ドクター・デスの遺産 BLACK FILE | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』

 

 

 

 

 

2020年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 深川栄洋

 

原作 中川七里

 

脚本 川崎いづみ

 

撮影 藤石修

 

音楽 吉俣良

 

 

 

出演 綾野剛/北川景子/岡田健史/前野朋哉/青山美郷/石黒賢/柄本明/木村佳乃

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

その医師を、追ってはいけない

 

「さよならドビュッシー」の人気作家・中川七里の小説「ドクター・デスの遺産」を映画化したクライムサスペンス、安楽死を手口にする連続不審死事件を追う刑事たちと犯人の攻防が描かれる

 

「閉鎖病棟 それぞれの朝」の綾野剛と「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」の北川景子が共演、「神様のカルテ」「サグラダリセット」などを手がけてきた深川栄洋監督がメガホンをとった

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

警視庁捜査一課の刑事・犬養隼人は腎不全で入院中の娘・沙耶香の見舞いをしていたが相棒の高千穂明日香に呼ばれ、少年からの通報を受けてそのアパートへ

 

しかし誰もおらず近所の住民から少年・馬籠大地の父・健一の葬儀が行われていると聞いて葬儀場へ、健一の妻の小枝子は夫は病気で死んだと言うも、大地は悪いお医者さんに殺されたと

 

犬養が大地から話しを聞くと、全然知らないお医者さんが来た後でお父さんが急に静かになった、その後にいつものお医者がきて、お父さんが死んだと言ったと証言

 

 

犬養は火葬される寸前だった健一の遺体を回収し、鑑識に回す為に後輩刑事の沢田圭と共に車に乗せた、健一は肺がんで闘病中だった、死因は心不全とされていたが解剖の結果、体内から塩化カリウムと麻酔薬が検出された

 

 

アパート周辺の防犯カメラの映像に主治医が来る1時間前に別の医師と看護師が来ていた事がわかった、殺人の疑いがあるとして小枝子を事情聴取すると、健一は楽にしてくれと言い3人で死のうと思ったが、あのお医者さんが救ってくれたと

 

 

健一は幸せな人生をありがとうと言い残して息を引き取った、医師は1時間後に主治医を呼ぶよう指示をした直後に大地が帰宅したのだった、小枝子はその医師の名はドクター・デスだと

 

早速サイトで調べてみるとその闇サイトのトップページには、人は生きる権利と死ぬ権利が平等にあるのですと書かれており、これまで何例も安楽死をしており、それに無報酬のよう

 

 

ドクター・デスはアメリカ人医師が100人以上を安楽死させた人物がモデルになっていると指摘、火葬されていたら真相は闇に葬られていた

 

同様に事件が何件もある事が判明するが、被害者遺族の証言は犯人を擁護するものばかり、そんな中、腎臓病で苦しむ犬養の娘・沙耶香がドクター・デスに安楽死を依頼してしまう

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

綾野剛結婚記念レビューです、大晦日から正月にかけて結婚ラッシュですね、綾野剛のお相手は佐久間由衣で最近は映画やドラマでよく見る女優さんです

 

 

綾野剛演じるのは犬養隼人は直感で動く破天荒な刑事で、綾野剛の演技は少しエモーショナルな感じがしてしまいましたね、自分が見えなくなるようなね

 

 

犬養は奥さんに先立たれていて娘の沙耶香を男手ひとつで育てているんです、でも沙耶香は腎臓病を患っていて入院中なんです、仕事をサボっては娘の見舞いに行ってるんです

 

それを相棒の高千穂明日香は知っていて病院に迎えに来るんです、明日香を演じるのは北川景子で犬養とは違って冷静沈着な刑事です

 

 

犬養の後輩刑事の沢田圭を演じるのは岡田健史で、彼のキャラクターは映画オリジナルなようで出番は多くはないですが犬養に振り回されてます

 

 

本作のテーマとなるのが安楽死や尊厳死と言われるものです、被害者はみんな安楽死をするドクター・デスに感謝をしているんです、末期患者を持つ家族は大変ですし、本人も苦しいですしね

 

ドクター・デスはロシア系アメリカ人の医師イワン・ケヴァニコフをモデルにしていますが、実在の人物はジャック・ケヴォーキアンがモデルとなってます

 

 

彼は積極的安楽死の肯定派で自殺幇助活動にちなんで死の医師と呼ばれ、殺人罪で服役するも釈放後も亡くなるまで安楽死・尊厳死の啓発活動をしていたそうです

 

これはどんな理由があっても人の命を人間の手で殺める事は罪です、でも病によって死ぬより苦しくなっても死ねないのは家族は見てられませんもんね、それに本人も楽にしてほしいでしょう

 

 

この安楽死・尊厳死は難しい問題です、でも自分を神のように思って安楽死をするのは間違っていますよね、本作でも警察はそれを追うのです

 

見た事もないお医者さんと看護師が現れて注射をして殺してしまいます、それをネットで募集しているのがまた怖いですね、おいらは闇サイトなるものはあまりよくわからないんですけど存在するんですね

 

 

重要な人物として木村佳乃と柄本明が登場します、あまり書くとネタバレになってしまうので書けませんがこういう展開になるのかとね、原作はもっと面白いのかも

 

 

 

 

 

130人を安楽死させた実在の医師をモデルに映画化 それが『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』です。

 

 

 

 

 

国によっては安楽死・尊厳死を認める国もありますよね、善なのか悪なのか難しいです。