『ダイ・ハード』
1988年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョン・マクティアナン
原作 ロデリック・ソープ
脚本 ジェブ・スチュアート/スティーブン・E・デ・スーザ
撮影 ヤン・デ・ボン
音楽 マイケル・ケイメン
出演 ブルース・ウィリス/ボニー・ベデリア/レジナルド・ヴェルジョンソン/ウィリアム・アザートン/アラン・リックマン/アレクサンダー・ゴドノフ/ポール・グリーソン/デヴロー・ホワイト/クラレンス・ギルヤード/ハート・ボックナー/ジェームズ・シゲタ
《解説》
地上40階!超高層ビルは戦場と化した!
テロリストによる高層ビル占拠事件に運悪く巻き込まれた刑事の奮闘を描き、ブルース・ウィリスを一躍スターの座に押し上げた大ヒットアクション、ロデリック・ソープの同名小説を原作に、「プレデター」のジョン・マクティアナン監督がメガホンをとった
伏線が隅々まで生きる脚本、絵空事ではない描写に最大限の効果を発揮したSFX、それらを手際良くまとめた演出で素晴らしいアクション映画の傑作となっている、スーパー・ヒーロー然としていない人間臭い主人公に扮したブルース・ウィリスは好演
《物語》
クリスマス・イヴのロサンゼルス、完成を間近に控えた超高層のナカトミ・ビルの30階では、日本商社のタカギが主催する慰労パーティが盛大に行われていた
クリスマス休暇中のニューヨーク市警のジョン・マクレーン刑事は飛行機が苦手で気分が優れないままロサンゼルスに到着、ジョンは妻のホリーと子供たちに会いに来たのだ
ナカトミ商事で働くホリーは出世してニューヨーク支部からロサンゼルスに移った、離れて暮らす事に納得していないジョン、手配されていたリムジンに乗り込みナカトミ商事に着いた
ビルの中では華やかなクリスマス・パーティが催されていた、部長のホリーはパーティでも忙しく久しぶりに会ったのに会話もままならない、控え室で1人ジョンは裸足になって不貞腐れていた
その頃、地下駐車場からハンス・グルーバー率いる武装テロリスト集団がパーティに乱入、瞬く間にパーティ出席者を人質にし、警備員たちを射殺してビルのセキュリティを掌握してしまう、パーティ会場から離れた控え室にいたジョンはフロアから脱出して上の階へ
タカギ社長が人質となり表向きは政治的な主張を装うが、本当の目的はナカトミ商事の金庫に保管されている6億4千万ドルの無記名債券、金庫のセキュリティの解除を拒否したタカギ社長は殺されてしまう
ジョンは外部に非常事態を伝えようと手を尽くすがハンスらに防がれてしまう、ハンスはビルに敵の存在を知り、ジョンを捕まえようと銃撃戦が起こり、ジョンはテロリストを殺害
警察無線の通報でビルにやって来たアル・パウエル巡査部長は警備員に化けたハンスの部下の嘘で帰されようとしていたが、ジョンが殺したテロリストの死体をパウエルのパトカーに落下させ、その瞬間にビルからマシンガンで乱射、ジョンは非常事態を伝える事が出来た
ハンスたちはジョンを捜す一方で、パウエルの報告でやって来たロスアンゼルス市警やFBIへの対応をし、侵入しようとするSWATを返り討ち、そんな中でジョンはゲリラ戦とテロリストから奪った銃と爆弾で奴らを葬っていく
《感想》
おいらがクリスマス映画とすぐ思いつくのが本作です、もっとメルヘンチックなファンタジー作品があるだろうと思いますが、クリスマスにこんな大変な事に遭ってしまうなんてね
去年は「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」をレビューしました、以前に「グレムリン」もレビューしてましたね、それにクリスマスを舞台にしている事も知らずにレビューしてるかも
主人公のジョン・マクレーンを演じるのはブルース・ウィリスなのですけど、当時はブルース・ウィリスなんて日本では馴染みのない役者でアメリカでもテレビドラマの役者だったそうです
もちろんおいらもブルース・ウィリスなんて本作で知りました、劇場に観に行ったきっかけはテレビCMが強烈でとにかくガラスの割れる音や爆発音が凄くてアクション映画を観たいと思って行きました
今までのアクション映画はシルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーらムキムキの筋骨隆々の男がスーパーヒーローの如く活躍して圧倒的に強いのが当たり前だったのです
しかし本作のジョン・マクレーンは職業こそ刑事なのですが冴えない中年男で特別なスキルがあるわけでも格闘術を使うわけでもありません、そんな普通の男がテロリストと戦うのがめっちゃ面白いんです
テロリストのリーダーのハンス・グルーバーを演じるのがアラン・リックマンで本作がデビュー作ですが、舞台で培った実力を遺憾なく発揮、いつも冷静なハンスを完璧に演じています
このジョンとハンスはトランシーバーで会話をするんです、その会話も何か面白くてね、だからお互いに声しか知らないので2人がバッタリと出くわした時に銃を持つジョンに対して丸腰のハンスは声を変えて人質のフリをするんです
ジョンの妻のホリー・ジェネロ・マクレーンを演じるのは「死霊伝説」のボニー・ベデリア、ジョンがテロリストを倒すたびにイライラするテロリストを見て、「あんなに人を怒らせるのはジョンだけ」と話したりと面白いですね
テレビ局の記者のリチャード・ソーンバーグを演じるのがウィリアム・アザートン、スクープの為には手段を選ばない男で、子供たちをテレビに出した事でジョンとホリーが夫婦だとハンスにバレてしまうんです、最後にマイクを向けたリチャードにパンチをお見舞いするのはスカッとした
ハンスの部隊のリーダーのカールを演じるのはアレクサンダー・ゴドノフで、弟をジョンに殺された事でジョンを執拗に追います、しかし何回も仕留め損ねてイライラしてます、最後には一騎打ちとなって素手で殴り合いとなります
そしてそしてロサンゼルス市警のアル・パウエル巡査部長を演じるのはレジナルド・ヴェルジョンソン、最初にナカトミビルに行った時に乱射されてそこで殺されるのかと思ったら、こちらもトランシーバーでジョンと会話をするんです、ビルから出たジョンと一目見て気付いて抱き合う姿に感動です
監督は「プレデター」のジョン・マクティアナンで伏線も全て回収して、緊張感のあるシーンと緩和されるシーンの調和が凄く良くてそれにテンポも良いです、爆破シーンもド派手でアクション映画では一番好きかもしれません
死んでも死なぬタフな奴、いま、戦闘の火ぶたが切られた! それが『ダイ・ハード』です。
この頃のブルース・ウィリスは好きでしたね、毛もありますしね。