

セクレタリアトは三冠全てのレースがレコードタイムでの勝利で、現在でもどのレースの記録も破られていないまさに前人未到の記録です

 

それにベルモントステークス(2400メートル)のレコード(2分24秒0)はいまだに破られていない世界レコードです、しかも2着に31馬身差を付けての勝利

 

 

アメリカの20世紀のトップ10アスリートに人間以外で唯一選ばれた奇跡のサラブレッドです、そんなところがアメリカの良いところですよね、日本ではトップアスリートにディープインパクトが選ばれる事はまずないでしょうね

 

牧場主で馬主のペニー・チェネリーを演じるのはダイアン・レインで、専業主婦が牧場経営と競走馬育成に関わるなんて前代未聞です、しかもまさに男社会に飛び込んで行ったんです

 

 

コイントスのハズレで手に入れたセクレタリアトでしたが、ペニーは最初から血統的にこちらが欲しかったのです、素人の主婦の馬を見る目が勝ったんです

 

 

ペニーがスカウトする調教師ルシアン・ローリンを演じるのはジョン・マルコビッチで、引退を考えていたのですがセクレタリアトが生まれて引き受けるのです

 

 

しかし母が亡くなって父も亡くなります、牧場の相続税が600万ドルでそんなの払えません、ただセクレタリアトを売れば600万ドル以上になります、でもペニーはセクレタリアトを売らずに三冠レースに挑むのです

 

 

映画の中ではセクレタリアトもペニーにだけは心許している感じがして、ペニーもセクレタリアトと会話が出来るのです、そんなペニーを支えるエリザベス・ハムを演じるのはマーゴ・マーティンデイルでなかなか良いキャラでした

 

ペニーの長女のケイトを演じるのはアマンダ・ミシェルカで、反戦の活動に夢中なんです、本作では主題歌も担当するシンガーソングライターです

 

 

DVDの映像特典ではセクレタリアトの実際の三冠レースの映像が観れてさすがの迫力で31馬身差のベルモントステークスは強烈です

 

 

 

 

 

セクレタリアトの才能を信じた女性の心の軌跡を描く感動作 それが『セクレタリアト 奇跡のサラブレッド』です。

 

 

 

 

 

ちなみにペニー・チェネリー本人もカメオ出演しています。