サスペリア PART2 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『サスペリア PART2』





1975年 イタリア





《スタッフ&キャスト》


監督 ダリオ・アルジェント

脚本 ダリオ・アルジェント/ベルナルディーノ・ザッポーニ

撮影 ルイジ・クベイレル

音楽 ジョルジオ・ガスリーニ/ゴブリン



出演 デヴィッド・ヘミングス/ダリア・ニコルディ/ガブリエレ・ラヴィア/マーシャ・メリル/エロス・パーニ/グラウコ・マウリ/クララ・カラマイ/ニコレッタ・エミル





《解説》


約束です!決してひとりでは見ないで下さい

「サスペリア」のヒット後公開されたため、“PART2”の邦題がつけられた ホラー的な要素を巧みに取り入れたサスペンス映画の傑作にして、鬼才ダリオ・アルジェントの代表作

イギリスからローマにやってきた若いピアニストが次々と起こる異常な殺人事件に巻き込まれる、日本公開版では詳細な人間関係はカットされていたが、後に完全版が公開され、「紅い深淵」の副題がついた





《物語》


あるクリスマスの夜、レコードから子供の歌が流れる家庭で殺人が行われた、子供の叫び声に落ちた血の付いた包丁



数十年後、ある欧州超心霊学会でテレパシーの持ち主であるヘルガ・ウルマンの講演が行われていた、彼女は聴衆が驚くようなパフォーマンスをして見せるが突然苦しみだした、聴衆の中にかつて殺人を犯した者を感じ、そしてその者は再び人を殺すと言うのである



その夜、ヘルガはアパートにいるとドアの呼び鈴が鳴った、彼女はドアの前で異様な殺気を感じるがその瞬間にドアが開き、彼女は大きな包丁で切り付けられた



その頃、アメリカ人作曲家のマークは泥酔した友人カルロと出会い道端で雑談していたところ、そこに女性の叫び声が聞こえた、カルロと別れてアパートに戻ろうとしたその時だった




アパートの窓越しにヘルガが殺されるのを目撃してしまったマークは急いでヘルガの部屋へ向かうが、異様な絵が多く飾られた廊下を通った奥の部屋で、ヘルガが殺されていた





警察が部屋を調べていると、マークは違和感を感じた、廊下の絵がひとつ無くなったような感覚だ、そこに女性新聞記者のジャンナが現れて写真を撮り、それが翌日の新聞に載った、犯人に姿を見たことが知られたと思ったマークはジャンナと共に犯人捜査に乗り出した




消えた絵の謎を解くためにアパート下にいた友人のカルロの家を訪れたマークはそこで元女優の母親と出会い、カルロからは深入りするなと忠告される、謎を解く鍵は子供の歌声と壁に塗りこまれた不気味な絵



マークとジャンナが捜査を進めると、また1つまた1つと殺人事件が起こる、火掻き棒で殴られ、ナイフを後頭部に突き立てられて殺されたり、熱湯に顔を押し付けられて殺されたりと連続して起こる



事件の核心に近づいた時に、ついに2人にも犯人の魔の手が迫る、ヘルガが告げた、かつて人を殺し、そしてまた誰かを殺そうとしている人間、その謎がいま解けたのだ







《感想》

この映画はダリオ・アルジェントの中では1番好きです、まさにアルジェントのジャーロの傑作だと思います、犯人捜しの推理と残酷な殺戮シーンの連続で観る者を飽きさせません、カルロ・ランバルディの特殊効果も素晴らしいです



子供の頃に観て頭に焼き付いてます、最初のヘルガ殺人シーンはいまだにインパクトあります、その他の残酷な殺人シーンも衝撃的でした、ホラーに目覚めた1本です、痛いシーンも満載です



アルジェントは、ありとあらゆる映画的手法を投入、ホラー映画史に残る驚異の映像トリックを仕組みました、見終わった後に観客はもう1度映画ははじめから見直すことになるだろうと言われています



凝りに凝った室内美術、なさけ容赦ない殺人描写、そこにゴブリンの重たいロックが流れる、とくればこれはもう、知っている人はみんな知ってるアルジェント・ワールド



このジャーロってテーマがアルジェントの永遠のテーマのような気がしますね 本当にアルジェントの油が乗りに乗ってるイケイケの時期でした、映像トリックは今だに秀逸です



アルジェントも傑作を量産してましたから家庭をかえりみなかったのかもね、この時期のアルジェントは本当に凄い、「サスペリア」でその名を世界に轟かせましたが、その後もイタリア映画ここにありって感じで作り続けます

 

主人公のマークを演じるのがデヴィッド・ヘミングスで弱々しく見えますが犯人に狙われるとの考えからか犯人捜しに没頭、その相棒を務めるジャンナを演じるのがダリア・ニコルディ、公私共にアルジェントのパートナーです、美しいです


 

そして犯人を知ってしまったマークは驚愕しますがしかし辻褄が合わないんです、そこでもう一度最初のヘルガ殺害現場に行って見ていたのに見落としていた事を思い出すんです

 

 

現れた黒幕に襲われたマークでしたが間一髪で黒幕は事故で残酷に死んでしまいます、そこで映画はエンディングとなるのですが血だまりにエンドロールにメインテーマが美しく旋律します

 


本作も「サスペリア」のヒットで急遽公開された感じで、パート2なのに本作のほうが古い、結果は全然関係ない作品でした、現在は「紅い深淵」というサブタイトルが付いてます





深紅の色調に彩られた連続殺人劇、ホラー映画史に残る驚異の映像トリック、スタイリッシュな恐怖が全編を貫く鬼才、ダリオ・アルジェントの最高傑作 それが『サスペリア PART2』です。





ナーナーナーナ、ナナナーナーナナナナ… このメロディが頭から離れません(笑)