『ブギーナイツ』
1997年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
撮影 ロバート・エルスウィット
音楽 マイケル・ペン
出演 マーク・ウォールバーグ/バート・レイノルズ/ジュリアン・ムーア/ヘザー・グラハム/ジョン・C・ライリー/ウィリアム・H・メイシー/フィリップ・シーモア・ホフマン/ドン・チードル/トーマス・ジェーン
《解説》
夢をオッ立てろ!
リック・スプリングフィールドらのヒットナンバーを全編にフィーチャーし、当時のアメリカン・カルチャーをよみがえらせた、撮影時26歳の新鋭監督ポール・トーマス・アンダーソンの演出は軽快そのもの
実在の巨根ポルノ・スター、ジョン・C・ホームズをモデルにしたとされる主人公ディグラーと、仲間たちの波乱に満ちた人生を哀感たっぷりに描いていく
《物語》
1977年 ロサンゼルス郊外、サン・フェルナンド・バレーのディスコで皿洗いのバイトをしているエディ・アダムスはポルノ映画監督のジャックと知り合う
ジャックはこんなところでバイト生活でいいのか?、ジャックは一目見ただけでジーンズの中に宝が眠っている事を見抜く、エディはファラ・フォーセットとブルース・リーに憧れる普通の17歳の高校生
普通と違っていたのは優に35センチはあろうかという巨大なアソコ、ジャックに一緒に映画を撮って金持ちにならないかと誘われエディは二つ返事で了承
同じディスコで働く美少女ローラーガールとのオーディションの名目のセックスで実力を発揮し、その自慢のアソコのポテンシャルを見せ付ける
初めて他人から認められる幸せを感じたエディはいつも口論ばかりの冷たい実家を飛び出しジャックの元に飛び込んだ、ジャックの豪邸では毎日パーティーのよう
そこでいろんな人を紹介してもらい、いよいよダーク・ディグラーの芸名でデビュー、最初の絡みの相手はジャックの妻でポルノ界きってのスーパー・ヒロイン、アンバー・ウェイヴス
アンバーのリードで始まるがエディにメロメロのアンバー、撮影とはいえアンバーを満足させ、アンバーのリクエストで異例の中で発射
彼の主演作は瞬く間にポルノ業界で話題となり、ポルノ業界の中心となり、次々と主演作をヒットさせスーパーヒーローに上り詰めていくエディ
「ダークの演技には1000回勃起可能」や「服を着た彼もパワフルだが、そそり立ったモノは活火山のごとく何度も爆発」デビュー2作で「将来の成功と性交は間違いなしの大型新人」と言われる
ポルノ・アカデミー賞の最優秀新人賞、最優秀ペ●ス賞、最優秀男優賞と各賞を総ナメにし、順風満帆の生活、エディは豪邸に住み、代表作と言われる傑作も出来た
70年代も終わりを告げ、80年を迎えるジャックのパーティーでアンバーに息子のように愛していると言われ、ドラッグの快楽の中でセックス
アンバーは前夫との間の息子の親権を放棄させられていた、それはポルノ関係の仕事とドラッグのせい、エディも次第にドラッグに溺れ、頼みのアソコもだんだんと使い物にならなくなってきた
そんな時に若い新人ポルノ男優が現れた、あせったエディはジャックと口論となり、皆に八つ当たりし罵り、ジャックの元から飛び出してしまう
それからのエディは堕ちる一方、ドラッグに溺れた生活で金は底を付き、悪い仲間に誘われ、偽物のドラッグで一儲けしようと企むが返り討ちに合い、仲間は射殺される
80年代に入ってからはビデオ時代が到来、ポルノ映画産業は急速に冷え込み、元ポルノ俳優たちは社会の偏見で就職問題に苦しんでいた
そんな状況の中、最低の所まで堕ちぶれたエディがジャックの元に帰ってくる、2人は和解し新作の準備、やはり自分にはポルノ業界しかないと鏡を見つめ、ブルース・リーのポーズを真似るエディだった
《感想》
男にとってアソコが大きいのはステイタスみたいなもんです、女性の胸みたいなもんかな?、主人公エディのアソコは35センチで膝近くまであるやん!(爆)、デカ過ぎて逆に恥ずかしいかも
この巨大なペニスには若い女の子も中年マダムも夢中です、やはり女性は大きい方がイイのでしょうか?、新しい刺激と快感を得られるのかな?
ありえないくらいデカいですが、ジョン・C・ホームズという実在のポルノ男優がモデルとなっています、彼は2774本の映画に出演し、14000人の女性と共演、1988年にエイズで死亡しています、まさに波乱万丈だったのでしょう
劇中でもジャックの豪邸でパーティ三昧のセックス三昧でドラッグ三昧です、そのドラッグの吸引のし過ぎでセックス要員の女性が鼻血を出して失神、まったく怖い世界です
ちなみにエディ役にオファーされていた、レオナルド・ディカプリオは「タイタニック」に出演するために主役のオファーを断り、代わりに「バスケットボール・ダイアリーズ」で知り合ったマーク・ウォールバーグの起用を勧めたらしいです
エディを見出し師匠となったジャックを演じるのが「キャノンボール」のバート・レイノルズ、70年代はポルノ業界が繁栄していたようでポルノ業界の帝王的な存在です
ジャックの妻でポルノ女優のアンバーを演じるのがジュリアン・ムーアで、エディを息子のように思っていると言ってセックスするのは息子を愛しているという事でしょうか
エディがファラ・フォーセットとブルース・リーが好きだと言うのも時代背景がわかりやすいです、ブルース・リーと言えば「燃えよドラゴン」、ファラ・フォーセットと言えば「チャーリーズ・エンジェル」
「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」のヘザー・グラハムがちょっとビッチで得意な役です、彼女はこんな役が多いですね、とてもチャーミングです、それでいてセクシーでもあります
ポルノ映画がビデオ時代到来で下火になってきた時にローラーガールはリムジンで素人男性をスカウトして車の中でセックスをしようとするんですけど、途中で男に本名で呼ばれ、実は同級生だとバレてしまうんです、なんだかそのシーンは儚かったです
エディもドラッグのヤリ過ぎで勃起せず、若い俳優を雇うジャックと仲違いしてしまうんですけどその後は最悪で半殺しの目になったり、射殺されそうになったりね
それでもエディが乗ってる車はコルベット・スティングレー、これがアメ車が一番勢いのあった頃の車でカッコイイんです、7.4リッターでV8です
1人の男のハチャメチャな人生をドラッグとセックスで描いた作品で笑えるのですが、同じ題材でエディの事件をフューチャーした「ワンダーランド」も本作の陰のようで面白いです
圧倒的興奮の70~80年代ディスコミュージックで贈る、90年代青春映画の最重要作 それが『ブギーナイツ』です。
まさに男の武器だけでのし上がり、ドラッグで堕ちる アメリカらしいと言えばアメリカらしいですね、女性の意見も聞きたいところですね。
更に過激な続・裏237号室の『ブギーナイツ』のレビューはこちらです。