ヘルタースケルター | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ヘルタースケルター』

 

 

 

 


2012年 日本

 

 

 

 


《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 蜷川実花

 

原作 岡崎京子

 

脚本 金子ありさ

 

撮影 相馬大輔

 

音楽 上野耕路

 

 

 

 

出演 沢尻エリカ/大森南朋/寺島しのぶ/綾野剛/水原希子/原田美枝子/新井浩文/窪塚洋介/桃井かおり

 

 

 

 


《解説》

 

 

最高のショーを見せてあげる

 

第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子の同名コミックを、写真家・蜷川実花の監督第2作として実写映画化、主演は「クローズド・ノート」以来5年ぶりの映画復帰となる沢尻エリカ

 

オールヌード、激しいラブシーンという沢尻エリカ渾身の演技が注目され、型破りな話題作として2012年の日本映画界で大きく注目を浴びて大ヒット

 

 

 

 


《物語》

 

 

芸能界の頂点に君臨するトップスターのファッションモデルのりりこ、その美貌で雑誌、テレビ、映画、日本中どこを見てもりりこ一色

 


 

しかし、りりこには重大な秘密があった、彼女は全身整形で目ん玉と爪と髪とアソコ以外は全部作り物、知っているのは事務所社長の多田とメイクの沢鍋だけ

 


検事の麻田は、脱税、贈収賄、死体臓器売買、薬事法違反容疑で「麻布プラチナクリニック」に目を付けており調査中、大半が政治家や富裕層のためにもみ消されてしまう、麻田はりりこを見た時に全身整形に気付き接触を試みている

 

経歴や年齢全てが謎に包まれたりりこ、ファッションモデルでデビューするやいなや大人気となった、奔放かつ自己中心的な性格で周りには迷惑をかける

 


 

今日も楽屋にやってきた交際相手の南部ホールディングスの御曹司の南部とその場で激しいセックス、取り巻きはセックスが終わるまで外で待機

 


 

夜にはプロデューサーとセックスして枕営業をこなす、仕事に念には念を入れておくりりこ、しかし整形手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始める、定期的に「麻布プラチナクリニック」でメンテナンスを必要とする身体なのだ

 


 

常に美の崩壊と、頂点から転落する恐怖に怯えるりりこ、情緒不安定なりりこは35歳のマネージャーの羽田美知子にアソコを舐めさせて変態女と罵る、美知子はりりこの言いなり

 

 

そんなある日、生まれたままの美しさでトップスターの座を脅かす後輩モデル、人気急上昇の18歳の吉川こずえの登場で不安を隠せないりりこ

 


 

生まれながらに美しいがゆえに美に執着しないこずえにりりこは妬ましく思い、憎悪を抱き、窮地に追い込まれていき、薬物に手を出してしまい意識が混濁してしまう

 

りりこの恋人である南部が政治家令嬢との結婚スクープが週刊誌に掲載され、りりこは怒りと嫉妬で震える、令嬢よりも格下に扱われた事で憎悪は令嬢へと向かう

 

 

りりこは美知子をいたぶって憂さ晴らしをし、美知子の恋人の奥村真一を美知子の目の前で寝取り、2人を奴隷のように利用して南部の婚約者を襲わせ、顔に硫酸を浴びせた

 


 

そして美知子の内部リークもあり、美容クリニックの違法行為が発覚し、りりこの全身整形の事実も公開されマスコミの絶好の対象とされ、記者会見を行うが…

 


 

 

 

 


《感想》

 

 

映画主演は5年ぶりの沢尻エリカの復帰作です、簡単に復帰は難しいと考えたのかなかなかインパクトの強い作品でヌードと激しいセックスシーンのある強烈な本作を選んだようです

 


 

写真家の蜷川実花が「さくらん」に続き撮影したのが本作です、元々は7年前に行定勲監督が浜崎あゆみ主演で撮る計画があったようです

 

その頃は浜崎あゆみは絶頂期で、原作にあるハードなシーンに尻込みして実現しなかったようです、その後に蜷川実花が沢尻エリカで撮るとなった時に今度は浜崎あゆみが名乗り出ましたが結局は沢尻エリカで決まったようです

 


それでも蜷川実花が撮ると決まってもそこから約5年も掛かったそうです、プロデューサーがその間に沢尻エリカに打診して出演の了承を口約束ですが取り付けたようです

 

でもおいらは蜷川実花が監督としての実力はまだまだだと思ってます、やっぱ本業は写真家なので演技は役者任せで演技指導もしないので沢尻エリカは戸惑ったようです、でもその画作りはさすが

 

それでも彼女の存在感は凄かった、大胆なヌードもサラリと演じています、セックスシーンなどはハード版とソフト版の両方を撮影してレイティングに対応したそうです


 

この下着姿カッコイイです、こんなのが現れたら萎縮しちゃいそうです、さすがにハーフなのでスタイルも抜群です、それに美しさは人生の絶頂期だったかも

 


 

御曹司の南部貴男を演じる窪塚洋介とのセックスシーンなんか中途半端、もっとガッツリとするシーンの方がりりこの貪欲さが伝わったかと思います

 


 

やっぱり女性監督はそんなシーンでも綺麗に撮りたいのかな?、なかなかいやらしく撮るのは難しいのかも、バックから胸を揉むのは良かったです、でもセックスシーンに見えないんだなこれが
 

沢尻エリカをもっと前面に出してもいいのにね、彼女はこの映画に賭けてるのでもっと沢尻エリカの貪欲な姿を見たかったですね(笑)

 

 

検事の麻田を演じるのは大森南朋で、「麻布プラチナクリニック」の不正を暴こうとりりこに協力を仰ぎます、「麻布プラチナクリニック」のオーナーを演じるのは原田美枝子です

 

りりこのマネージャーの羽田美知子を演じるのは寺島しのぶで、りりこに虐げられても彼女に上手く使われて離れられません、その恋人の奥村伸一を演じるのは「GANTZ」シリーズの綾野剛

 

 

事務所の社長を演じるのは桃井かおりで、メイクを担当する沢鍋を演じるのが新井浩文、この2人はりりこが全身整形だと知っているんです

 

 

沢尻エリカはグラビア時代は清純なイメージでした、女優となってスターの階段を上がってもうすぐ頂点というとこであの事件、もったいない5年でしたね

 


 

りりこの後輩モデルのこずえに水原希子、彼女も綺麗です、美人な上にスレンダーでまさにモデル体型です、同じ事務所の後輩にライバル登場でりりこは焦りましたね

 


 

生まれながらにして美しい彼女は美に執着せずに自然体、それがりりこには脅威なんです、マネージャーに顔面を切ってこいと言うほどですからね


色々と重なってりりこは情緒不安定となり薬に手を伸ばします、テレビの収録中に取り乱し、そこから一気に転落していきます、芸能界ってある意味恐ろしいですね

 

 

身体もおかしくなり肌に黒い染みが全身に現れてどうにもならないところまで来てしまいました、美容クリニックは捜査されるし、もうメンテナンスも出来ません、りりこはどこに向かうのでしょうか?

 

 

ラストは恐ろしいことになってますがそれが何だか伝わりにくいのが悩ましいです、海外の見世物小屋なんて本当に恐ろしそうですもん

 

 

 

 

見たいものを見せてあげる それが『ヘルタースケルター』です。

 

 

 

 

そんなりりこですが妹思いなのがほんの少し救われます、でも妹も、女性は美しさが欲しいのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な続・裏237号室の『ヘルタースケルター』のレビューはこちらです。