カラオケ行こ! | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『カラオケ行こ!』

 

 

 

 

 

2024年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 山下淳弘

 

原作 和山やま

 

脚本 野木亜紀子

 

撮影 柳島克己

 

音楽 世武裕子

 

 

 

出演 綾野剛/齋藤潤/芳根京子/橋本じゅん/やべきょうすけ/吉永秀平/チャンス大城/八木美樹/RED RICE/後聖人/井澤徹/岡部ひろき/米村亮太朗/坂井真紀/宮崎吐夢/ヒコロヒー/加藤雅也/北村一輝

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

青春も延長できたらいいのに

 

変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた和山やまの人気コミックを、綾野剛主演で実写映画化

 

「オーバー・フェンス」などの山下敦弘がメガホンを取り、「罪の声」などの野木亜紀子が脚本を担当、原作はドラマ「夢中さ、きみに。」やアニメ「女の園の星」の原作で知られる和山やま

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

中学校の合唱部の部長でソプラノ担当の男子中学生の岡聡実、変声期を迎えて思うような高い声が出難くなって上手く歌えないという悩みを抱えていた

 

 

合唱コンクールでは3位となり副顧問の森本もも先生はみんなの健闘を称えたものの、聡実らは1位ではなかった事と全国に行けなかった事で納得出来ないでいた

 

聡実はもも先生が置き忘れたトロフィーを取りに行くと、そこにいた如何にも反社会勢力風の見知らぬ男から「カラオケ行こ」と誘われ、断り切れずにカラオケ店へ

 

 

男は名刺を出して成田狂児と名乗り、暴力団・祭林組の若頭補佐のヤクザであるが、ブラック企業に勤めているとごまかしたが聡実はヤクザとわかって恐ろしくなった

 

しかし狂児は思わぬ提案をしてきた、それは祭林組組長の誕生日に行われる恒例行事のカラオケ大会で最下位にならないように聡実に歌を教えて欲しいというもの

 

 

狂児は最下位になると組長の趣味である刺青を彫られるというもの、組長は絵心もなく望まない刺青を彫られるという組員は毎年この時期になると憂鬱となっていた

 

そんな危機感を覚えた狂児は聡実らの合唱コンクールでの美しい歌声だったのです、聡実の中学生が1位だと思っていたくらいで、その中でも部長の聡実にアドバイスをして欲しいと頼む

 

狂児は十八番の「紅」を歌うも聡実は気持ち悪いと素直な感想を述べ、好きなものを食べさせてもらいその日はなんとか帰る事が出来た

 

 

次の日に狂児は聡実がカラオケ店に忘れた傘を持って学校にやって来た、仕方なく聡実は狂児に付き合ってカラオケ店に行き、アドバイスをしているうちに奇妙な友情が芽生えてくる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

原作漫画も読んでいたのですが、最初は漫画の狂児のイメージが「ホムンクルス」の綾野剛にハマるのか心配でしたけど段々と綾野剛が狂児に見えてきたんです

 

 

もう何回「紅」を歌ったんだと思うくらい何回も歌ってます、ほとんどは「紅だーぁ!」の出だしが多かったですけど、確かに最初の裏声の歌い方は気持ち悪かった(笑)

 

それにスタイルは綾野剛の背の高さや足の長さが狂児でした、公開時に劇場に行こうかと思ったのですが早朝の1回だけだったので断念してしまいました

 

聡実役にはオーディションで選ばれた齋藤潤で、中学生男子の思春期の悩みや反抗的なところを上手く演じています、それにヤクザに囲まれた時の萎縮した感じもね

 

 

狂児に連れられて行ったカラオケ店にはヤクザがズラリと並んでいるんです、やべきょうすけはカスと言われて中学生男子に本気で怒ったり、芸人のチャンス大城が気の良いヤクザだったりね、歌はメチャクチャみんな下手ですけど

 

 

狂児のこの名前の由来を思い出す過去で父親を演じるのが加藤雅也で、母親を演じるのがヒコロヒーで、なかなかのキャスティングだと思いましたね

 

絵心のない祭林組組長を演じるのは「沈黙のパレード」の北村一輝で、ここまで関西圏出身者でキャスティングしているところが素晴らしいです、方言って難しいですもんね

 

 

副部長の中川を演じるのは八木美樹で、この時期の女子は男子より大人なので、下級生の和田に中川は聡実をかばい、聡実は中川をかばう事から「2人はデキてるのですか!」と言うと中川は聡実の腕を組んでデキてるよって、聡実はドギマギするだけ

 

 

中学生の頃って異性に対して好き嫌いよりも興味が色々とあったりして、男子は腕を組まれるだけでドキドキしたり汗かいたりするもんです、女子はそんないたずらするしね

 

 

もも先生を演じるのは芳根京子で、彼女は東京出身者なのですがNHK朝ドラで大阪に住んでいたし、方言指導も何回も受けているようなので関西弁も上手かったですよ

 

 

内容は薄いのですが、原作の和山やま先生の漫画はそんな日常を綴った作品が多くて、それがまたあるあるで面白いんです、こんな内容なのにめちゃ面白いんです

 

 

 

 

 

歌がどうしてもうまくならないといけないヤクザは、変声期に悩む合唱部部長の中学生に歌のレッスンを頼んだ それが『カラオケ行こ!』です。

 

 

 

 

 

本作の原作も面白いです、ちなみにおいらは続編の「ファミレス行こ。」の上巻を読んでます、下巻は年末か来年くらいになりそうです。