『オン・ザ・ロード』
2012年 フランス・ブラジル・イギリス・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ウォルター・サレス
原作 ジャック・ケルアック
脚本 ホセ・リベーラ
撮影 エリック・ゴーティエ
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
出演 サム・ライリー/ギャレット・ヘドランド/クリステン・スチュワート/エイミー・アダムス/トム・スターリッジ/ダニー・モーガン/アリシー・ブラガ/エリザベス・モス/キルスティン・ダンスト/ウィゴ・モーテンセン/テレンス・ハワード/スティーブ・ブシェーミ
《解説》
自由を夢見て、終わらない旅へ
ジャック・ケルアックが1957年に発表した小説「路上/オン・ザ・ロード」、ケルアックが全米各地とメキシコを放浪した実体験をベースに書き上げた青春小説は、ビート・ジェネレーション文学の代表作となり、その後のカウンターカルチャーの時代に聖典となった名作
多くの映画人やミュージシャンたちに影響を与え、ボブ・ディランに「僕の人生を変えた本」と言わしめた傑作をフランシス・フォード・コッポラが権利取得から約30年を経てついに映画化、コッポラは監督に「モーターサイクル・ダイアリーズ」の名匠ウォルター・サレスを使命
《物語》
1947年、ニューヨークで父親の葬儀を済ませた若き作家を目指すサル・パラダイスは父親の死を引きずって鬱屈した日々を過ごしていた
何もかも終わりと酷く落ち込み病気になってやっと立ち直った頃に、同じく作家を目指すカーロとチャドと飲んだ、チャドはデンバーの少年院出身の車を500台盗んだ友人のディーンを紹介された
ディーンは16歳のメリールウと結婚したという、彼の部屋に行きマリファナを吸って意気投合、サルは作家としての興味で彼を知りたいと思ったのではなく、早く死んだ兄のように思えた
サルはディーンに文章の書き方を教え、ディーンはサルに全てを教えた、やがてディーンとカーロはデンバーに旅立ち、サルはニューヨークに残った
その後、ディーンからの手紙を受け取ったサルはデンバーを目指す、ディーンの登場でサルの路上の日々が始まった、それまでは西部を夢見るだけで実現出来ずにいた、若き作家で飛び立ちたかった
デンバーではディーンがメリールウと別れて新しい恋人のカミールと一緒にいた、それでもディーンはサルとカーロを連れて酒やドラッグを楽しみ、他の女も抱く
そんな時、カーロはサルにディーンを求めている自分がいると、同性愛者なのかもしれないとサルに嘆く、カーロはアフリカに行きたいと話し、サルもデンバーを旅立った
途中でテリーという女性と出会いカリフォルニアで綿の収穫の仕事を彼女とするが収穫期も終わり、人生が戻れと呼んでいる、本を書かねば、サルはニューヨークへと帰る
1948年12月、ディーン、メリールウ、エドがサルの実家を訪れ、ディーンと久しぶりの再会をし、サルは一緒にニューヨークに戻り共に時間を過ごすがディーンはカミールの元に行ってしまう
メリールウとサルは部屋を借りて体を重ね合う、その後、ディーンに愛想を尽かしたメリールウは婚約者のいるデンバーへと戻り、サルはディーンを訪ねる
《感想》
父親の死に打ちひしがれていたサルなのですが、その後に出会ったディーンによって人生を変えられてしまいます、ディーンは退屈な常識人ではなくて真逆の存在なんです
社会の常識やルールに囚われない型破りな生き方をするディーンに魅力を感じてしまうんです、このディーンにサルは影響を受けて刺激的な路上の日々を続けるのです
本作は原作者のジャック・ケルアックが実体験を基にして書き上げた小説で、世界中のアートや思想に決定的な影響を与えた不朽の名作と言われています
1979年にフランシス・フォード・コッポラが権利を獲得して、2001年に脚本化するも頓挫、2010年に撮影が開始されました、30年の年月を経ての完成です、映画1本に凄いですね
主人公のサルを演じるのがサム・ライリーで、父親の死でどん底にいて少し這い上がって来た時に出会ったのがディーンなんです、そのディーンを演じるのがギャレット・ヘドランド
こんな破天荒な男って魅力的に見えるのですが、それは男からの目で女性から見たらそれは遊ぶには良いのかも知れませんが、恋人や結婚となると破滅的ですね
ディーンの若い妻のメリールウを演じるのが「トワイライト 初恋」シリーズのクリステン・スチュワート、最初の登場でディーンとのセックスの途中なんです、メリールウもディーンに感化されている感じでしたね
男だけで遊びに行ってそこでサルにリタという女を紹介すると言っといて自分がセックスをしているんです、その後はサルやカーロを交えての複数プレイとなるのですけどね
メリールウという妻がいても他の女と簡単にセックスをするディーンなのですが、その後にデンバーへと旅立ち、手紙を貰ったサルがニューヨークからデンバーに向かうとディーンはメリールウと別れていてカミールといるんです
カミールを演じるのが「スパイダーマン」シリーズのキルスティン・ダンストで彼女との間に子供も生まれるのですが、ディーンは飲みに行ったりで育児はカミールに任せっきり、カミールはいろんなものを諦めたとディーンに詰め寄って別れる事になるんです
友人のカーロは同性であるディーンにセックスも求めてしまうとサルに告白するんです、自分は同性愛者なのかもしれないとね、こういうのは魅力的な男が現れたら女性よりそっちを求めてしまうものなのでしょうか?おいらには分からない世界です
それくらいディーンは男が見ても魅力的だという事です、カーロを演じるのがトム・スターリッジ、サルの恩師のブル・リーを演じるのがウィゴ・モーテンセン、ジェーンを演じるのがエイミー・アダムス、旅の途中で放り出されたギャラテアを演じるのがエリザベス・モス
サルがデンバーを旅立って出会ったのがテリーで演じるのがアリシー・ブラガ、彼女の家族と綿の収穫の仕事をしますが、人生に呼び戻されて本を書くためにニューヨークに戻る事を決意してテリーと別れます
その後にディーンはメリールウを連れてサルに会いに来るんです、カミールはどうしたの?ってチンプンカンプンになりますが、メリールウとはセフレのような関係で、やはりカミールの元に戻ったディーンに悪態を付くメリールウでしたがその夜はサルとセックスをして朝にはデンバーに行ってしまうんです
ディーンはその後も20ドルでスティーブ・ブシェーミ演じるトールとセックスしたりとまったく破天荒で凄過ぎる男です、でも消えた父親を捜していたりとナイーブな一面もあったりします
ジャック・ケルアックの伝説的小説「路上/オン・ザ・ロード」完全映画化! それが『オン・ザ・ロード』です。
おいらはあのラストのその後はどうなったのか気になりましたね。
更に過激な続・裏237号室の『オン・ザ・ロード』のレビューはこちらです。