『沈黙のパレード』
2022年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督 西谷弘
原作 東野圭吾
脚本 福田靖
撮影 山本英夫
音楽 菅野祐悟/福山雅治
出演 福山雅治/柴咲コウ/北村一輝/飯尾和樹/戸田菜穂/田口浩正/酒向芳/岡山天音/川床明日香/出口夏希/村上淳/吉田羊/檀れい/椎名桔平
《解説》
沈黙は、連鎖する、それは罪か、愛か
東野圭吾のベストセラー小説を原作に、福山雅治演じる天才物理学者・湯川学が難事件を鮮やかに解決していく姿を描く大ヒット作「ガリレオ」シリーズの劇場版第3作
キャストには内海薫役の柴咲コウ、草薙役の北村一輝らおなじみのメンバーが集結、前2作に続いて西谷弘が監督、福田靖が脚本を手掛けた
《物語》
小さな町の食堂「なみきや」の看板娘の少女・並木佐織は歌が上手く町の人気者だった、2017年の菊野市での祭りののど自慢大会に出演した佐織
そこで審査員を務めていた音楽プロデューサーの新倉夫妻が彼女の才能を見出し、高校卒業後に歌手デビューを目指してレッスンを重ね、高垣という恋人も出来、彼女の将来は希望に満ちていた
しかし佐織は忽然と行方不明となり、3年後に民家の火事の現場から佐織が白骨化した遺体で発見された事件が発生し、内海薫刑事が説明
その火事の現場となった家はかつて別件の少女殺害事件で警察の尋問に対して沈黙を貫き通し無罪となった蓮沼寛一、当時その事件を担当していたのは内海の先輩刑事の草薙俊平
今回も証言や証拠が次々と出てきた事で蓮沼は逮捕されるが、またもや沈黙を貫き通し釈放されてしまう、その頃、菊野市の研究施設で研究をしていた湯川学は内海に事件の捜査協力を依頼されるも、物理学とは何の関係もないと断られてしまう
ある日、湯川がなみきやで食事をしていたところに蓮沼が現れ、佐織の父親の祐太郎に賠償金の話しを出して挑発、常連客によって追い出された蓮沼だったが、彼は昔の同僚の増村を頼って菊野市に移り住んでいた
蓮沼が現れた事で動揺する菊野市の人たちでしたが毎年恒例のイベントのパレードが開催される、当日に湯川は佐織の妹の夏美に案内されてパレードを見物
しかしなみきやの客が腹痛で倒れた為に母親から電話が入り夏美は戻った、病院に行っていた並木夫妻が帰宅して店に戻った夏美と営業を再開して湯川を含む常連客でパレードの祝杯をしようとするが、蓮沼が死んだと聞かされた
蓮沼が殺された事で草薙は捜査を開始するも、蓮沼を恨む関係者にはみんなアリバイがあり、死因も特定出来ていない、なみきやの常連客が疑われ、草薙が苦悩している事で湯川が捜査協力をするのだが…
《感想》
「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」に続くガリレオシリーズの劇場版第3作です、前作より9年ぶりの東野圭吾原作のシリーズの映画化です
主人公の湯川学を演じるのは「ラストレター」の福山雅治でガリレオと言ったら彼です、今回も「さっぱり分からない」「実に面白い」のセリフが聞けます
内海薫を演じるのは第1作目から14年ぶりとなる「ホリック xxxHOLiC」の柴咲コウ、彼女が持ち込んだ事件のトリックの解明をします、その有り得ない状況が物理学者としての興味をそそるのです
湯川の帝都大学の同級生で刑事の草薙を演じるのは「るろうに剣心 最終章 The Bigining」の北村一輝で過去に容疑者が無罪となったトラウマが再び蘇るのです
明るい未来があった女子高生の並木佐織が忽然と行方不明となるんです、それが3年後に火事で焼けた民家から2遺体が発見されたのです、1つは家主の老女で孤独死していた模様で、もう1人が並木佐織だったんです、演じるのは川床明日香
佐織の妹の並木夏美を演じるのは出口夏希で、その屈託のない笑顔で変わり者の湯川を連れてパレードへと出掛けます、夏美も大人の湯川と一緒に出掛けられて嬉しそうです
この姉妹の両親で父親の並木祐太郎を演じるのはお笑い芸人の飯尾和樹で意外に演技が上手である意味主人公です、その妻の真智子を演じるのが戸田菜穂で控えめな女性です
そして佐織の彼氏の高垣智也を演じるのは岡山天音で、決して派手ではないですが歌手を目指す佐織を応援しているのです、こんな形で遺体が発見されて相当ショックだったでしょう
祐太郎の親友で佐織を生まれた時から面倒を看ている戸島修作を演じるのは田口浩正で佐織を殺された怒りは祐太郎以上の物があります、菊野市のパレードの出し物をする宮沢麻耶を演じるのは吉田羊で常連客の彼女も佐織を応援していたんです
佐織の才能を見出して歌のレッスンをしていた新倉夫妻の直紀を演じるのは椎名桔平で、妻の留美を演じるのは檀れいです、2人には子供がいなくて佐織を娘のように想っていて歌手になる事は夢なんです
そんな彼らの前に逮捕されたが釈放された蓮沼寛一が店に現れて挑発するんです、そこには湯川もいて口論となる祐太郎や修作を静観しているのです、演じるのは村上淳で素晴らしい演技でしたね
蓮沼の父親は元刑事で自白さえしなければ罪に問われないと聞かされていたんです、なので蓮沼はどんな証拠があっても沈黙しているんです、自白を引き出さなければ釈放って警察が機能してないです、それは劇中でも非難されてます
かつての同僚を頼ってこの菊野市に引っ越して来るんです、犯人扱いしたことで名誉毀損で賠償金を狙っているようなのです、元同僚の増村栄治を演じるのは酒向芳で独特の雰囲気ですね
それに湯川はトリックをあっさりと見破って蓮沼殺害を解いて行くんです、それは過去に起こったもう一つの蓮沼の少女殺害事件と真相が分かっても誰も幸せにならないという事
これによって草薙は苦悩するのです、悪党の蓮沼が死んで、誰もが蓮沼に恨みを持っていたんですから、事件解決で良いのか?それとも真相を追及するべきなのか?葛藤する場面ですね
今秋、新たなる「ガリレオ」ミステリーが幕を開ける!このミステリー、実に面白い それが『沈黙のパレード』です。
ただ残念なのは教授となった湯川なのですが、万年助手の渡辺いっけい演じる栗林はどうなったのか?知りたかったな。