『エマニエル夫人』
1974年 フランス
《スタッフ&キャスト》
監督 ジュスト・ジャカン
原作 エマニュエル・アルサン
脚本 ジャン・ルイ・リシャール
撮影 リシャール・スズキ
音楽 ピエール・バシュレ
主題歌 ピエール・ハシュレ
出演 シルビア・クリステル/クリスチーヌ・ボワッソン/アラン・キューニー/マリカ・グリーン/ダニエル・サーキイ/ジャンヌ・コレティン
《解説》
女性の性解放を甘美な映像で綴った大ヒット作品、エロス・フィルムに華麗な革命をもたらした愛の名作、エキゾチックなバンコクに舞う妖艶な白い蝶 若妻エマニエルは官能の扉を開け放つ
70年代に大ブームを巻き起こしたシルビア・クリステル主演の官能ドラマ 外交官の夫に呼ばれ、バンコクにやって来たエマニエルが開放的な異国情緒の中で急激にセックスに目覚めていく、それは果たして解放か、飼育か…
1960年代のポルノの傑作と言われた、エマニュエル・アルサン原作の同名小説をファッション写真家として知られたジュスト・ジャカンが華麗な映像美で魅せた話題作であり問題作
1974年に日本で公開されポルノでありながら女性を中心に社会現象となる大ヒット ピエール・バジュレの囁くような主題歌、籐の椅子に全裸で座るシルビア・クリステルのポスターはあまりにも有名
《物語》
外交官の夫のジャンは一足先にバンコクに赴任していて後から新妻のエマニエルが来ることになっている、その頃エマニエルはパリで身支度を整えていた
パリからバンコクへ夫を追ってやってきたエマニエル 古風な作りの屋敷と使用人に囲まれた生活が始まった、久々もあり蚊帳の中で激しく愛しあった
バンコクの乾いた空気が肌に心地よくエキゾチックな町、そんな生活を楽しんでいた なかでもフランス人の集まりはサロン的なムードが濃く男も女も自由に交際している
そこで知り合ったマリーが屋敷に訪ねてきた、マリーは明け透けな質問をエマニエルにぶつけてくる、しかもマリーはエマニエルの前で自分を慰めた
マリーの質問は男性経験の話でエマニエルの男性経験は夫だけだ、マリーに刺激されたエマニエルはその夜に激しく夫を求めた
エマニエルはパリでは夫を裏切っていない、そうパリでは裏切ってはいない、パリからバンコクにくる途中の飛行機の中で目の合った男を誘惑していたのだ
男はエマニエルの座席の隣に座った、胸元をはだけスカートを捲られて飛行機の座席での行為、乗客は眠っているとはいえ、見られるかもしれない状況は快感だった
やはりエマニエルの行為は覗かれていた、その後に覗いていた男はエマニエルをトイレに抱きかかえて連れ込み、その男ともトイレで激しい行為をしたのだった
バンコクの庭園でのパーティでマリーはマリオという初老の男を紹介、彼は社交界でも特異な存在、性の哲学を探究しているマリオに不快なエマニエル
エマニエルはそのパーティでビーという女性と知り合う、次の日にはビーは仕事に発掘の現場へ、エマニエルもそれに着いて行き、初めての外泊で性に大らかな夫も嫉妬
ビーと関係を持つエマニエルだったがそれは一夜限りの出来事、ビーにフラれたエマニエルはショックで涙を流し、夫にも慰められる
夫の薦めもあってエマニエルも性に開放的になりマリオと会う事になった、しかも2日間マリオと2人きりでそれは夫も了承している
マリオは文明人の性というのは複数の性行為だと、単数ではなく2人以上の複数行為で、それも時や場所を選ばない、そうした性の中にこそ真の喜悦を発見していくべきである、それが彼のテーゼ
エマニエルはマリオにとって哲学を実践するにはまたとない素材、食事の後、彼はエマニエルに己の主張を説き、さまざまな場所でさまざまな男たちと関係を持たせようとする事にした
店を出てマリオは道で酔っ払いを見付け、馬車で酔っぱらいにエマニエルの脚を触らせる、嫌がるエマニエルだったが下半身を触られ次第に感じてしまうが、下着を脱がされた所で終わり
次はアヘンの巣窟へ、そこでマリオは性を解く、エマニエルはマリオにけしかけられたタイ人2人に弄ばれる、抵抗はするものの受け入れて快楽に溺れる
次に賭博場に連れて行かれてそこでのタイボクシングの勝者にエマニエルは与えられる、マリオと観客に観られながらの勝者とのプレイ
こうした恥辱としか言いようのない体験の後、エマニエルの表情は不思議とさわやかだった、マリオという性の自由の世界に魅せられつつあったのかもしれない、開放的な異国情緒の中で急激に目覚めていくエマニエル‥
《感想》
エマニエル夫人のレビューをする人なんているのでしょうか?(笑)、過去のソフトポルノ作品の中では一番有名な作品ではないでしょうか?
原作は1960年代のポルノ小説、筆者とヒロインが同じ名前ということは自らの体験に基づいて書かれたものでしょうか?
シルビア・クリステルのキャスティングは最初は仕方なく決めたそうです、この頃はまだまだ新人で監督はベテランを使いたかったみたいですね
オープニングとエンディングに鏡に向かって化粧をするのですが、オープニングはまだまだあどけない表情のエマニエルですが、エンディングには性の開放で見事に官能的な表情
パリからバンコクに向かう飛行機の中で男を誘惑するシーンは素晴らしくエロいです、まさに私はあなたとしたいと誘っています、男にとってはたまりませんね
座席では他の男に覗かれての行為、これもエマニエルの刺激となって覗き男ともトイレで2回戦開始、他の乗客には迷惑ですね、それとも見られたかったのかも
本当にパリでは浮気したことがないのでしょうか?こんな場所でする女なのに、彼女が性に開眼する何かがパリとバンコクの間にあったんでしょうか?
しかしエマニエルもバンコクでマリオに出会ってしまった事で性の扉を開いてしまい、夫と飛行機の中の2人の男だけの経験だったはずが、タイ人らに強引に抱かれてしまいます、特に酔っ払いに脚を触られるシーンはエロかった、もう少し観たかったですね(汗)
こんな素敵なボディを持ってるのに服で隠してしまうのは罪ってもんですよ、世の女性たちも自信を持って男の視線を浴びて見られる快感を得ましょう そして晒して下さい
ジャンとエマニエルの住む家はタイの王子の別宅を使わせてもらったとか、しかし内容が性的なものでアヘンも扱われるのでタイ政府はなかなか撮影に許可を出さずクルーはゲリラ撮影をしたらしいです
このアジアンチックな雰囲気での籐のイスに座るシルビア・クリステルは強烈に印象に残ってますもん、あのイスをどこかで見付けるとつい本作を思い出してしまう(笑)
普通の行為から、同性愛や野外での行為に、複数プレイや見せ物となって性行為と思いつく全てを描いていると思います、まったく当時には性の教科書とも言えるのではないでしょうか?、当時はレイティングがなかったようでソフトポルノの古典ですね
洗練されたエロティシズムを官能的に描き、全世界で一大ブームを巻き起こしたヨーロピアン・エロス・シリーズの第1作目 それが『エマニエル夫人』です。
今観ても、センセーショナルだと思います フランス人ってみんなこんなの? ヨーロッパの映画はかなりフリーセックスなイメージがあります。
更に過激な続・裏237号室の『エマニエル夫人』のレビューはこちらです!