『ゴジラー1.0』
2023年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 山崎貴
撮影 柴崎幸三
音楽 佐藤直紀/伊福部昭
出演 神木隆之介/浜辺美波/山田裕貴/青木崇高/吉岡秀隆/安藤サクラ/佐々木蔵之介/田中美央/遠藤雄弥/飯田基祐/長谷咲笑
《解説》
戦後、日本、無(ゼロ)から負(マイナス)へ
日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手掛けた
戦争から生還するも両親を失って主人公の敷島浩一を神木隆之介、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺美波が演じる
《物語》
第二次世界大戦末期の1945年(昭和20年)、零戦で特攻に向かったはずの海軍少尉・敷島浩一は機体の故障を主張して小笠原諸島・大戸島の守備隊基地に着陸
しかし整備主任の橘宗作は故障個所は見当たらないと、敷島が嘘をついて特攻から逃げて来た事を察し、この戦争の結果は既に見えていると笑った
その夜、島に身長15メートルほどの怪獣が出現、基地を襲撃、それはこの島に昔から語り継がれている伝説の怪獣・呉爾羅(ゴジラ)だ
橘は敷島に零戦の機銃で撃つよう言うが霧島は恐怖のあまり動けず引き金を引く事が出来ず、整備士たちは橘を残して全員死亡、夜が明けて橘は敷島になぜ撃たなかったのかと怒りをぶつけた
やがて戦争は終戦を迎え、敷島は本土に引き上げる船で橘から整備士たちの遺品である家族写真や手紙を不躾に渡された
1945年12月、敷島は焼け野原となった東京に帰って来たが、実家は空襲でなくなり、隣人の太田澄子から両親が死んだ事を知らされ、澄子は家族を失い特攻から逃げ帰った敷島を責めた
闇市にいた敷島は盗みに失敗して逃げていた女性から赤ん坊を押し付けられ、途方に暮れていると物陰に隠れていた女性と再会して赤ん坊を返した
女性は典子と名乗り、赤ん坊は典子が空襲で死にかけた女性から託されたもので名は明子、霧島は居付いてしまった典子と明子と成り行きから生活を始めた、赤ん坊を気遣う澄子から食糧を分けてもらって何とか生活
敷島は典子と明子を養う為に戦時中に米軍が仕掛けた機雷除去の仕事に就いた、危険だと言う典子を説得して順調だったが、霧島は毎夜ゴジラの悪夢に悩まされていた
1946年7月、米軍はビキニ環礁にてクロスロード作戦を実行、この核実験により近海にいたゴジラが放射能を浴びて身長が50メートルい巨大化し、米軍の艦艇を沈めて日本へと向かう
《感想》
本日はおいらの誕生日で誕生日レビューに本作を選びました
衝撃的に面白かったです、怪獣映画でありながら人間ドラマも盛り込んで、当初はなぜ現代じゃないのかと思いましたが、戦後にした事で更に人間味が増した感じです
まあ批判的な意見も多いですがエンタメ作品なんだからもっと楽しんで観ろよと言いたい、人が作った物を文句言いまくるのはネットでの醍醐味なのかもね
ゴジラ生誕70周年記念作品なのですが、ゴジラももう70年も作られているのですね、日本が作ったキャラクターの中でも世界中で特に有名だと思います
あの第一作目の「ゴジラ」を踏襲するようなまずは呉爾羅の登場、過去作のオマージュのようで当時アメリカではカットされた米軍による核実験によって呉爾羅がゴジラへと変貌
主人公の霧島浩一を演じるのは神木隆之介で、特攻隊員でありながら嘘の故障を主張して特攻から逃れた元海軍少尉、守備隊基地で呉爾羅に襲われるの怖気づいてしまい何も出来ずに大勢を死なせてしまいます
その事を整備主任の橘に責められ、特攻から逃げ、整備員を大勢死なせてしまい失意の中で終戦を迎えて実家のある東京に戻るとそこは焼け野原、橘を演じるのは「るろうに剣心」シリーズの青木崇高
隣人の太田澄子に両親が死んだ事を知らされ、しかも特攻の生き残りと知って特攻が生き残って私の家族が死んだと霧島を責めるんです、何かあるごとに嫌味を言う澄子を演じるのは安藤サクラ
そして闇市で出会った典子を演じるのは「シン・仮面ライダー」の浜辺美波で、空襲で死にかけた女性から赤ん坊の明子を託され、典子の生きる為なら「パンパンをやれって言うの?」ってセリフでパンパンって久しぶりに聞きました
霧島と一緒に生活をするようになるのですが、赤ん坊がいると知ってあれだけ嫌味を言っていた澄子が子育てに協力して白米を分けてくれます、澄子は3人の子を育てていたんです
それでも霧島は呉爾羅の悪夢を見るのですが、その事を典子に説明するのです、そしてゴジラが銀座に現れた時に電車の中から典子は「あれがゴジラ」って呟くのですがその表情は素晴らしく良かったですね
この時にゴジラの全身が見れるのですがそれと同時にゴジラのテーマが流れるんです、おいらはこれだけで鳥肌が立ちましたもん、発射する熱線の強烈です
機雷除去の仕事を一緒にする船長の秋津を演じるのが佐々木蔵之介、小僧と呼ばれる水島を演じるのは「キングダム 運命の炎」の山田裕貴、元技術士官の野田を演じるのが吉岡秀隆
この3人と霧島は友情を深めるのですが、ビキニ環礁での核実験の後に米軍の艦艇がゴジラに攻撃されて足止めしろと無謀な命令をされるのです、もちろんこんな小さな船では何の役にも立ちません
危機一髪で重巡洋艦の高雄が砲弾するのですがゴジラは熱線を放って高雄は沈没、そのままゴジラは東京に向かって銀座を襲撃して国会議事堂を破壊するのです
駆逐艦の元艦長である堀田辰雄がリーダーとなって民間によるゴジラ退治をします、野田が砲撃の効かないゴジラを倒す海神(わだつみ)作戦を決行、堀田を演じるのは田中美央で素晴らしかったね
そしてラストには続編がありそうなエンディングで幕を閉じます、ネタバレになってしまうので書けませんがまさか、もしかしてそっちもって感じです
生きて抗え それが『ゴジラー1.0』です。
第96回アカデミー賞視覚効果賞受賞です、約15億円の製作費はかなりの低予算でアメリカ映画関係者を驚かしました。