『荒野の用心棒』
1964年 イタリア・スペイン
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 セルジオ・レオーネ
脚本 ヴィクトル・アンドレス・カテナ/ハイメ・コマス・ギル
撮影 マッシモ・ダラマーノ
音楽 エンニオ・モリコーネ
出演 クリント・イーストウッド/ジャン・マリア・ヴォロンテ/マリアンネ・コッホ/ホセ・カルヴォ/ヨゼフ・エッガー/アントニオ・プリエート/ジークハルト・ルップ/ウォルフガング・ルスキー/マルガリータ・ロサノ/ブルーノ・カロテヌート/マリオ・ブレガ/ベニート・ステファネリ/ラフ・バルダッサーレ
《解説》
砂塵吹く西部の町に嵐を呼ぶ必殺の早撃ち!画面いっぱいにガンが炸裂する西部劇巨編!
「ローマの旗の下に」のボブ・ロバートソン(セルジオ・レオーネ)がシナリオを執筆、自ら監督した西部劇、ただし、黒澤明作品「用心棒」の盗作であり、東宝が著作権侵害で告訴するなど、いわくつきの作品
それまでなかった流血と荒唐無稽なアクション描写は、やがて本場アメリカ西部劇にも大きな影響を与えることになった、それと同時に、主演クリント・イーストウッドをスターダムにのし上げた記念碑的作品としても称えられる
《物語》
1872年のニューメキシコ国境の町サン・ミゲルに、葉巻を咥え薄汚いポンチョをまとった流れ者ジョーがやってきた、この町はロホ兄弟とバクスター一家という2つのボスが町を牛耳っている
この2つの勢力によって町の支配権を巡って抗争をしているせいで、今や荒廃しきっていて無法地帯となっていた、毎日のように人が殺され、女はみんな未亡人、繁盛しているのは棺桶屋、ここは墓場の町だ
ぶらりと入った酒場の主人シルバニトが説明してくれた、早く町を出ろ、さもなくば殺されるぞ、ロホ兄弟は酒を扱い、バクスター一家は銃の売買、ジョーは早速トラブルになったバクスター一家の下っ端4人を早撃ちで射殺した
そして用心棒としてロホ兄弟に売り込み雇われるが、特にロホ兄弟の弟のラモンは凄腕で頭が切れる、南軍を襲い駅馬車から金品を奪い、北軍との戦いに見せ掛けた
それを見たジョーとシルバニトはラモンが殺した兵隊の死体を墓に生きているように置いて、ジョーはこの事をバクスター一家に話し、ロホ兄弟にも話した
それによって両者は現場である墓場に向かい撃ち合いとなり、バクスター一家はの息子アントニオを人質に取られるが、ジョーはラモンの女マリソンを連れ去りバクスター一家へ
次の日、広場の真ん中で人質の交換が行われるが一触即発の状態だったがジョーが上手くまとめた、マリソンはラモンに博打の借金で夫マリオから奪った女、マリオは息子ヘススを殺すと言われて何も出来ないでいた
ジョーは再びロホ兄弟の用心棒となり懐に入り、マリソンを救出し、マリオとヘススの3人で町を離れろと金を渡してバクスター一家の仕業に見せ掛けて逃がした
しかしそれがジョーの仕業だとバレてロホ兄弟らによるリンチで半殺しの目に遭うが、命からがら脱出して棺桶屋に助けられるのだが、ロホ兄弟はバクスター一家の仕業と思い、一家を襲撃して皆殺し
数日後、シルバニトを広場で痛めつけてジョーを誘き出す、ジョーはロホ兄弟の前に姿を現し、敢然と立ち向かっていく
《感想》
イタリア製西部劇をいわゆるマカロニ・ウエスタンと呼ばれて世界中に知られるようになったきっかけは本作のアメリカにおける大ヒットからで、暴力的なシーンが多い作風で西部劇の価値観を大きく変えたと言われています
主人公のジョーを演じるのはクリント・イーストウッド、当時は落ち目のテレビ俳優と思われていましたが、本作の大ヒットでヨーロッパにおける最も有名なアメリカ人となりました
流れ者のガンマンがオープニングすぐに腰抜けかと思わせといて実は凄腕のガンマンでいきなり一瞬にして4人を射殺するシーンを見せて、中盤にはボコボコにされて半殺し、最後に大逆転の展開はマカロニ・ウエスタンのお決まりのパターンとなりました
監督はセルジオ・レオーネですが当時は無名で、彼はイタリア人なのにスペインで日本映画のリメイクの西部劇を撮っていると嘆いたとか、セルジオ・レオーネもヨーロッパのどこかで少し売れればいいなと思ってたらしいです
イーストウッドはテレビ西部劇の「ローハイド」に出演していた為にハリウッド映画に出演出来ないという契約を結んでいたのでヨーロッパ映画のオファーを旅行気分で受けたそうです
それが世界中で大ヒットを飛ばしたものですから、本作が黒澤明の「用心棒」を無断で翻案したのがバレてしまいました(笑)、内容はそのままなのですがセルジオ・レオーネらしさが出た演出なんです
ちなみに東宝は勝訴しており、日本、台湾、韓国などのアジアにおける配給権と賠償金、全世界配収の15%が東宝に入ったのですが、この裁判で映画の著作権の世界標準を知った黒澤明は東宝に不信感を抱いて契約解除となりました
でもリメイクでもパクったとしてもその映画の出来は素晴らしいと思います、一瞬で数人を倒してしまうガン捌きはさすがと思わせるものがあります
それにエンニオ・モリコーネの音楽もしびれます、ラストに現れるクリント・イーストウッドのかっこいい事!撃たれても撃たれても立ち上がる姿、銃を抜く瞬間の緊張感、どれも素晴らしかったです
さすらいのガンマン、全世界を大ブームに巻き込んだマカロニ・ウエスタンの傑作 それが『荒野の用心棒』です。
この作品が初めて観たクリント・イーストウッドだったかも、「ダーティハリー」だったかも?





















