バタフライ・エフェクト | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『バタフライ・エフェクト』

 

 

 

 

 

2003年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 エリック・ブレス/J・マッキー・グラバー

 

撮影 マシュー・F・レオネッティ

 

音楽 マイケル・サビー

 

 

 

出演 アシュトン・カッチャー/エイミー・スマート/ウィリアム・リー・スコット/メローラ・ウォルターズ/エルデン・ヘンソン/エリック・ストルツ/ジョン・パトリック・アメドリン/アイリーン・ゴロヴァイア

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

君を救うため、ぼくは何度でも過去に戻る

 

時間をさかのぼることで過去を変える力を持った青年が、初恋の女性を救うためにとんでもない運命をたどっていく奇想天外なサスペンス映画

 

オリジナルなアイデアと洗練された演出で、観客を複雑なストーリーにぐいぐい引き込んでいく新人監督、ブレス&グラバーの手腕に脱帽 映画史上最も切ないハッピーエンドの物語が始まる、サスペンス映画の全く新しいスタイル

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

エヴァンは、ごく普通の7歳の少年だった、時折、記憶を喪失“ブラックアウト”してしまう事を除いて…

 

 

母アンドレアは悩んでいた、教師に将来の夢を描いた絵を見せられ、それは人を殺している絵でエヴァン自身は描いた事すら記憶にない

 

 

精神科の医師は脳波を検査するが異常はなし、医師は治療のために毎日の出来事を日記につけるように薦める、更に父親がいないことも原因だと言い父親に会いにいく事に

 

 

エヴァンの父は精神病棟に入っていた、エヴァンと面会してしばらくしてエヴァンはブラックアウトし、次の瞬間には父親はエヴァンの首を絞めて殺害しようとしたが、警備に取り押さえられそのまま死亡してしまう

 

 

6年後、エヴァンが13歳の時に想いを寄せる幼馴染みのケイリーの兄のトミーのダイナマイトを使った悪戯でエヴァンはその瞬間にブラックアウトしてしまい記憶がない、気が付けば友人のレニーを抱えて森を逃げていた

 

 

トミーは突然レニーが倒れたと言い、ダイナマイトの件は二度と口にするなと脅す、ケイリーは良心の呵責に押し潰されそうになり心配するエヴァンとキス

 

 

それを見たトミーはたまたま絡んできた男を尋常じゃないほどの暴力を振るう、レニーは無事に退院するがトミーはエヴァンとケイリーの仲を見て怒り、エヴァンの飼い犬を殺してしまう

 

 

ブラックアウトの間は記憶がなく心配したアンドレアは環境が悪いと考えエヴァンと引っ越す、エヴァンはケイリーに、「君を迎えに来る」と言い残して

 

 

7年後、大学生になり心理学を勉強するエヴァンは、今ではブラックアウトもなくなりごく普通に生活をし、ケイリーの記憶も遠い過去となっていた、すべて平穏に流れていた

 

 

そんなある日、治療のために7歳の頃からつけていた懐かしい日記をふと手にする、その日記を開いたとき、彼の意識はそこに書かれた当日の陽光の中にあった

 

 

ブラックアウトが7年ぶりに起こったのだ、鮮明に蘇る記憶、トニーの悪戯は若い母親と赤ん坊を犠牲にした事件となっていたのだった、それにショックを受けたレニーが倒れてしまったのだ

 

 

少年時代の空白の記憶の一端に触れてしまったエヴァンはあの頃の仲間たちを訪ねることにする、そしてあの時の悪戯によって彼らの人生が大きく狂っていたことを

 

 

そして忘れていた、ある出来事が鮮明に蘇る、幼なじみの少女ケイリーと交わした約束、「君を迎えに来る…」 しかしその約束を果たせなかった

 

そのために現代のケイリーの運命を狂わせてしまったことを知ったエヴァンは、ある選択をする、それが取り返しのつかない未知の運命を引き起こすとは夢にも思わずに

 

 

エヴァンは日記を開き、記憶を辿り過去に戻る、しかしそれはいつ終わるとも知れない危険な旅の始まりだった…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

脚本執筆に6年以上かけただけに、オリジナルでかつ斬新な物語、この映画でアシュトン・カッチャーを知ったんですが、かなり良い俳優ですね、切ない演技で演技派として新境地を切り開いたみたいです

 

 

ケイリーを演じるエイミー・スマートもこの映画で知りました、1人の女の子を元に、4つの異なるキャラクターを共通した何かを持って演じていました、素敵な女優です

 

 

凄いでしょこの人相の違い、過去が変わると未来はこんなに激変するんです、これは女子大生と売春婦の両極端です、顔の傷が運命を変えたと言ってもいいかもね

 

 

それにしてもアメリカの大学の女子寮ってあんな開放的なの?、部屋からバスタオル1枚でシャワールームまで男もいる廊下を歩いて行きます、羨ましすぎる(笑)

 

 

ケイリーは子供の頃から父親に性的な虐待を行っていて、エヴァンもその被害を受けるんです、それをエリック・ストルツが嫌な感じで演じています

 

 

そんな父親に育てられたトミーは当然異常なほどのサディスティックな性格で乱暴者、おいらが思うにはすべてこのトミーが原因だと思いますよ

 

 

これを観て人格形成をする子供の頃に出会う友達は性格や人生までも変えるものなんだと

 

エヴァンの父親は施設にいるんですけど、エヴァンと同じ能力を持っているんです、ブラックアウトする瞬間に記憶がないのは未来から戻ってきているんです、父親はその力を使うエヴァンが危険だと感じたのでしょう

 

 

しかしエヴァンの母親はそんな能力は知らなくてエヴァンがいきなり包丁を持って立っていたり、尋常じゃない絵を描いたりと我が息子が心配で仕方ないんです、演じるのは「ブギーナイツ」のメローラ・ウォルターズ

 

 

エヴァンが過去に戻るたびにケイリーの状況は変わります、ダイナーでウエイトレスをして腐っていてエヴァンと再会した事で自殺したりとか

 

 

大学生になってエヴァンと恋人同士だったりだとか、メチャメチャ派手なカップルだったり、顔の傷が原因で売春婦だったりとか大変です

 

 

もちろんエヴァンも大変です、過去に書いた日記を見るたびに地震のような揺れがはじまり、その日に戻ります、そして現代に戻ってきた時には悲劇が、刑務所行きだったり、手足が無くなっていたりと取り返しがつかなくなってしまいます

 

 

エヴァンは最後に賭けに出て運命を思いっきり変えます、それがハッピーエンドなのかは人それぞれの受け取り方で変わってくるのでしょうけどそれでいいの?

 

 

セルDVDでは劇場公開版と結末の異なるディレクターズカット本編が収録されてます、これもまた劇場公開版よりも切ないラストです

 

「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」、初期条件のわすがな違いが、将来の結果に大きな差を生み出す、という意味のカオス理論の1つ

 

 

 

 

 

愛する者を助けるための些細な行いが、すべての人々の人生に予想もしなかった大きな変化となって襲い掛かってくる それが『バタフライ・エフェクト』です。

 

 

 

 

 

過去を書きかえると…、いまの、すべてが変わる、それは、神にも許されない行為です。

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な続・裏237号室の『バタフライ・エフェクト』のレビューはこちらです。