チャタレイ夫人の恋人 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『チャタレイ夫人の恋人』

 

 

 

 

 

1982年 イギリス・フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ジュスト・ジャカン

 

原作 D・H・ロレンス

 

脚本 クリストファー・ウィッキング/マルク・ベーム

 

撮影 ロベール・フレース

 

音楽 スタンリー・マイヤーズ/リチャード・ハーヴェイ

 

 

 

出演 シルヴィア・クリステル/シェーン・ブライアント/ニコラス・クレイ/アン・ミッチェル/エリザベス・スプリッグス/ピーター・ベネット

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

この恋に男はとまどい女はすべてを賭けて求めた

 

大胆な愛と性の描写でセンセーションを巻き起こしたイギリスの作家D・H・ロレンスの原作の映画化で裕福だが性的に満たされない貴族の若妻が森番と愛し合い初めて性に目覚めてゆく姿を描く文芸作品

 

戦争で不能になった夫を捨て、野卑な庭番のもとで性に目覚めていく若妻コニー、イギリス中部のみずみずしい田園風景の中に浮かぶ「エマニエル夫人」のシルヴィア・クリステルの白い肌が悩ましい

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1918年イギリス中部ノッテンガムシャーの森で若くハンサムなクリフォード・チャタレイ男爵が清純で画家の娘コニーと結婚し、幸せの絶頂にいた

 

 

広大な土地を所有し、狩猟地、炭鉱も持つチャタレイ家の当主、コニーとは家柄も違うが親族たちの陰気な冷たさを感じる大邸宅にコニーの明るさで暖かくなるものと期待をよせていた

 

コニーを迎えるパーティー、来客者たちがダンスの真っ最中だったが、第一次世界大戦勃発を知らせるニュースが届き、クリフォードは戦地に旅立って行った

 

ドイツ戦線で負傷したクリフォードは下半身麻痺となり、ハネムーンもそこそこに夫を送り出したコニーはまだ処女のような状態、毎日、車椅子の夫に仕えているがクリフォードは男性としての機能を失い、コニーに申し訳なく思っていた、そしてコニーも若い肉体を持て余す毎日

 

 

久しぶりにやってきたクリフォードの叔母エバは夜、コニーに言った、「女は若いうちにやりたいことをやりなさい、年をとってしまうのは怖いことよ」 それにクリフォードにコニーを自分の犠牲にするのは辛い、好きな男が現れたら愛人にしてもいいと言われた

 

 

ある日、クリフォードに頼まれて初めて森に入ったコニー、森番のメラーズがキジの孵化を始めたか様子を見に来たが作業小屋の近くで見たものは全裸で水浴びをするメラーズ、そのたくましい体格に荒々しい筋肉を覗き見て息を飲むコニーはそのまま邸宅に引き返した

 

 

たまに発作の起こるクリフォードに世話人として看護師のボルトン夫人がやってきた、そのことでコニーの生活は一変した、自分のするべきことがなくなってしまったのだ

 

 

メラーズの姿が忘れられないコニーは何度か小屋に足を運び遂に肉体的に関係を持ってしまい、その快楽に酔い、歓喜の声をあげたクリフォードに隠れて密会していたコニーだったがメラーズの家で一夜を明かしてしまいクリフォードの知る事となる…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

想像したよりよりエロくなかったです、シルヴィア・クリステル作品なら「エマニエル夫人」の方がよっぽどエロかったです

 

 

「エマニエル夫人」はいろんな男との性遍歴やアブノーマルな行為を綴った物語なのに対し、本作は性的に不能になってしまった夫の目を盗んで夫の雇っている森番との関係に溺れてしまいます

 

 

こういう作品を観ると女性の性の問題はまだまだ陰の存在ですね、だから文芸作品なのに発禁処分になったりするんですね、当時はかなり問題になったようで裁判が宣伝になったみたいです

 

原作は読んだことないですが、そんなに猥褻なんですか?、時代が違うけど表現の自由とは言え、秘め事とか不倫は秘めとかなきゃならなかったのかな?、それでも合計で4回映像化されるほどポピュラーなお話、そんな中でもシルヴィア・クリステルの本作が有名だと思います

 

 

エロさばかりが先行してましたが、森番メラーズとコニーが愛を通して人間性を追求、そしてコニーが女性としての自我に目覚めていくところに焦点をあてています

 

 

でも勃起しなくなったと考えたらめちゃ怖いですよ、男としての機能が終わったわけですからショックでしょうね、この男の悲しみをもっと深く描いてもいいんですが、映画の目的はエロでしょうね(笑)

 

年老いて後悔することがないように、やりたいことをやるべきだ、たった一度の人生は自分で選ぶ、という主張が押し出された作品です、案外、発禁になった理由は性描写ではなく女性の主張だったりしたんじゃないでしょうか?

 

 

それが性的不能になった夫より逞しい肉体を持つ男に行ってしまう女の主張みたいなね、でもね、男女間ではセックスは非常に大切ですよね、肌が合うなんて言いますが合わなかったらそりゃ大変でセックスがつまらないものになってしまいますからね

 

今回初めて観て、意外に自立していく作品で想像と違いましたね ラストはそうなるの!って羽根を得たように飛んでいくコニーの姿は清々しかった

 

 

 

 

 

 

愛とは従うものではなく、求めるもの それが『チャタレイ夫人の恋人』です。

 

 

 

 

 

これでR15+なんですね、シルヴィア・クリステルはこんなに儚げな美しさがあったんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な裏237号室の『チャタレイ夫人の恋人』のレビューはこちらです。