スパニッシュ・アパートメント | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『スパニッシュ・アパートメント』

 

 

 

 

 

2001年 フランス・スペイン

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 セドリック・クラピッシュ

 

撮影 ドミニク・コリン

 

音楽 ロイク・デュリー

 

 

 

出演 ロマン・デュリス/ジュディット・ゴドレーシュ/オドレイ・トトゥ/セシル・ドゥ・フランス/ケリー・ライリー/クリスティナ・ブロンド/フェデリコ・ダナ/バーナビー・メッチュラート/クリスチャン・パグ/ケビン・ビショップ/グザヴィエ・ドゥ・ギユボン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

フランス人、スペイン人、イギリス人、ドイツ人、デンマーク人、ベルギー人との共同生活!

 

スペインに留学したフランス人青年の心の成長を描く青春ドラマ、本国フランスはもちろん、ヨーロッパ各国で大ヒットを記録し、批評的にも大絶賛を受けた

 

本作の原題は直訳すれば「スペインの宿」となるが、フランス語のスラングでは「ごちゃまぜ」という意味を持つ、監督・脚本は「パリの確立」のセドリック・クラピッシュ

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

パリで暮らす大学生グザヴィエは卒業を来年に控えた25歳、父親のコネを使い面会した役所の大物ペランに会い、仕事の紹介を約束してもらった

 

ペランはスペイン語とスペイン経済の勉強を勧められ、就職の内定を確実にする為に1年間のスペイン留学を決意、悲しむ恋人のマルティーヌと再会を約束してバルセロナへと旅立った

 

 

右も左も分からない初めての地バルセロナ、母の知人の紹介で泊めてもらうはずだったがそうもいかず、バルセロナの空港で知り合ったフランス人の神経科医のジャン・ミッシェルの部屋に宿泊させてもらう

 

 

ジャン・ミッシェルの妻アンヌ・ソフィは15日前に結婚したばかりで夫について来た、幸せだが自分の人生を変える事が怖い、2人はお互いに未知の不安という同じ悩みを持っていた

 

 

そしてグザヴィエが見付けたアパートはイタリア人のアレッサンドロ、ドイツ人のトビアス、デンマーク人のラース、イギリス人のウェンディ、スペイン人のソレダが共同で暮らすアパートだ

 

冷蔵庫の中も各国の色が出ているくらいごちゃまぜなアパートだ、電話の対応にしても言語がバラバラ、アンヌ・ソフィはグザヴィエを誘って観光地へ一緒に見学

 

 

ある日に家主がやって来て出て行けと住人たちに言うが、そこに帰って来たグザヴィエが丸く治めたが家賃の値上げ、そこで住人を1人増やす事にしたがグザヴィエが大学で知り合ったベルギー人のイザベルが加わる、イザベルに惹かれるグザヴィエだったが彼女は同性愛者だった

 

パリの恋人マルティーヌがやって来た、しかし2人の意見は食い違い何だかおかしくなりマルティーヌは帰国、アンヌ・ソフィと店にいる時にマルティーヌから電話でケンカ、帰り道でスペインに来て半年経つのにアンヌ・ソフィに手厳しく意見を言うグザヴィエ

 

 

部屋で勉強していてもイザベルのレズ行為やアンヌ・ソフィの事が頭に浮かんで悶々としてしまい、グザヴィエはアンヌ・ソフィを誘う、イザベルには女の扱い方をレクチャーしてもらい、アンヌ・ソフィは最初こそ拒んだがグザヴィエと関係を持ってしまう

 

 

そして遂にマルティーヌから別れ話を告げられ、あっという間に1年が過ぎた、さよならパーティを開いてもらい帰国、グザヴィエの心には大きな変化が起きていた

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

この作品を初めて観た時に、これはアジアでも同じ事が出来るんじゃないかなって思いました、香港辺りを舞台にアジア各国の人間が文化の違いなんかで交流するとかね

 

主人公のグザヴィエを演じるのはロマン・デュリスでフランス人なのですが、将来の仕事の為にスペイン語とスペイン経済を勉強する為にスペインに行きます

 

 

フランスでもグザヴィエがペランと会うのにあちこちたらい回しにされてやっと会えるんです、スペインに留学でも大学内でたらい回しにされます、どこの国もそんな感じなんですね

 

 

グザヴィエには恋人のマルティーヌがいて、演じるのはオドレイ・トトゥで、フランスからスペインに会いに来るのですが少し変わってしまったグザヴィエとギクシャクしてしまいます

 

 

スペインの空港でフランス人ジャン・ミッシェルに会います、何かと面倒見が良くて住む場所のないグザヴィエを家に泊めます、妻のアンヌ・ソフィは夫に着いてきたがスペインに馴染めないでいます

 

 

グザヴィエはそんなアンヌ・ソフィを誘って外に連れ出すのですが、スペインに順応してスペイン語も覚えるグザヴィエに対して自分が情けなく感じるのでしょう、演じるのはジュディット・ゴドレーシュ

 

 

グザヴィエの大学の同級生のイザベルは家賃が上がった事でアパートに一緒に住みます、イザベルは同性愛者でグザヴィエに女性とのセックスについてアドバイスします、演じるのはセシル・ドゥ・フランス

 

 

彼女が授業で教師がカスティーリャ語(スペイン標準語)ではなくてカタロニア語で授業をする事に抗議するんです、ならマドリードか南米に行けと言われてしまいます、でもスペインにも言語が色々あるなんて知らなかったです

 

 

イギリス出身のアパートの住人のウェンディを演じるのはケリー・ライリーで、綺麗好きだが他の住人が汚く使う事に不満、弟のウィリアムが泊りに来て色々とトラブルを起こします

 

 

ウィリアムは典型的なイギリス人って感じでイギリス人こそが正しい感じです、スペイン文化をバカにするような言動をしてソレダに嫌われ、ドイツ人がきちんとした性格なのはヒトラーのせいだと言ってトビアスに嫌われ、アンナという女性が子供を産んでいるのも訪ねて来るまで知らなかったり

 

しかしこのウィリアムが大活躍します、ウェンディにはアリステアという恋人がいるのですがアメリカ人と浮気しているんです、そこに驚かせようとやって来たアリステア、そこで全員が浮気がバレないように奔走するんです、これは笑えます

 

 

スペインに1年でグザヴィエには色々とあって人間的にも一皮剥けた感じとなります、出会いに別れ、グザヴィエの涙に全て詰め込まれてます

 

 

 

 

 

 

このアパートに退屈なんてあり得ない! それが『スパニッシュ・アパートメント』です。

 

 

 

 

 

ラストには将来の約束された社会人となったグザヴィエの姿、しかし物語はこれで終わらず続編へと続きます。