『ヒッチハイク』
1977年 イタリア
《スタッフ&キャスト》
監督 パスクワレ・フェスタ・カンパニーレ
脚本 オッタビオ・ジェンマ/アルド・クルード
撮影 フランコ・ディ・ジャコモ
音楽 エンニモ・モリコーネ
出演 フランコ・ネロ/コリンヌ・クレリー/デヴィッド・ヘス/ジョン・スタイナー/ジョシュア・シンクレア/ペドロ・サンチェス
《解説》
それは悪夢の一日だった…
「O嬢の物語」でデビューしたコリンヌ・クレリーがすさまじいレイプ・シーンと、ラストのあっと驚く結末が話題になったサスペンス・アクション、キャンピングカーでアメリカを旅する夫婦が、見知らぬ男のヒッチハイクに応じる、ところが、その男は、200万ドルの強盗殺人犯だった
突然の訪問者による恐怖を、アメリカの広大な風景の中で展開させ、エロスとバイオレンスが配分された作り、描写のエグさ、夫婦仲が冷めきっている設定はマイナスに転化させる結末も、アメリカ映画にはないらしさ
《物語》
イタリアの新聞記者ウォルター・マンチーニはセクシーな妻イブと取材を兼ねてアメリカ中をキャンピングカーで旅をしていた、結婚9年目の2人は何かにつけて反発し、倦怠期を向えて冷えきった関係の夫婦だ
毎夜貪るようにセックスをするがしかし、この旅行で関係が修復されることもなく、それどころか酒に溺れ暴力的になるウォルターの挙動がイブの気に障りまくる
そんな空しい旅の途中、互いに気遣いもせずに一言も喋らなくなった最悪の状況下の時に裏寂しい砂漠のハイウェイで1人の男が親指を上げた
ウォルターが制止するにも関わらず車を止めるイブ、イブは見知らぬ男のヒッチハイクに応じる、陽気な若い男はアダム・コーニッツと名乗った
最初は陽気な青年を演じていた男だったがラジオで付近で起こった強盗殺人事件のニュースを伝えた、それが前触れでアダムは豹変、アダムは警官2人を殺して200万ドルを強奪した逃亡中の強盗殺人犯だった
銃を突き付けられたウォルターはなす術がない、アダムの目はセクシーなイブへ、スカートを捲り上げて太ももを撫でまわし更に奥へと手を伸ばす
ウォルターは成すすべなくそのままキャンピングカーをアダムの言うがままに走らせ、ウォルターとイブは人質となってアダムの逃走を手伝う格好になった
夜になり、手足を縛られ身動きのできないウォルターの目の前で乱暴されるイブ、感じたくない意志とは裏腹に突かれるたびに悦ぶ肉体にイブは歓喜の声を上げた
官能に激しく震え悦ぶイブをウォルターはただ唖然と見つめるしかなかった、その肉体は心ならずもアダムを求め絶頂へと導かれる、アダムとイブはトレーラーの中に姿を消し、ウォルターを外に置いたまま激しいセックスに耽る
その隙にウォルターは縄を切ろうとしたが、アダムがウォルターの胸に銃を突き付けた、次の瞬間、トレーラーの出入り口からイブがアダムに向けてライフルを撃った、胸を撃ち抜かれたアダムはその場に崩れ落ちた
自由の身となった2人はアダムの死体と200万ドルを持ったままキャンピングカーを走らせる、しかし2人の間には微妙な空気が流れる、ウォルターはイブがアダムとのセックスで悦楽の表情を浮かべた事が頭に焼き付いていた
ドライブインで休憩した後に後方からドライブインにいた若者たちがバイクでウォルターの運転の邪魔をし、カーブでキャンピングカーは崖下に転落、若者たちはウォルターの胸ポケットに入っていた300ドルを狙っていたのだ
300ドルを奪い200万ドルに気付かずに逃げていく若者たちを尻目に、ウォルターは瀕死のイブをアダムの死体の横に置き、ガソリンを撒くと満足げに火を点けた
200万ドルのケースを持ってウォルターは道路に立って片手を上げてヒッチハイクをするのだった
《感想》
200万ドルを強奪した情け無用の凶悪犯に翻弄され精神、肉体共にギリギリまで追い詰められる夫婦を描いています、なんであんなに簡単に男を乗せたのでしょうね、イブはウォルターと2人っきりってのが耐えられなかったのでしょう
ヒロインのイブを演じるのはフランス出身の美人女優コリンヌ・クレリーで凶悪犯アダムに襲われ、夫の目の前で陵辱の限りを尽くされるという役で、処女作で世界的なヒットの「O嬢の物語」と共に代表作となりました
夫ウォルターは「続・荒野の用心棒」のフランコ・ネロが演じ、凶悪なヒッチハイカーのアダムには「鮮血の美学」のデヴィッド・ヘスが扮しています、どちらも個性的です
初めて観たのは子供の頃にテレビで観ました、かなり衝撃的でした、子供ながらに見てはいけないもの見たような気がしました、それ以来観る機会が無くDVDを購入してしまいました
夫のウォルターに銃を向けながらスカートの捲れたイブの太ももを撫でるシーンを観た時に子供ながらにコリンヌ・クレリーのパンティにドキドキしながらもその後の展開にハラハラしたものです
焚き火を囲んで縛られた夫の前で暴行シーンも期待した以上に興奮したもんです、イブは乱暴されながらも夫に悲しみの視線を向けながらも反応してしまう身体にその悦楽の表情がエロい
倦怠期でおそらく満足なセックスもしていなかったでしょうイブは久しぶりの猛々しい男に反応し、悦んでしまうんです、それにウォルターの視線も快楽のスパイスにしか過ぎません、最初の拒んだ顔から一転して悦楽の表情はエロかったです
イブは夫に見られることで余計に興奮したのでしょう、それを見るウォルターは複雑な心境があったと思います、冷え切ったとはいえかつては愛していた妻が目の前で凌辱されているのです、涙を流しているようにも見えますがウォルターの中では愛する妻が知らない男に乱暴され逆に興奮していたのでは?
シルビア・クリステルよりもコリンヌ・クレリーに心惹かれる青少年もいたことでしょう そのコリンヌ・クレリーが激しく乱暴されるというのが目玉になっていたこの作品、無駄に裸が多くてサービス満点です
撮影時にスタントマンが死亡したと言われるカーチェイス・シーン、撃たれた警察官のヘルメットから脳ミソが飛び散る壮絶バイオレンス・シーン等、戦慄映像満載です
それにあのラストはおいらの心に衝撃を植え付けてくれましたよ、いまだにトラウマ映画ですよ、最初から最後まで強烈なインパクトを残してくれました
夫の目の前で…!犯され、恥辱され、弄ばれる衝撃作 それが『ヒッチハイク』です。
昔はこんな映画がゴールデンタイムに放送してたんですね 今なら深夜でも難しいと思います。
更に過激な続・裏237号室の『ヒッチハイク』のレビューはこちらです。