ホムンクルス | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ホムンクルス』

 

 

 

 

 

2021年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 清水崇

 

原作 山本英夫

 

脚本 内藤瑛亮/松久育紀

 

撮影 福本淳

 

音楽 ermhoi/江崎文武

 

 

 

出演 綾野剛/成田凌/岸井ゆきの/石井杏奈/内藤聖陽

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

俺は、何を見てるんだ?

 

「殺し屋1」などで知られる山本英夫の同名漫画を実写映画化、名越役を綾野剛、伊藤役を成田凌が演じるほか、内藤聖陽、岸井ゆきの、石井杏奈らが脇を固める

 

ある手術を受けたホームレスが、それを機に他人の深層心理を視覚化して見ることが可能になってしまう、監督を務めるのは「犬鳴村」などの清水崇

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

名越進は古い車で車上生活を送っており、高級ホテルの向かいに車を止めている、そこにある大きな公園でホームレスたちと言葉を交わしワインを差し入れ

 

そうかと思えばホテルのレストランで高級な料理をがむしゃらに食べてカードで支払う、名越は記憶を失っており感情もなくしている

 

ある夜、名越が車内にいると怪しげな男、伊藤学が声を掛けてきた、仕事を引き受けて欲しいと、それは頭蓋骨にちょっと穴を開けさせて欲しい

 

 

名越は帰れと突っぱねたが伊藤はホームレスのいる公園と常識人の集う公園ホテルのちょうど中間にいる名越じゃなきゃダメだ、伊藤は感情もなく涙も出ない生きているって感じる事があるか、伊藤は名越の名も記憶がない事も知っていた

 

 

翌朝、名越が公園のトイレで顔を洗っていると道路に止めていた車がレッカーで運ばれてしまった、落ち込む名越の前に伊藤が現れ、7日間生きる理由をあげますよと告げる

 

 

名越は伊藤の部屋に行きトレパネーション手術の説明を聞き、頭蓋骨に穴を開けて脳の潜在能力を開花させ第六感が得られるというもの

 

伊藤は父親の病院で働く研修医でいわゆるボンボン、このトレパネーション手術に興味を持っていて名越はこの手術に同意した

 

 

目が覚めると車の中、いつもの高級ホテルと公園の間の道路、頭に絆創膏が貼られているくらいで特に何もない、伊藤は名越を歌舞伎町の料理店に呼び出して目的を話す

 

 

伊藤は心霊よ超能力などオカルト的なものは信じていない、全て脳の仕組みで説明できる、今回は実験で自分が抱えている疑問を片っ端から潰して否定したい

 

 

名越が右目を手で覆い、左目だけで見たものは人間が異様な姿に変貌した世界、他人の深層心理が視覚化されるホムンクルスだと

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

心霊や超能力やオカルトなんかを否定したいが為に、他人の頭に穴を開けて脳の潜在意識を開花させて第六感を得られるようにする、まさにマッドサイエンティストです、監督は「樹海村」の清水崇で原作は「殺し屋1」の山本英夫なので期待してしまう作品です

 

名越進を演じるのは綾野剛で、どういう人物かさっぱり分からないのです、ホームレスと交流してたり高級ホテルのレストランで食事をしたりね

 

 

そんな名越にトレパネーション手術をさせてくれと依頼する伊藤学を演じるのは「糸」の成田凌で、若きマッドサイエンティストなのです

 

 

人間の脳は約30%くらいしか使っていないとよく聞きますが、それを100%使う事になるとやっぱ反動が大きいので抑えるように出来ているのでしょうか?

 

それに幽霊なんておいらは信じてないのですが、暗闇とかの怖い感情が大きくなり過ぎた時に脳が勝手に想像をして幽霊を見せてしまうのではと思ってしまいます

 

 

超能力はトリックで出来てしまう事も多いのでこれもエンターテイメントだと、でも脳を100%発揮すれば筋肉にも強い命令を出して普段使わないくらいの力を出せるのでは、火事場の馬鹿力みたいなね

 

オカルト的なものはやはり宗教色が強いと思うのでおいらはまったくピンと来ないのですが、悪魔憑きなんかの言葉があるくらいですから昔には病人を悪魔憑きだと決め付けていた時代もあったと思います

 

 

トレパネーション手術をした名越は右目を伏せて左目だけで伏せたカードの柄を全て当て直感で見えてるんです、歌舞伎町を歩く名越は歩く人々がまるで怪物のように見えるのです

 

 

伊藤はテストとして名越を女子高生専門の風俗店へ、そこで砂人間のような1775という女子高生と出会います、1775を演じるのは「四月は君の嘘」の石井杏奈

 

 

1775は伊藤が童貞である事を見抜いて伊藤は動揺するんです、しかし1775も処女で名越に車の中で抱かれるのです、砂の彼女はアソコまで砂で描かれていてこれは大丈夫なの?って思いましたよ

 

 

病院にいると前の席の女が顔がないのです、その彼女との出会いで全ての記憶を取り戻すのです、彼女の名は奈々子で演じるのは岸井ゆきの、彼女の頭にもトレパネーション手術の手術痕があったんです

 

 

そうしていると今の現実が脳が勝手に造り出した都合の良い幻想なのかもしれないんです、自分の頭にドリルで穴を開けるまでになってしまい、驚愕の真実を知る事となるのです

 

 

 

 

 

 

目に見える世界が信じられなくなる衝撃作 それが『ホムンクルス』です。

 

 

 

 

 

人間の脳の潜在能力って知りたいような気がしますが怖いような気もします。