ダークグラス | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ダークグラス』

 

 

 

 

 

2022年 イタリア・フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ダリオ・アルジェント

 

脚本 フランコ・フェリーニ

 

撮影 マッテオ・コッコ

 

音楽 アルノー・ルボチーニ

 

 

 

出演 イレニア・パストレッリ/アーシア・アルジェント/シンユー・チャン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

盲目の美女を襲う見えない恐怖、血に飢えたブラインド・ホラー

 

「サスペリア」「フェノミナ」などで知られるイタリアンホラー界の巨匠ダリオ・アルジェントが、前作「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」以来10年ぶりに手がけた監督作

 

主人公ディアナを、「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」でイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビト・ディ・ドナテッロ賞の主演女優賞を受賞したイレニア・パストレッリが演じる

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ローマ、今日は皆既日食の日で人々は黒いフィルターを目に当てて空を見ている、コールガールのディアナも公園の前で車を止めてサングラスをかけて空を見上げると昼間なのにみるみる辺りは闇に包まれた

 

 

あるコールガールが仕事を終えてホテルを出たところで何者かに襲われ、喉を切られて血塗れになっているところを通行人たちに発見されたが死亡

 

 

警察はホテルの従業員の証言で現場近くで接触事故を起こしたにも拘わらず走り去った黒いバンがいたと、警察は黒いバンの男を容疑者と考え、防犯カメラを分析

 

ある夜、ディアナはホテルの一室に向かうと乱暴なプレイを要求する客を断ると暴力を振るわれ、催涙スプレーを浴びせて股間を蹴り上げてホテルを出た

 

男が追って来ないか後ろを気にして自分の車に乗り込むと男がドアを叩き、ディアナは恐怖で車を発車させると男は白いバンで追い掛けて来る

 

交差点で後ろから追突されたディアナの車はそのまま交差点に突っ込み、中国人親子が乗る車に衝突、この事故で中国人の父親は即死、母親は昏睡状態、後部座席の10歳の男の子チンは無事だったが施設に入れられ、ディアナは両目を失明

 

 

娼婦連続殺人事件の担当刑事のアレアルディ警部から質問をされるがディアナの憶えている事は少なかった、サングラスをするようになったディアナの元に歩行訓練士のリータがやって来た

 

 

彼女は白杖と視覚障害者用携帯電話を持って来た、ディアナを外に出すようになり、そしてディアナは盲導犬のネレアと暮らすようになる

 

 

ディアナは施設を訪ねてチンと会う、最初はよそよそしかったが次第に心を通じ合わせる2人は一緒に暮らすようになるのだが、そんな彼女を殺人鬼は再び狙う

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

もちろんホラーの帝王と言えばダリオ・アルジェントだと言う人もいるでしょう、そんなアルジェントの10年ぶりの新作です、ダリオ・アルジェントの新作ってだけで観てしまいます

 

 

1977年に日本で公開された「サスペリア」を観て、その色彩豊かな悪夢のような映像美と強烈な音楽、そして残酷な描写とホラーを官能的に魅せるアート的な演出でした

 

本作は「サスペリア2」のような原点回帰のジャッロで展開していきます、当初は2000年代頭に脚本は完成しながらも諸事情で中止されていた幻の企画

 

現在83歳のダリオ・アルジェントなのでこの先もそんなに長くはないと思いますが、こうして新作が観れた事はホラーファンとしては嬉しい限りです

 

主人公のディアナを演じるのはイレニア・パストレッリで、職業は娼婦なのです、呼ばれたホテルに行ってセックスをする、しかしその日は乱暴なプレイを強要する客だったんです

 

 

やはりどこの国にもいるサディスティックな責めをしたい男なのでしょう、金を払うから何でもさせろと言わんばかりに乱暴をしてディアナを従わせようとします

 

ディアナも殴られるも催涙スプレーで応戦して股間を思いっきり蹴り上げてホテルから速足で逃げるんです、後ろから男が追って来ないか気が気でないディアナ

 

車で逃げるのですが白いバンが追い掛けて来るのです、これは客の男とは違って娼婦連続殺人事件の犯人なのです、何とか逃げるも後ろから追突されて交差点で中国人家族の乗る車と接触

 

 

これがまた強烈な事故で中国人の乗るフロントは大破して父親と母親は剥き出しの状態で血塗れです、後ろに乗っていた子供のチンは軽傷、ですがディアナは失明してしまいます

 

 

その後にチンを訪ねたディアナのアパートメントにチンがやって来るのです、最初はディアナのせいで両親が死んだと罵るのですが目の見えないディアナも気の毒に思えたのでしょう

 

 

2人に絆のようなものが芽生え始めるんです、失明しても娼婦として働くディアナ、お客も醜い自分を見られずに済むからとディアナを気遣う様子も

 

 

ディアナの歩行訓練士のリータを演じるのがアーシア・アルジェントで、久しぶりに見てすっかりお年を召したなと、あのタトゥーだらけのビッチを演じていたアーシアもすっかり落ち着いた役です

 

 

それでもアルジェントの絶頂期から比べるとやはり物足りないところはあります、ギャスパー・ノエ監督の新作では主演を務めているそうです、老いてますます盛んですね

 

 

 

 

 

10年ぶりのアルジェント、誰にも止められない! それが『ダークグラス』です。

 

 

 

 

 

次の新作はまだあるのでしょうか?、おいら世代には絶大なインパクトを残した監督です。