ダーティハリー | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ダーティハリー』

 

 

 

 

 

1971年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 ドン・シーゲル

 

原作 リタ・M・フィンク/ハリー・ジュリアン・フィンク

 

脚本 ディーン・リーズナー/ジョン・ミリアス

 

撮影 ブルース・サーティーズ

 

音楽 ラロ・シフロン

 

 

 

出演 クリント・イーストウッド/レニ・サントーニ/アンディ・ロビンソン/ハリー・ガーディノ/ジョン・バーノン/ジョン・ラーチ/ジョン・ミッチャム/アルバート・ポップウェル

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

汚れた英雄か!孤独の狼か!裸の町サンフランシスコを裂く白昼の大市街戦!スリル・スピード!大追撃のデッドヒート!

 

ハリー・キャラハン登場!徹底的に悪を憎み正義を執行する為には手段を選ばない最強刑事、ダーティハリーの活躍を描く傑作アクション、44マグナムをぶっ放す凄腕刑事ダーティハリー、シリーズ第1弾

 

この作品によってマカロニウエスタン俳優のイメージの強かったイーストウッドに、最高の形で現代劇のヒーローという当たり役をもたらした監督ドン・シーゲルとの絆は深い

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

サンフランシスコのとある屋上のプールで泳ぐ女性が何者かに射殺される事件が発生、捜査にあたるのはサンフランシスコ警察殺人課のハリー・キャラハン刑事

 

 

スミス&ウェッソンM29、44マグナムを愛用し、犯罪者への飽くなき執念から手段を選ばぬ非情な犯人逮捕からダーティハリーの異名を持つ刑事だ

 

狙撃場所にはサソリと名乗る犯人から、「市当局に告げる、これから毎日1人ずつ殺す、嫌なら10万ドル払え、返事は明朝クロニクル新聞個人案内広告に出せ、会合場所を連絡する、返事がなければ次はカトリック神父か黒人を殺す」と脅迫状

 

市長は新聞に時間稼ぎの為に金を集める事件を要求、犯人の脅迫を了承する市長とハリー、先日に女性を強姦しようとした男を射殺したハリーに対して殺し過ぎだと注意する市長

 

 

不貞腐れたハリーはそのままランチへ、しかし銀行の前に止まっている白のフォードが気になる、刑事の勘で銀行強盗だと感じて応援を要請、しかし防犯ベルが鳴った

 

ハリーはホットドッグを食べながら店の外に出て、銀行から出た犯人に動くなと言うも発砲されて応戦、逃げる犯人グループの車に数発撃ち込んで射殺

 

 

銀行の前で倒れている犯人1人に銃を向け、「今、俺が何発撃ったか実は俺も分からないんだ、でもこれは特別破壊力を持った銃だ、さあどうする?」、犯人は抵抗を止めた

 

 

サソリによる犯行が行われた、黒人の少年が射殺されたのだ、ハリーは次は神父が狙われると考えて聖ピーター教会の見える屋上をマーク、ここは以前にサソリらしき男がいたが警察のヘリが取り逃がした場所、そこにサソリは現れ、銃撃戦となるがまたしても取り逃がしてしまう

 

市長宛てに小包が送られた、「14歳の少女アン・メアリーを誘拐して生き埋め、警察の裏切りに報復する、20万ドルを要求し、黄色のバッグに入れて9時にヨットハーバーへ」

 

 

金の引き渡し役をハリーが引き受け、サソリは電話でハリーを翻弄する劇場型犯罪を展開する

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

当時はこれが新しい刑事を描いた作品でした、ハリー・キャラハン刑事は腕利きの刑事なのですが、やり過ぎて犯人を問答無用に射殺してしまいます

 

ハリー・キャラハンを演じるのは「白い肌の異常な夜」のクリント・イーストウッド、銀行強盗犯を捕らえるのですがホットドッグを食べながら犯人を射殺するシーンがインパクトあります

 

 

マグナムを向けて銃に手を伸ばそうとす犯人に弾丸が銃に入っているかは分からないと説明して抵抗を止めさせるのです、その後に引き金を引いて弾丸は入ってなかったと笑うのです

 

 

ハリーは無差別に殺人を行うサソリの逮捕に全力を挙げるのですがサソリは市長に身代金を要求、ハリーはそれらしき人物の家を覗いて、覗き魔と間違われて殴られたりする間抜けな部分も

 

 

サソリをマークして教会の見える屋上を双眼鏡で見ているのビルの下で裸の女性が男を招き入れる姿を覗き見してしまいます、やれやれと言った感じで見るハリーなんです

 

でもそこにサソリが現れて銃撃戦となりますが、そこでサソリを取り逃がしてしまいます、サソリはその報復として14歳の少女を誘拐して市長に小包を送ります

 

 

そこには警察への報復と身代金、少女の下着の色や体のホクロの位置が書かれた手紙、そして無理矢理抜いた奥歯が入っているんです、身代金の受け渡しにハリーが向かいます

 

ここからサソリがハリーを公衆電話を次から次へと回させる劇場型犯罪となるのです、この作品以降この犯人と刑事との駆け引きが増えたと思います

 

 

サソリを演じるのはアンディ・ロビンソン、それまで映画出演経験なしの彼をイーストウッドが舞台を観て推薦、とにかくこのサソリの完全な悪っぷりは素晴らしくて色褪せる事ないです

 

 

ハリーはサソリに翻弄されて受け渡しでボコボコにされて殺されそうになるのですが、相棒のチコが駆け付けて銃撃戦となりますがチコは撃たれ、ハリーはサソリの脚にナイフを刺してサソリは身代金を奪って逃亡

 

脚の治療に来たサソリを医師が通報した事でスタジアムに住むサソリを追い詰めて、暴力でサソリを拷問して少女の居場所を吐かせるのですが既に少女は死んでいたんです

 

 

その捜査が違法とみなされてサソリは証拠不十分で釈放、「加害者にも人権があるのだ」と諭されるのですが、「被害者の人権は誰が守るのか?」と怒りを露わにします

 

この犯人サソリはアメリカで起こった「ゾディアック事件」の犯人をモデルにしています、監督はドン・シーゲルでイタリア西部劇の俳優程度の認識のクリント・イーストウッドと組んで大ヒットとなりました、この作品でドン・シーゲルもクリント・イーストウッドも一躍スターダムへと上りましたね

 

 

 

 

 

憎むべき犯罪者に正義の銃弾を撃ち込むアウトロー刑事ハリー・キャラハンの伝説、始まる! それが『ダーティハリー』です。

 

 

 

 

 

おいらがクリント・イーストウッドと言えば本作です、ドン・シーゲルと言えば本作です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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