『ニードフル・シングス』
1993年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 フレイザー・C・ヘストン
原作 スティーブン・キング
脚本 W・D・リクター
撮影 トニー・ウェストマン
音楽 パトリック・ドイル
出演 マックス・フォン・シドー/エド・ハリス/ボニー・ベデリア/アマンダ・プラマー/J・T・ウォルシュ/レイ・マッキノン/ダンカン・フレイザー/バレル・ブロンフィールド/シェーン・メイア/ウィリアム・モーガン・シェパード/ドン・S・デイヴィス
《解説》
人を殺してまで、手に入れたい品物はありますか
スティーブン・キングの原作を、チャールトン・ヘストンの息子フレイザーが監督したブラックユーモア豊かに描いたホラー映画、
心の底から欲しい物を手に入れるため、小道具屋に唆されて芽生えた住民たちの確執が徐々に狂気と変わって行く姿をスリリングに描く
《物語》
田舎町のキャッスルロックにリーランド・ゴーントという老人が現れ、一軒の骨董品屋がオープンした、店の名はニードフル・シングスで目を疑う品ぞろえとの広告
学校をサボってやって来た少年ブライアンは店内でリーランドと欲しい物の話しをし、父親と一緒に集めている古い野球カードで、ミッキー・マントルのカードだけが持っていない
しかしリーランドはその幻のカードを持って現れた、1956年製のミッキー・マントルのカードに目を奪われ、カードに触れた瞬間に選手の活躍が電流のように見えた
現在はプレミアが付いて手に入らない幻のカード、わずかな小銭しか持っていないブライアンだったがリーランドは手持ちの小銭と行動でカードを売った、その行動とはイタズラ
ご近所のネティがアップルパイを持って挨拶にやって来た、そのついでに商品を見ると過去に壊してしまった人形が飾られていた、ネティは夫を殺した過去があった、暴力を振るう夫が壊したのだ、リーランドはネティに人形を与えてイタズラを頼む
町の保安官のアランがやって来た、アランは都会で保安官をしていたが続発する凶悪事件に遂に爆発して犯人を殴り殺してしまったのだ、そしてこのキャッスルロックにやって来た
ヒューは飲んだくれのオヤジで町のみんなに煙たがられている存在だ、そんな酔っぱらったヒューが店に飾られているスタジャンに目を奪われた
それは人生最高の瞬間だった高校時代に着ていた懐かしいスタジャン、リーランドは少年だった頃を取り戻そうとスタジャンを着せ、代金よりネティへのイタズラを頼む
こうして店は繁盛するが町で起こるイタズラはエスカレートしていき、遂には殺人事件にまで発展してしまう
《感想》
誰にでも欲しく欲しくてたまらない物ってあると思います、おいらはなんだろうって考えましたが思いつかなかった、あの時に手に入らなかった限定物とかね
あの時はあんなに欲しかったのに今となってはなんでそんなに欲しがったのかってのもあります、物欲って年代なんかで違ってくるものですね
原作は「ミザリー」のスティーブン・キングで、彼が創造した架空の町キャッスルロックが舞台となります、その町に現れたリーランドを演じるのは「エクソシスト」「コナン・ザ・グレート」のマックス・フォン・シドー
穏やかな表情で近付いて欲しい物を与えて小さなイタズラをさせるんです、最初にやって来た少年ブライアンに貴重な野球カードを与えてイタズラをさせるんです
それは七面鳥を飼育しているウィルマの洗濯したシーツを泥で汚す事、その汚れたシーツを見たウィルマは普段から仲の悪いネティの仕業だと思って彼女が勤めるカフェに行って文句を言うのです
ネティはニードフル・シングスでリーランドに人形をもらうのです、そしてイタズラをするんです、ネティを演じるのはアマンダ・プラマー
町のみんなに飲んだくれのだらしない男のレッテルを貼られたヒューは人生最高の時の高校時代に着ていたスタジャンをリーランドから購入してイタズラをするんです、それはネティの犬を殺す事
ブライアンは再びウィルマの家にリンゴを何十個と投げつけてガラスを粉々にして家の中もメチャメチャにしてしまいます、それを見たウィルマはネティが犯人だと
そこに現れたネティはウィルマが犬を殺したとお互いに刃物を持って殺し合いとなって最後には2階から2人とも転落して死んでしまいます
この町の保安官のアランは平和な田舎町でこんな事件が起こるとは信じられず、何かを知ってそうなブライアンに話しを聞きに行くとブライアンは自殺未遂、アランを演じるのは「クリープショー」のエド・ハリス
町は善良な市民の集まりだったのにいがみ合うようになり、リーランドに与えられた物の見返りにイタズラをさせられ町は暴動が起こる騒ぎになるのです
そんなアランにも恋人がいてカフェのオーナーのポリーです、彼女は手首の神経痛に悩まされていてそれをリーランドのペンダントで治るのです、ポリーを演じるのは「ダイ・ハード」のボニー・ベデリア
しかし彼女はペンダントを外した途端に神経痛に苦しみ、そこに現れたリーランドにペンダントを掛けてもらい、キスされて奪われてしまいます、そこでアランは横領していると吹き込まれて信じてしまうんです
しかしアランはリーランドの正体を見抜いて町を去れと、リーランドは将来君の孫と出会うと未来を話してベンツで去ります、このベンツがオープニングにも出てきてクラシカルでカッコイイです
誘惑に負けた者には恐怖の取り引きが待っている それが『ニードフル・シングス』です。
人間の心の隙間に入り込むのが悪魔なのですね、やはりそこはしっかりしないとね、誘惑には気を付けて。



















