『スター80』
1983年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ボブ・フォッシー
原作 テレサ・カーペンター
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
音楽 ラルフ・バーンズ
出演 マリエル・ヘミングウェイ/エリック・ロバーツ/クリフ・ロバートソン/キャロル・ベイカー/ロジャー・リース/デイヴィッド・クレノン/ジョシュ・モステル/リサ・ゴードン
《解説》
恋に生き愛に死んだ女と男
1980年の「プレイボーイ」誌のプレイメイト・オブ・ザ・イヤーに選ばれた金髪グラマー女性ドロシー・ストラットンの衝撃的な死を基に、その死の真相を描く
元ドロシー・ストラットンを襲った悲劇をボブ・フォッシーが独自のセンスで映像化した作品で、単なる再現ドラマの粋を遥かに越えた見応えある映画になっている
《物語》
1978年、カナダ・バンクーバ、定職に就かずチンピラのような生活をしているポール・スナイダー、ハンサムな顔立ちのナルシストで女を使ってセコイ金を稼いでいた
ドロシー・ストラットンは学生生活を終えて、アイスクリーム店で働く平凡な女の子、たまたまその店にやって来たポールはドロシーに一目惚れ、数回のデートでドロシーも彼に惹かれていく
真面目で天性の明るさを持つドロシーにポールは安らぎを得ていた、そんな頃、ポールはドロシーのヌード写真を撮りプレイボーイ誌に送った
それがオーナーであるヒュー・ヘフナーの目に留まり、プレイメイトのテストを受けるように勧められ、単身ロスへ行き、ヘフナーに「君の未来はバラ色だ」と言われ有名なプレイボーイ・マンションの一員となる
写真を撮るだけで1万ドルのギャラでドロシーは多忙となった、ポールはすぐに後を追ってロスへと趣き、それからはドロシーに付きっきり
ドロシーの稼ぎで派手な服を買い、周りからはヒモと言われるがポールはドロシーに結婚を迫り、それを聞いたヘフナーらは反対するも押し切って結婚
湯水のようにドロシーの稼ぎを使いベンツを乗り回し、他のプレイメイトにもちょっかいを出し、そのポールの態度は周囲のひんしゅくを買う、それはドロシーの目にも同じ
オーディションで有名な映画監督アラムと出会いドロシーはポールとは得られない心地良さを得る、次第にポールの嫉妬心は深まって行く
ドロシーは80年度のプレイメイト・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、アラムの映画に出演することになった、ニューヨークでの撮影となりドロシーはポールと離れ冷静に考えた
そしてアラムに惹かれ遂にドロシーはアラムの宿泊するホテルに泊まった、ドロシーのスターへの道は目の前だった、嫉妬に狂うポールとの仲はすっかり冷え切り、別れを決意、そして最後に会って欲しいと言うポールに会いに行ったドロシー
80年8月14日、用意していた猟銃でドロシーを撃ち殺し、そして自らも同じ銃でポールは自殺した
《感想》
この作品もかなり子供の頃に公開されまして、映画雑誌にセクシーな写真を見て興奮したもんです、その後にビデオで見て興奮、最近になってDVDで鑑賞して、なかなか面白かった記憶があります
実際の事件を基にして作られていますが、普通は役名を変えたりして作られるんですが本作は実名です、アメリカは権利などにうるさいのに奇跡のようだと
そのドロシー・ストラットンを演じるのがアーネスト・ヘミングウェイの孫で「リップスティック」で姉のマーゴ・ヘミングウェイと姉妹共演したマリエル・ヘミングウェイ
彼女はドロシー・ストラットンを演じるにあたり、豊胸手術までしたそうです、この女優魂は凄いと思いますよ、でもね、豊胸した割りには小ぶりなんです
全編で惜しげもなくそのヌードを晒しています、プレイメイト役なのでヌードは当然だと思いますが、女優とはこうであってもらいたいと思いましたね(笑)
ヒモのポール・スナイダーを演じるのはエリック・ロバーツ、彼はジュリア・ロバーツの兄で若い時は演技派だったのですが最近は見なくなりましたね
さすがに男前でナルシストってのがピッタリでした、ドロシーという逸材を見付けるのですがそのドロシーが自分から離れていくのが許せなかったのでしょう、ヒモ男の悲しいところです
自分に自信があったのにドロシーが他の男の方に行くのが許せない、耐えれなかったのでしょうね、誰かに取られるなら殺して自分も死ぬとね
ドロシー・ストラットンの代表作は「ギャラクシーナ」、観た記憶はないなぁ~、田舎の平凡な女の子が一躍スターとなるサクセスストーリーでもありますが、怖い話でもありますね
ラストの殺害シーンは実際にドロシー・ストラットンが殺害されたアパートで撮影されたそうです、そこまでしなきゃ話題にならないのかな?
恋人が雑誌社に写真を送った事がきっかけで一流モデルへと昇進していった女の顛末を描いた悲劇の実話 それが『スター80』です。
タイトルの「STAR80」はポールが乗るベンツのナンバープレート、見方によってはアメリカのショウビジネスが垣間見れますね。
更に過激な続・裏237号室の『スター80』のレビューはこちらです。