『プライベート・ライアン』
1998年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 ロバート・ロダット
撮影 ヤヌス・カミンスキー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 トム・ハンクス/エドワード・バーンズ/マット・デイモン/トム・サイズモア/バリー・ペッパー/アダム・ゴールドバーグ/ヴィン・ディーゼル/ジョバンニ・リビシ/ジェレミー・デイビス/テッド・ダンソン/ポール・ジアマッティ/デニス・ファリナ/ジョーグ・スタドラー/マックス・マーティーニ/ディラン・ブルーノ/ディミトリ・ゴリトサス
《解説》
第二次世界大戦の壮絶な戦場を描き、スティーヴン・スピルバーグが「シンドラーのリスト」に続いて2度目のアカデミー監督賞に輝いた、戦争スペクタクル映画の金字塔
スティーヴン・スピルバーグ監督が、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を題材に、極限状態に置かれた兵士たちの生き様を描いた戦争ドラマ
凄惨な戦場を徹底したリアリズムで描き、1999年・第71回アカデミー賞で監督賞、撮影賞など5部門を受賞、トム・ハンクスが主演を務め、ライアン二等兵役はマット・デイモンが務めた
《物語》
フランスのノルマンディー、アメリカ記念墓地を家族と共に訪れたジェームズ・ライアンはある墓地の前で泣き崩れた、家族が駆け付ける中、戦時中のある思い出を回想した
1944年6月6日、第二次世界大戦だったアメリカはドイツ国防軍の迎撃に晒され、多くの犠牲者を出しながらもノルマンディー上陸作戦を成功させた
アメリカ軍は敵陣占拠に喜んでいたが、そんな中、アメリカ陸軍参謀総長ジョージ・マーシャル将軍の元にある兵士の戦死情報が届く
それは出征したライアン家4兄弟のうち3人が戦死したというもの、帰りを待つ母親の心情を考え、ライアン家の末っ子であるジェームズ・ライアン二等兵の保護と帰還の命令をジョン・ミラー大尉は受けた
ミラーは7人の部下を連れてライアンの救出へと向かう、道中は戦渦の中の為に彼らも戦闘に参加、小さな村で助けを求めるフランス人民間人を発見
その親子を助けようとしたカパーゾが撃たれて戦死、ジャクソンがドイツ軍狙撃手を射殺、その後にハミル大尉の部隊でライアンを見付けるが同姓同名の別人
ミラーはライアンと同じ部隊にいた兵士に話しを聞いて、ライアンの所属する第101空挺師団を探すが、戦死者の数があまりに多くて探すのが困難だった
しかし偶然にもライアンを知っている者と出会い、ライアンは前線の橋を守る部隊に合流してラメルにいると聞いてミラーたちは橋を目指して歩き出した
その道中で敵兵の基地を発見、反対する仲間たちだったがミラーは後続の部隊の為に戦闘を決意、敵陣地の制圧をするもののウェイドが戦死、ミラーは人目を忍んで涙する
その後、ライアン捜索の任務を不服に感じていたライベンがホーヴァス軍曹と衝突、ミラーは自分の過去を話してその場を収めて前へと進む
そして遂にライアンを発見したミラーは帰還するよう命令するが、彼は仲間たちと残り戦いたいと命令を拒否する
《感想》
オープニングのノルマンディー上陸作戦の凄まじさは強烈です、徹底したリアリズムで人体破壊を延々と見せられて血と肉片と内臓が辺り一面に散らばってます
手足が千切れ、人間の体が木端微塵に吹っ飛び、火炎放射器で火だるまにする、投降した敵兵も撃ち殺すルールも何もない世界、これが戦場だと見せ付けます
「ジュラシック・パーク」の監督のスティーヴン・スピルバーグはよくここまで残酷描写を表現しましたね、見せかけよりも戦争のリアリティーを見せたかったのかも
この戦場が約30分続いて気の弱い人ならばこのシーンだけで疲れてしまうでしょう、目を背けるシーンの連続で見れない人もいるかも、スピルバーグはここまでこだわったのでしょうね
主人公のジョン・ミラー大尉を演じるのはトム・ハンクスで、とにかく優秀な将校なのですが過去や出身地は謎のままで部下たちが賭けをするほどです
ミラーの右腕のホーヴァス軍曹を演じるのがトム・サイズモアでこちらも優秀な士官で厳格なのですが、ちょっと太り気味で自分がいた前線の土を持ち帰ってます
ホーヴァスと衝突するライベンを演じるのがエドワード・バーンズで、感情的で気が短い性格で今回の任務は納得がいってないのですが、ミラーに納得いく任務なんかないと言われます
狙撃手のジャクソンを演じるのはバリー・ペッパーで寡黙ですが信心深くで射撃の前に神の祈りを口にします、ドイツ兵を次々と射殺していく腕前を見せます
メリッシュを演じるのはアダム・ゴールドバーグで、自身はユダヤ系なので捕虜となったドイツ兵に対してダビデの星のネックレスを見せ付けて、ユダヤ人だと見せ付けます
カパーゾを演じるのはヴィン・ディーゼルで、大柄で怖そうな人物なのですが、フランス人民間人の子供を姪っ子に似てると言って保護しようとしてドイツ兵狙撃手に撃たれてしまいます
衛生兵のウェイドを演じるのがジョバンニ・リビシで、この部隊では長い付き合いなのですが、ミラーの判断で交戦となった時に撃たれてしまい、ミラーも一人離れて涙します
アパムを演じるのがジェレミー・デイビスで、元々は地図作成や情報処理をしていたのですが、ドイツ語とフランス語が話せる事からミラーの部隊に加わる
ミラーが受けた任務はライアン家の4人兄弟のうち3人が戦死した事で、その母親の事を思うと心が痛むとアメリカ陸軍大将のジョージ・マーシャル陸軍参謀総長から直々にライアン救出を命令する
ジョージ・ライアンを演じるのがマット・デイモンで戦地で行方不明となっているんです、彼を見付けるまで2人が戦死しているなんとも理不尽な命令だと思いましたね、でも子供が全員戦死したなら母親はどれだけ辛いか
ラストの戦場も過激で強烈です、20ミリ砲で人間がバラバラの粉々にされてしまう描写はこれが戦争なのかと思わせる残酷なもの、ミラーの最後の言葉も胸に沁みますね
世界中に感動を与えた忘れられない名作 それが『プライベート・ライアン』です。
おいらは戦争映画はあまり得意ではないのですが、この時期は嫌でも戦争を思い出させる時期ですね。