ラストレター | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ラストレター』

 

 

 

 

 

2020年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・原作・脚本 岩井俊二

 

撮影 神戸千水

 

音楽 小林武史

 

 

 

出演 松たか子/広瀬すず/庵野秀明/森七奈/小室等/水越けいこ/木内みどり/鈴木慶一/豊川悦司/中山美穂/降谷凪/矢部太郎/神木隆之介/福山雅治

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?

 

「Love Letter」「スワロウテイル」「四月物語」「花とアリス」の岩井俊二監督が、20年以上ものキャリアの中で、巧みにその時代を切り取りながら様々な愛の形を表現し、いずれも熱狂的なファンを生み出してきた岩井俊二が、初めて自身の出身地・宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描いたラブストーリー

 

名匠・岩井俊二のもとに、松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七奈、神木隆之介、福山雅治ら超豪華キャストが一堂に集結、中山美穂、豊川悦司も参加し、名作「Love Letter」を感じさせる世界観でありながら、全く新しいエンタテインメントを作り出した

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

7月仙台、岸辺野裕里の実家である遠野家で姉の遠野未咲の葬儀が行われた、裕里は息子の瑛斗と帰るが娘の颯香は夏休みだから従姉妹の鮎美と過ごすと言い、実家に残った

 

鮎美は母の美咲からの遺書を開けることが出来ずにいた、帰り際に鮎美から母宛ての高校の同窓会の知らせが来ていると相談されると裕里は連絡しておくと言って知らせを持って帰った

 

同窓会会場へ赴いた裕里はそこで姉の同窓生たちから姉と間違われてしまい、とても拒否できる空気ではなく姉の死を言い出せないまま参加して会場を後にした

 

 

バスを待っている裕里に声を掛けてきたのはかつて憧れていた先輩の乙坂鏡史郎だった、乙坂の誘いを断り、連絡先だけを交換して帰宅した裕里

 

帰宅後に漫画家の夫の宗二郎から同窓会の様子を聞かれて、姉に間違われてスピーチまでさせられたと話して風呂に入った、リビングのテーブルに置いた裕里のスマホに乙坂からラインが入り、その文面を読んだ宗二郎は浮気と誤解して風呂場で問い詰め、スマホは湯船に水没してしまった

 

 

乙坂から連絡があったかもと考えて、住所は伏せて乙坂に事情を手紙に書いた、姉の未咲の名前で、宗二郎は次の漫画のネタとして大型犬を2頭購入、それを祐里に世話をさせる

 

 

裕里はそれを罰だと思って乙坂に再び手紙を書いた、乙坂もそれは僕のせい?と手紙を書くが宛先がわからないので高校の卒業アルバムに載ってあった未咲の実家に送った

 

 

その手紙を手にしたのは鮎美と颯香で乙坂からの手紙を読んで自分たちが未咲に代わって返事を書くことにする

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

おいらは岩井俊二監督が好きな監督の1人なんです、最初のオープニングのカットからもう岩井俊二の色がすごく出ていてそれだけで感涙ものなんです

 

 

それにこのキャスティングもグッときましたね、これは岩井俊二監督のキャリアの集大成にするかのような作品なのではと思ってしまいましたもん

 

 

主人公の裕里を演じるのが松たか子、姉の未咲の葬儀から始まるのです、実家で姉の娘の鮎美から未咲宛ての同窓会の知らせが来ていて、事情を説明しようと裕里が同窓会に行くんです

 

 

そこで未咲が連絡取れないと話している女性の前に裕里が通りがかって、「未咲!」と呼び止められたことで裕里は言い出せなくなってしまうんです

 

そこで未咲のふりをしてスピーチまでして帰ってくるんです、帰りに乙坂鏡史郎に声を掛けられるんです、裕里は先輩の乙坂に憧れていて驚いてしまい、連絡先を交換するんです

 

乙坂を演じるのが「マチネの終わりに」の福山雅治、後半はこの乙坂が主人公のようなんです、小説家ではありますが売れてない小説家でその理由も未咲との思い出にあったりするんです

 

 

高校時代の乙坂を演じるのが「屍人荘の殺人」の神木隆之介、高校三年生の時に転校してきた乙坂はクラスの男子に誘われて生物部に入るんです、そこで乙坂は裕里と出会うんです

 

 

生徒会長の未咲に一目惚れした乙坂は裕里が手紙を渡すと言ってラブレターを書いて渡してもらうんです、でもそれは未咲には届いてなくて裕里は乙坂が好きだったんです

 

 

岩井俊二監督は今の時代に手紙を書くことがなくなったので、まず手紙を書かざるを得ない状況を作ってから物語が始まるようにしたそうです

 

鮎美と高校時代の未咲を演じるのが広瀬すず、最近の彼女は上手くなりましたね、独特の雰囲気を出してます、母親を亡くしてちょっと影がある役です、それに大人っぽくなったり幼く見えたりとすごいです

 

 

颯香と高校時代の裕里を演じるのが森七奈、広瀬すずよりまだ幼い印象ですが、姉を好きな乙坂のことが好きな感じがすごく良かったです、その後に裕里は未咲に乙坂のラブレターを渡すんですけどね

 

 

この高校時代の未咲と裕里を知る乙坂が鮎美と颯香に会うんです、まったく同じ姿なので驚いた乙坂は駆け寄って声を掛けるんです、たしかにビックリしますよね

 

 

そして嬉しいキャスティングは「Love Letter」に出ていた中山美穂と豊川悦司が出ているんです、この2人はやさぐれた生活をしていて、乙坂ももう住んでいないだろうと思ったアパートに2人は住んでいるんです

 

 

ビックリしたキャスティングはやはり、「ヱヴァンゲリヲン」シリーズの監督の庵野秀明が役者として裕里の夫の漫画家の宗二郎を演じています

 

 

おいらは本当に岩井俊二監督作品が好きで、以前のブログではほとんどの作品をレビューしていましたが、このブログでも制覇したいと思います

 

 

 

 

 

いまだに読めずにいる最後の手紙に込められた、初恋の記憶、日本映画史に残る、珠玉のラブストーリーが誕生する それが『ラストレター』です。

 

 

 

 

 

岩井俊二監督は同じ原作を中国でも製作している、「チィファの手紙」もいつか観たいです