『危険なプロット』
2012年 フランス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 フランソワ・オゾン
原作 フアン・マヨルガ
撮影 ジェローム・アルメーラ
音楽 フィリップ・ロンビ
出演 ファブリス・ルキーニ/エルンスト・ウンハウアー/クリスティン・スコット・トーマス/エマニュエル・セニエ/ドゥニ・メノーシェ/バスティアン・ウゲット/ヨランド・モロー
《解説》
極上の、サスペンス小説の、作り方 教師と生徒の個人授業は、いつしか息詰まる心理戦に変わる
サスペンスフルに展開する緻密な人間ドラマ!生徒に魅せられる教師、作文を挟んで喧嘩を繰り広げる夫婦、友人一家への覗き行為、友人の母親との危険な関係
フランソワ・オゾン監督に大抜擢され一躍スターダムにのし上がったのは、凄まじい目力でスクリーンから妖しい魅力を振りまく正統派フランス美少年のエルンスト・ウンハウアー
《物語》
ギュスターヴ・フローベル高校の2年C組の国語教師ジェルマンは新年度が始まり新しい生徒たちの制服が導入され、その生徒たちの作文の出来の悪さに頭を抱えていた
週末の出来事を書くだけなのに数行しか書けない生徒たち、彼らの将来を悲観して不安になってしまう、そんな中、クロード・ガルシアの作文に目を奪われた
その内容は数学が苦手なクラスメイトのラファエルに勉強を教えるために以前から入ってみたかった、ラファエルの家に入る為の口実が勉強だ
そのクロードの文才に魅了されたジェルマンだったが画廊経営するイギリス人の妻のジャンヌは他人の家を覗き見る悪趣味なものと言うが、続きが気になる文章に2人は惹かれた
ジェルマンは次の授業の時にクロードを呼び止め作文は皮肉を効かせすぎて不適切で誰かの目に触れたら問題になると警告するが先生に書いたものだと平気な顔のクロード
数学は得意だが作文は苦手なクロードは作文を学びたいと提出した、そこには一緒に勉強しようと提案しラファエルは喜んで家に招いてくれた
クロードは何故ラファエルを選んだのか自問した、彼は何かが違う、普通なのだ それは去年からラファエルの仲の良い家族が気になり、その頃から彼の家はどんなだろうと思った
ジャンヌは相変わらずクロードの作文は不快だと、16歳の少年が友人の母親を中流階級と書くなんて精神科医が必要な危険人物だと
彼の才能を伸ばしたいジェルマンは個人指導し、クロードはラファエルの家を訪ねては新作を書き続ける
その結果、内容はエスカレートし、ラファエルの母親との関係を匂わせるようになり、ジェルマンは止めるように言うのだがクロードはもう止まらないと…
《感想》
本国フランスでは120万人を動員する大ヒットを記録し、数々の映画祭で受賞し、国際的評価が益々高まる「ぼくを葬る」のフランソワ・オゾン監督の最高傑作との呼び声も高い本作です
ミステリアスな雰囲気を持ち、不穏な眼差しを持つクロード役には新星エルンスト・ウンハウアーで監督に抜擢されて見事にリュミエール賞新人男優賞を受賞しました
そのクロードに翻弄される国語教師ジェルマン役にはフランスを代表する名優ファブリス・ルキーニ、その妻ジャンヌにはクリスティン・スコット・トーマスで文学は何も教えない、ジョン・レノン殺害犯はライ麦畑を持っていたとジェルマンと口論するんです
そしてそしてクラスメイトの魅力的な母親エステルを演じるのはロマン・ポランスキー監督夫人のエマニュエル・セニエでとにかく色気があふれ出てます
高校生の男子がクラスメイトの家に入り込んでそこの家庭事情を赤裸々に文章にして、それを読む国語教師はその粗削りながらセンスのある文章に魅入られます
クロードの作文を読んでジェルマンはその家庭を間接的に覗き見るような錯覚に陥るのでしょうか?相手に読まさせてしまう文章はやはりセンスなんでしょうね
ジェルマンはその文章を読んで個人的に指導をしたくなるんです、ジェルマンはかつて物書きを目指していたけど挫折したので自分の持つテクニックを注ぎ込むんです
段々と立場が逆転していって、ジェルマンはクロードの作文が読みたいが為に言い成りのようになってしまいます、これがまた問題になるのですけどね
そしてクロードが手にいれようとするのがクラスメイトの母親エステルなんです、確かに魅力的な女性ではありますがクラスメイトの母親ってさすがに難しいですね(笑) こんなはち切れんばかりのボディですけどね
それでもセックスをしたような事を匂わせてエステルの心まで奪ってしまいます、エステルもこうなる事が怖くてクロードを避けていたんですが彼の魅力的な眼差しに落ちてしまいましたね
エステルは夫とのセックスをクロードに覗かれているのですが、それをエステルは知っているのかそれとも見せ付けているのか、女というのは不思議な生き物です
これぐらいの年齢になっても若い男のアプローチにドキドキしたりして流されるようにセックスをしてしまうのでしょうか?夫や子供ら家族を裏切ってまでも求められるままに女でいたいものなのでしょうね
人気監督フランソワ・オゾンの最高傑作! それが『危険なプロット』です。
相変わらずフランソワ・オゾン監督は好きですわ、耽美であり淫靡です。
更に過激な続・裏237号室の『危険なプロット』のレビューはこちらです。



















