『ドラゴンヘッド』
2003年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 飯田譲治
原作 望月峯太郎
脚本 NAKA雅MURA
撮影 林淳一郎
音楽 池頼広
出演 妻夫木聡/神田沙也加/山田孝之/藤木直人/根津甚八/寺田農/近藤芳正/嶋田久作/松重豊/谷津勲/大川翔太/吉岡祥仁/奥貫薫/街田しおん/藤井かほり/角田幸恵/宮嶋剛史/原田佳奈/MIYU
《解説》
ふたり、という希望
妻夫木聡と神田沙也加らの共演で望月峯太郎のコミックを映画化したサバイバルSF、大地震でトンネルに閉じ込められた高校生の少年と少女、やっと外に出た彼らが見た東京の光景は…
「バタアシ金魚」「鮫肌男と桃尻娘」などのコミック作家・望月峯太郎による衝撃作を映画化したスペクタクルSF、原作のあまりのスケールの大きさから映像化が危ぶまれていたが、ウズベキスタンに広大なオープンセットを組み、廃墟の世界を迫力たっぷりに再現
《物語》
青木テルが目を覚ました、たしか友人が投げてよこした缶コーヒーを落として座席の下に潜り込んだ時に衝撃が起こった、痛む体を起こすとそこは新幹線の中でクラスメイトは全員血まみれで死んでいた
修学旅行の帰路の途中で巨大地震が発生したのだ、あわてて車外に出てみるとそこはトンネルの中で出口は崩落して閉じ込められていた、生存者を探すテル、座り込んでいた高橋ノブオを発見
いじめられっ子のノブオはトイレに閉じ込められていて助かったのだ、そしてテルは車両の下に身を隠している瀬戸アコを発見、彼女はノブオが瀕死の教師を殺害し、いじめっ子の死体を損壊していたとテルに言う
ノブオはこの外界と遮断された状況下で発狂し、奇妙なメイクをして2人を襲う、テルとアコは換気ダクトから脱出を試みるがその直後にトンネルが崩壊し、テルとアコはノブオを残してダクトに飛び移りトンネルから脱出
脱出したそこは白い灰が降り積もる世界、何が何だか分からない状況で些細な事で口論となりながらも何日も歩き続けて廃墟となった街に辿り着いた
そこで食料を調達し、再び歩き始めるが老人たちの集団に取り押さえられて全てをなかった事にすると言いながら首を切断されそうになるが、そこに車に乗った自衛官の仁村と岩田が現れて2人を救出し、現状を説明してパニックが起こり人が人を襲っている
食料の配給を開始した東京を目指して車を走らせるが、仁村は車を止めてテルを車の外に出し、銃を突き付けてアコをよこせと脅迫し、仲裁に入った岩田を射殺し、テルにも発砲
その時に噴火が起こり、3人は車に飛び乗り逃げるも降り注ぐ火の玉に車は横転して仁村は死亡、テルとアコは再び歩いて東京を目指すが、そこに自衛官のヘリが現れて2人を救出するがテルはヘリから転落してしまう
《感想》
神田沙也加さんが札幌のホテルで倒れている所を発見され、搬送先の病院で亡くなりました、35歳でした、部屋の窓から転落したそうですが、自殺の可能性もあるそうです
まだ35歳の若さで信じられないです、ミュージカル女優として順風満帆なイメージがありましたが分からないものです、神田正輝さんと松田聖子さんの長女で生まれた時から有名人な彼女
女優や声優として活躍し、「アナと雪の女王」の日本語吹き替えで主人公・アナの声を演じて大ヒットを記録、私生活でも結婚と離婚を経験しています
札幌でのミュージカルは体調不良で出演を取りやめが発表されていました、松田聖子さんは開催予定のディナーショーを中止、それは仕方ない事です、合掌
本作での神田沙也加は瀬戸アコを演じています、たまたま生き残った女子高生で弱々しいのですがテルと共に懸命に生きていく事で逞しくなっていきます、本作がまだSAYAKA名義でデビュー作です
主人公の青木テルを演じるのが妻夫木聡で、こちらも奇跡的に助かった高校生で家族のいる東京に戻ろうとアコと一緒に行動を共にするのですが、次第にアコを守る使命感が芽生えてきます
前半の敵のような存在の高橋ノブオを演じるのが山田孝之、ノブオはいじめられっ子でトイレに閉じ込められていたおかげで助かったのです、しかし恐怖に苛まれて狂気に走ります
いじめられっ子なので教師も見て見ぬふりなのでしょう、瀕死のその教師を殺してしまいます、死んでいるいじめっ子の死体を損壊して復讐をして、自身をペイントしてまさに狂気の末にテルとアコに襲い掛かります
この崩壊した新幹線のセットも見事でトンネル内でのまるで地獄のような世界です、アコがその衝撃の瞬間に吹っ飛ばされる映像もリアルで死んでいてもおかしくないくらい飛ばされてます
トンネルの外に出ても地獄でテルは東京に向かうのですがまるで歩けないアコが足手まといなのですが引っ張って歩いていくのですが老人たちに捕まってしまうのですが仁村に助けられるんです
仁村を演じるのが藤木直人で生き残った自衛官で銃を所持、現実的な考えの持ち主でこの崩壊した世界を楽しんでいるような感じです、もし実際にこんな事になったら助け合うより楽しんで生きる人も多いかもね
テルとアコを救ってヘリコプターで東京まで向かう松尾を演じるのが根津甚八で、彼はノブオや仁村のように狂ってはおらずにまともな人間なのですがヘリからテルは転落してしまうんです
この崩壊したセットを作るのは日本では無理でウズベキスタンで作られました、このセットは話題になるほど素晴らしかったです、監督は深夜ドラマの「NIGHT HEAD」で脚光を浴びた、「らせん」の飯田譲治
絶望という未来 それが『ドラゴンヘッド』です。
おいらも世界の崩壊なんかをノストラダムスの大予言で考えた事がありますが、実際にそうなったら奪い合いとなるのでしょうか?