死霊のはらわたⅡ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『死霊のはらわたⅡ』

 

 

 

 

 

1987年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 サム・ライミ

 

脚本 スコット・スピーゲル

 

撮影 ピーター・デミング

 

音楽 ジョセフ・ロドゥカ

 

 

 

出演 ブルース・キャンベル/サラ・ベリー/ダン・ヒックス/キャシー・ウェズリー/リチャード・ドメイヤー/デニス・ビクスラー/ジョン・ピークス/ルー・ハンコック

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

スプラッター・ムービーの古典となった「死霊のはらわた」、その前作をはるかに越えた、驚異のセルフ・リメイク版!

 

スプラッター・ムービーというジャンルを打ち立てた前作を、サム・ライミ自らの手でグレードアップさせたセルフ・リメイク版とも言える作品、前作の実験精神はそのままに細部までこだわりが詰まった映像が展開する

 

森を這うように突き進む死霊の主観ショットや、ストップモーション・エフェクト、そして前作よりもテンションを増したブルース・キャンベルの演技、映画術の全てを結集した映像が圧倒的迫力を生むサム・ライミの最高傑作!

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

邪悪なる闇の手が書かれたと言うネクロ・エクス・モルテス、その意味は死の書、その本は死霊の世界との通路だったのだ、それが書かれた時、海は血に赤く染まっていた、その赤い血で本は書かれた、紀元前1300年、その本が消えた

 

アッシュはドライブ中に見付けた山荘に恋人のリンダと忍び込んで楽しい時間を過ごす、そこにテープレコーダーを発見してアッシュが再生してみると、それはノウビー教授による古代史研究の記録だった

 

 

それは妻のヘンリエッタと娘のアニーを連れて旅をした時だった、キャンダーの古城で大発見をした、それは死の書でこの山荘に持ち帰り研究をした

 

本の呪文の通路を通して邪悪な死霊が甦るのだ、テープから呪文が流れ出し、その瞬間にガラスの割れる音とリンダの悲鳴が聞こえた

 

消えたリンダを捜して森の中に入るアッシュに恐ろしい形相のリンダが襲い掛かってくる、呪文によってリンダは死霊と化してしまったのだ、アッシュはシャベルでリンダの首を切断して死体を埋めた

 

 

山荘に戻ろうとするアッシュに死霊が襲い掛かりアッシュも死霊となってしまうが、夜が明けて正気に戻ったアッシュは明るいうちに脱出しようとするも森から出る事が出来ない

 

 

再び日没となり、リンダの死霊がアッシュに襲い掛かる、納屋にあったチェーンソーでリンダを殺すも噛まれた右手が死霊に憑りつかれてアッシュは自分の右手を切断

 

 

山荘の持ち主であるノウビーの娘のアニーが友人と道案内のカップルが山荘に向かう、連絡が取れない両親をアニーが心配しての事だが、そこで尋常じゃないアッシュを発見、アニーはアッシュが両親を殺したと思い込み地下室に閉じ込めた

 

アニーは父親の手紙とテープレコーダーからヘンリエッタが死霊と化して地下室にいる事を知りアッシュを解放、しかしアニーの仲間は森の資料に襲われてしまう

 

 

アッシュも再び死霊と化してアニーを襲うがリンダのペンダントに触れて正気に戻った、亡くした右手にチェーンソーを取り付けてヘンリエッタと対決、アニーはその間に死者の書に書かれた死霊を戻す呪文を読むも、アッシュの切断された右手がアニーをナイフで刺した

 

そこに大きな時空の穴が出現して邪悪なものを飲み込んでいく、しかしアッシュもその中に飲み込まれてしまう

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

前作の「死霊のはらわた」に比べてやり過ぎて笑えてしまう感じです、それに主人公のアッシュが自分の右手と戦ったりと一人芝居が延々と続きます

 

 

アッシュを演じるのは引き続きブルース・キャンベルです、初めて観た時はてっきり続編だと思ってたのにリメイクだったとは驚きでした、あの続きからどうなるのだろうとね

 

 

前作の本編は本作の冒頭数分で表されていますが、それはアッシュと恋人のリンダだけの話となっています、リンダを演じるのがキャシー・ウェズリーです

 

 

リンダはセクシーにTシャツとパンティだけでアッシュのピアノ伴奏で踊っているんです、その後でアッシュは隣の部屋にあったテープレコーダーを再生するとそこから呪文が流れるんです

 

リンダは森に消えて死霊に襲われて自ら恐ろしい形相でアッシュを襲うんです、アッシュはシャベルでリンダの首を切断して埋葬するのですが、リンダは墓から起き上がってアッシュを襲います

 

 

頭だけのリンダがアッシュの手を噛み、体だけのリンダがチェーンソーで襲い掛かってくるもアッシュはリンダの頭をチェーンソーで潰して殺してしまうんです

 

 

このアッシュの手が死霊に憑りつかれて自分の右手と格闘するんです、右手に殴られて気を失っても右手が皿を頭にぶつけて割るんです、ナイフで刺そうとするのですがアッシュはそこで右手を切断、これが壮絶でね

 

前作ではアッシュの妹が地下室に閉じ込められるのですが、本作ではノウビーの妻のヘンリエッタが地下室で死霊となって復活してアッシュを襲うんです

 

 

ノウビーの娘のアニーらが山荘に到着してアッシュに死者の書の話しをして、700年前に死霊を退治した使者が空から現れたと説明するとアッシュはいい加減な奴だと吐き捨てるんです

 

 

アニーは完全ではなかった死者の書の残りを持ってきたのです、それで死者の書は完全となって死霊を元の世界に戻す呪文を説くのですが、アッシュを右手が邪魔をします

 

死霊たちは時空の穴に吸い込まれるのですがアッシュも吸い込まれて中世の世界に落ちてくるんです、そこで現れた死霊をライフルで退治した事から使者として崇められるんです

 

 

中世を舞台にした続編の「死霊のはらわたⅢ」がありますが、それも本作との繋がりはほんの少しだけでした

 

 

 

 

 

カンダ…アマントス、カンダ…開けよ死者の書、念じよ呪詛を… それが『死霊のはらわたⅡ』です。

 

 

 

 

 

こんなにテンションの高いホラー映画を作れるのはサム・ライミ監督くらいでしたよ。