『トレマーズ』
1990年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ロン・アンダーウッド
脚本 ブレント・マドック/S・S・ウィルソン
撮影 アレクサンダー・グラジンスキー
音楽 アーネスト・トロースト
出演 ケヴィン・ベーコン/フレッド・ウォード/フィン・カーター/マイケル・グロス/レバ・マッケンタイア/ロバート・ジェイン/シャーロット・スチュワート
《解説》
土煙をあげて、大地が裂けてゆく
ネバダ州の砂漠地帯にある田舎町に突然出現した未知の生物、地中を自在に移動する巨大な蛇状モンスターと住民の攻防が、白昼の下で展開される
「ターミネーター」のゲイル・アン・ハード製作総指揮の陸版ジョーズとも言えるモンスター映画の快作、若かりしケヴィン・ベーコンやフレッド・ウォードなど個性派俳優が好演
《物語》
何でもする便利屋のバルとアールはネバダ州の荒野で鉄条網を張る仕事をしていた、移動の途中で地震学を学ぶロンダと出会い、彼女は荒野に地震計を設置しており、地震計に微妙な揺れが記録され、測り始めて3年経つが初めての出来事だ
バルとアールはピックアップトラックで人口14人の田舎町に戻り、ロンダは地震計を設置して立ち去るが、地震計の針は大きく揺れる
バルとアールはゴミの片付けをし、最低の仕事だと愚痴り、その次にバキュームカーで排泄物をくみ上げるもホースが破裂、2人は排泄物を全身に浴びてしまう
我慢の限界に達した2人は荷物をまとめてピックアップトラックに積んでビクスビーに引っ越しを決意、途中で鉄塔の上にエドガーいるのを発見
ほっとけずにバルが鉄塔に登って声を掛けるが既に死亡していた、医者は脱水症状で死んでいる、おそらく4日は鉄塔にいたという事になる
再びトラックを走らせるとフレッドの家の羊たちがバラバラにされて血だらけなのを見て、フレッドを捜すと地面に埋まっていた、2人は慌てて町に警察に電話を掛けようとするが繋がらない
再びトラックに乗って警察を呼びに行く事に、しばらく走るとがけ崩れで先に進めない、医者夫婦も地中に引きずり込まれていた、トラックで町に戻るが陸の孤島となってしまう
山を越える為にバルとアールは馬で向かうが途中で馬が怯え、2人は振り落とされてしまい、地中から触手が伸び、巨大な怪物が現れた
2人は走って逃げ、コンクリートで覆われた排水路に飛び込むと怪物はコンクリートの壁に激突して動かなくなった、そこにロンダが現れて、地震計の記録から残りはあと3体いる事がわかった
《感想》
低予算で作られたモンスター映画の快作です、「ジョーズ」の亜流作品は数あれどまさかの陸を舞台にするとはアイデアの勝利ですね
冴えない毎日を送るバルとアールは愚痴りながら何でも屋をしています、もっと役に立つ仕事がしたいと思うもなかなか前に進めない、この堕落した生活も悪くないのです
バルを演じるのは「フットルース」のケヴィン・ベーコンで、若く男前なのですが冴えない生活にうんざりしているんです、アールとコンビで仕事をしているんです
アールを演じるのはフレッド・ウォードで、バルにイジられるキャラクターなのですが兄貴分で何かとバルを気遣ったりしているんです
噂の女性大学院生がいると聞いてバルは金髪ロングで巨乳でお尻も大きいスタイル抜群の女性を想像するのですがそこにいたのはショートヘアの胸もお尻もぺったんこのロンダ、演じるのはフィン・カーター
いよいよ嫌気が差して町を出る覚悟をするんです、昼食とビール付の誘惑の仕事を振り切って町を出るのですが鉄塔に登ったままの死体を発見した事から町に戻る事に
何で鉄塔に登ったまま死んでいるのか、しかも脱水症状で死亡、謎だらけですが工事関係者も襲われてがけ崩れが起きてしまって町は陸の孤島となってしまいます
警察を呼びにバルとアールは馬で移動するのですがそこにモンスターが登場、地中を移動する目のない怪物で音に反応して襲い掛かってきます、そして地中に引きずり込みます
2人は遭遇しますが怪物はコンクリートに衝突して死んでしまいます、そこに地震学を学ぶ大学院生のロンダが現れて調べるとあと3体いると
3人で町に戻るとそこに怪物は襲い掛かってきます、ロンダは有刺鉄線に足を巻かれて動けなくなってしまい、しかも怪物は有刺鉄線ごとロンダを食べようとします
バルはロンダにズボンと靴を脱げと言って脱がせて有刺鉄線を外して走って町の店の中へと逃げ込みます、ここでロンダはパンティだけで走るこの作品で唯一のサービスショットでした
ガンマニアのプレッパー(日常的に災害などの訓練に取り組んでいる人)でちょっと変わり者のバートを演じるのはマイケル・グロスで家を要塞のようにしていて襲い掛かって来た怪物を倒しています
その妻のヘザーを演じるのがレバ・マッケンタイアで本作が女優デビュー作、本職はカントリー歌手で、「タイタニック」のオーディションでモリー・ブラウン役を獲得するも映画製作が予定より遅れ、撮影時期がコンサートと重なり辞退しています、その役はキャシー・ベイツが引き継いでます
怪物が襲い掛かってくる恐怖はあるものの、それ以前に登場人物の動揺やキャラクターを面白く描いていて恐怖と笑いのバランスが絶妙です、そして最後はキスで一件落着
後にシリーズ化されて続編は7本作られていて、ビデオ作品としてリリースされています、ケヴィン・ベーコンとレバ・マッケンタイアが続投の予定でしたがスケジュールの都合で断念、続編は観てませんが本作は面白かったです
突然起こった地殻変動の謎は? それが『トレマーズ』です。
「ターミネーター」のゲイル・アン・ハードが製作総指揮でその手腕を発揮した快作でしたね。