白い肌の異常な夜 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『白い肌の異常な夜』

 

 

 

 

 

1971年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 ドン・シーゲル

 

原作 トーマス・カリナン

 

脚本 ジョン・B・シェリー/グライムス・グリス

 

撮影 ブルース・サーティーズ

 

音楽 ラロ・シフロン

 

 

 

出演 クリント・イーストウッド/ジェラルディン・ペイジ/エリザベス・ハートマン/ジョー・アン・ハリス/パメリン・ファーディン/ダーリーン・カー/メエ・マーサー/メロディ・トーマス/ペギー・ドライヤー/パッティ・マティック

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

クリント・イーストウッド主演×ドン・シーゲル監督による黄金コンビによる異色のエロティック・サスペンスの傑作

 

孤高のアクションスター、クリント・イーストウッドには珍しいゴシック調ホラー、それゆえに長らくイーストウッド作品中最も観る機会が少なかった幻の作品

 

「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」のマカロニウエスタン3部作の大ヒットとアメリカ凱旋後のアクションヒーローとしての地位を確立していたイーストウッドとドン・シーゲル監督の両者にとった、新境地開拓へ挑戦する野心作

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

南北戦争末期、12歳のエミーはある日、きのこ採りに入った森で血みどろで倒れている兵士を発見、悲鳴をあげたものの父も戦争で死んだことを思い出し、その男マクバニーを学園に担ぎ込んだ

 

 

森の中にあるファンズワース女子学院は戦火を避けて自給自足の生活を送っていた、しかし男が敵側の北軍の軍服を着ていることに困惑する

 

 

南軍の巡視隊に傷付いた男を渡すことはできず女たちは看病を続けた、教師のエドウィナは熱心に看病をし、男の目を気にして身なりを綺麗にした

 

エミーはこっそり病室に入りマクバニーにキス、しかしエドウィナは男を信用してはいない、17歳の好奇心旺盛なキャロルは積極的に彼に近付き自己紹介と言ってキス

 

 

最初に彼の身の回りの世話をしてくれた黒人の使用人ハリーはマクバニーと同じような立場だと意気投合して会話も弾み、マクバニーの髭を剃ってくれた

 

 

ハリーには婚約者のベンがいたが園長のマーサの兄がベンを売ると言ったことからベンは逃げてしまいそれっきり、マクバニーが逃がしてくれたら捜してやると提案すると考えておくわとハリー

 

 

髭を剃った顔でエドウィナに会うと彼女の見る目も変わり、それに気付いたマクバニーは更にエドウィナこそ理想の人だと口説いて彼女も好意を示す

 

 

マクバニーはマーサに助けてくれたお礼に働きたいと申し出るが、マーサは昼間は自由でいいが夜は閉じ込めると言い、兄の服を渡してくれた

 

 

松葉杖で動けるようになったマクバニーにキャロルは猛烈にアピールして、夜に屋根裏部屋で会おうと言うとそこにエドウィナが現れ、嫉妬と怒りの表情、マクバニーは彼女にキスをして戦争が終わったら迎えに来るとなだめる

 

 

ある夜、味方の南軍の兵士が泊まり込みで警備してやるとやってくるがマーサは毅然とした態度で追い返してしまう、その勇気を称賛するマクバニーにマーサも心を許す

 

やがて彼女たちの魅力に囚われ、愛されていたマクバニーだったが、彼女らの嫉妬は憎しみへと変わっていき、マクバニーは脱出を試みるのだが

 

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

子供の頃にテレビで観て子供ながらに女の人って怖いなぁって思いましたよ、ちょっとエロいシーンもあって大人な映画だと、女は貪欲だなぁと

 

 

監督はドン・シーゲルで恐怖演出はジワジワと迫って来る感じで不安を煽ってきます、それでいて女はグイグイと来ます、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」のクリント・イーストウッドは最初からボロボロの状態で登場します

 

 

おいらは南北戦争はあまり詳しくありません、いままで映画で観た知識くらいです、アメリカ合衆国が北とアメリカ南部11州が合衆国を脱退してアメリカ連合国を結成、主に北の自由制度と南の奴隷制度存続をめぐって内戦となりました、初めて近代的な機械技術が主戦力となりました

 

 

舞台が南部なんですがマーサら女性たちは黒人のハリーに対して奴隷のような態度ではなくあくまで使用人でしたね、それに北軍のマクバニーはもちろん1人の女性として接します、なんと言うか奴隷制度って白人の我らこそ最高の人種とでもいう感じの悪名高い制度ですね

 

 

本作はクリント・イーストウッドとドン・シーゲル監督のアメリカ映画最高のコンビが共にコンビの最高傑作だと公言しています、それまでB級アクションのイーストウッドとドン・シーゲルの両者がそれまでから一転して、女性の恐怖を描くゴシック風スリラーとなりました

 

 

それに本作は女性に襲われる恐怖を描いたスリラー映画の原点と言われ、イーストウッドの次作は初監督作品の「恐怖のメロディ」も女性に襲われる恐怖を描いていて、この2作は後の映画に影響を与えています

 

 

でもイーストウッド以外の役者はまったく知らない人ばかりですが、男が入ってきたことで女が更に女となるのが面白いですね、女ばかりだと女を忘れてしまうのでしょうか?

 

 

男が1人現れるだけで女たちはセックスを意識してしまうの?誰かがマクバニーとセックスしていると凄く嫉妬してそれは恐ろしいくらいです、それに女は団結するとなお怖い

 

男を意識してしまうのですが嫉妬は恐ろしくてそれをマクバニーが知った時には既に遅かったんです、マクバニーはもうその学園からは出る事は出来なくなってしまうんです

 

 

まあ時代設定で男は戦争に行っているってがありますけど平穏だったのに男がいるだけで一気に悶々としてきますね、女って生き物はある意味怖いです

 

 

 

 

 

その夜から蒼ざめた血のざわめきが聞こえはじめた、森ふかい女だけの館に それが『白い肌の異常な夜』です。

 

 

 

 

 

男にとっては女だらけの中で楽園のようですけど、それは五体満足でのことですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な裏237号室の『白い肌の異常な夜』のレビューはこちらです。