私がやりました | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『私がやりました』

 

 

 

 

 

2023年 フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

監督・脚本 フランソワ・オゾン

 

撮影 マニュエル・ダコッセ

 

音楽 フィリップ・ロンビ

 

 

 

出演 ナディア・テレスキウィッツ/レベッカ・マルデール/イザベル・ユペール/ファブリス・ルキーニ/ダニー・ブーン/アンドレ・デュソリエ/エドゥアール・シュルビス/レジス・ラスパレス/オリビエ・ブロシュ/フェリックス・ルフェーブル/ミシェル・フォー/ダニエル・プレボー/エブリーヌ・バイル/フランク・ド・ラ・ペルソンヌ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

この犯罪は、誰のモノ?

 

「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、映画プロデューサー殺人事件の犯人の座をめぐって3人の女たちが繰り広げる騒動をユーモアたっぷりに描いたクライムミステリー

 

「影なき殺人」のナディア・テレスキウィッツがマドレーヌ、「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」のレベッカ・マルデールがポーリーヌ、「エル ELLE」のイザベル・ユペールがオデットを演じた

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1935年・パリ、新人女優マドレーヌ・ヴェルディエが有名な欧州で一番偉いプロデューサーであるモンフェラン邸から飛び出してきた

 

 

ルームメイトで弁護士のポーリーヌ・モーレオンが大家に5か月滞納している家賃を督促される、ポーリーヌは弁護士らしく弁論で大家を論破

 

そこにマドレーヌが帰宅し、大家を侮辱して追い出した、マドレーヌにポーリーヌは役は貰えたが、聞くとメイドの役で大金が貰える、それは週2回会えと愛人の誘いで迫られ必死で抵抗して噛みついて逃げてきたと

 

 

そんな話しをしているとマドレーヌの恋人のアンドレ・ポナールがやって来た、大企業の御曹司のアンドレだが実家を継がず仕事もせず小遣いは少額、それに借金もある

 

 

彼の父親が死ねば大金が入るが100歳まで生きそう、そんなアンドレが金持ち娘と結婚すると言い出し、父親が借金を返してくれて祝金も入る、でも愛しているのはマドレーヌで愛人にすると言い出し怒りを露わにするマドレーヌ

 

売れなかい女優のまま我儘の限界だ、そこに国家警察のブラン警部が現れた、モンフェランが頭に銃弾を1発撃ち込まれて殺されたのだ

 

 

最後にモンフェランに会っていたマドレーヌは疑われるが身に覚えがない、証人として証言台に立ったマドレーヌ、しかし自分が疑われていると気付いたポーリーヌを弁護士として呼んだ

 

 

ポーリーヌは判事の仮設を覆し、正当防衛で殺害したと主張、正当防衛なら無罪という判事の言葉にマドレーヌは殺害を認めた、だが2人には狙いがあった、この裁判を利用してマドレーヌを売り込もうと

 

 

注目の裁判が始まり、ポーリーヌが検察側の説を打ち消し、マドレーヌが女性の立場を涙ながらに訴え、聴衆の心を掴み、無罪を勝ち取った

 

 

狙い通り仕事が舞い込み人生が大きく変わろうとしていた、マドレーヌとポーリーヌは大きな家に引っ越し順調かに見えたが、オデット・ショーメットと名乗る過去の女優が現れて、モンフェランを殺したのは自分だと言う

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

フランソワ・オゾン監督の小粋で女性をお洒落に描いたミステリーなのですが、ひねりのきいたユーモアもおいらのオゾン監督とはイメージが違って良かったです

 

時代設定も1935年でそれはそれで服装もお洒落なんです、その時代のパリはまだまだ女性の地位は低いのか、新人女優のマドレーヌは有名プロデューサーに愛人になるように迫ります

 

 

マドレーヌを演じるのはナディア・テレスキウィッツで、役を貰えると人気プロデューサーのモンフェランの邸に赴くのですが、愛人になったら小さな役を与えるとね

 

 

マドレーヌを押し倒してどうにかしようとするのですが、マドレーヌは噛んで逃げてくるんです、しかしその後にモンフェランは殺されてしまい、マドレーヌが疑われるんです

 

マドレーヌには御曹司の恋人アンドレがいたのですが、そんなアンドレが金持ちのマダムと結婚する事で父親が借金を返済してくれてお金もくれる、でも愛しているのはマドレーヌなので愛人にすると言い出して怒り爆発

 

親友で弁護士のポーリーヌを演じるのはレベッカ・マルデールで、マドレーヌと一緒に住んでいるのですが家賃は滞納しているくらい2人とも仕事がないのです

 

 

しかし思わぬところから降りかかったマドレーヌの殺人容疑、まったくそんな事は記憶にないのですがポーリーヌはこの裁判を利用してのし上がろうと考えるのです

 

ポーリーヌはモンフェランに襲われたマドレーヌが正当防衛で殺してしまったと主張、マドレーヌも正当防衛なら無罪との言葉にポーリーヌの案に乗るんです

 

 

裁判では検察側はマドレーヌを女として蔑むような発言を浴びせるのです、まあ男尊女卑なパリなんですけどマドレーヌはポーリーヌの書いた脚本を女優らしくセリフを言い、現代社会における女性の弱い立場を訴えた事で無罪を勝ち取るのです

 

 

そこからマドレーヌは仕事のオファーが殺到し、一躍人気女優となります、ポーリーヌも弁護士として順風満帆で2人は大きな家に引っ越して順調な生活を送るのです

 

しかしそこに過去の大女優のオデット・ショーメットが現れて、モンフェランを殺したのは私だと告白、そしてマドレーヌの人生を奪いにやってきたんです、演じるのはイザベル・ユペール

 

 

バラされたくなかったら金を払えと恐喝するオデット、誰もオデットの相手はしないのですがマドレーヌは女優の仕事を提案するんです、それと金はモンフェランの死で金持ちになった建築家のパルマレードに頼んで、アンドレの父親を丸め込んでアンドレと結婚して金も用意

 

 

パルマレードに頼みに行くマドレーヌは急にヌードになるんです、体を差し出しての頼むのですがパルマレードは妻を愛しているので頼み事に体はいらないと、当時は女性はこんな感じで男社会なんだなと

 

 

 

 

 

 

「犯人の座」をめぐり3人の女たちが繰り広げる、クライムミステリー! それが『私がやりました』です。

 

 

 

 

 

ナディア・テレスキウィッツのヌードは唐突でビックリでした、その後にレベッカ・マルデールも一緒にお風呂に入ったりでさすがフランソワ・オゾン。