死んでもいい | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『死んでもいい』

 

 

 

 

 

1992年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 石井隆

 

原作 西村望

 

撮影 佐々木原保志

 

音楽 安川午朗

 

 

 

出演 大竹しのぶ/永瀬正敏/室田日出男/奥村公延/田中忍/賀田裕子/小形雄二/清水美子/岩松了/竹中直人/飯島大介/速水典子

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

愛しい彼が殺しにくる、私の大切な人を

 

気ままな旅を続けていた青年が人妻にひと目惚れしたことから始まる愛憎入り交じる三角関数を描く、西村望の「火の蛾」を原作に、「天使のはらわた 赤い眩暈」の石井隆が監督・脚本を担当

 

主人公・名美には名優・大竹しのぶ、彼女に一目惚れする青年・信に永瀬正敏、石井隆監督初の劇場用一般映画でありながら、大竹しのぶはキネマ旬報主演女優賞をはじめ多くの賞に輝いた

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

気ままな生活を送る平野信は改札を出た直後に土屋名美と軽くぶつかった、信は彼女の後をつけて職場である不動産屋に訪れた、名美の夫で社長の土屋英樹にアパートを借りると同時に就職も直訴して何とか採用される

 

 

アパートに暮らしながら働き始めて数日後にモデルルームに行ったまま帰らない信を土砂降りの中、名美が捜しに行くとそこに信はおり、おもむろに服を脱ぎ出した

 

危険を感じた名美は逃げようとするが捕まり、抵抗もむなしく信に犯されてしまう、欲望を吐き出した信は突然少年のように泣き出し、それを見た名美は怒りや悲しみよりも彼を受け入れてしまう

 

 

信にモデルルームの玄関の鍵を掛けさせて2階のベッドで濃厚なセックスを始めた、行為を終えた後に信を捜しに土屋がモデルルームにやって来て裏から中に入って来た

 

 

名美は咄嗟にベランダに隠れ、信はベッドで眠ってしまったと言って何とか逃れる事が出来た、土屋は暖簾会の研修旅行に社員旅行も兼ねて温泉に行く事になった

 

みんなが宴会する中、名美は不安に苛まれて一人部屋で食事、そこに酔った土屋を信が運んできた、真夜中に目を覚ました土屋は名美がいない事に気付いた

 

土屋は名美を捜し、信の部屋にもいなくて旅館を捜し回ると混浴風呂で名美と信を見付けた、一緒に温泉に入っている二人を見て激怒、信は言い訳をするも土屋はその場で信をクビにした

 

しばらくして名美は信の居所を探し出し、彼の事を愛してしまった名美は自分の生い立ちを語り話し込む、そこで名美は土屋に生命保険を掛けている事を話した

 

名美が帰った後に信は強盗殺人に見せかけた保険金殺人を思い付く、後日に名美に計画を話して合図を決めた

 

 

その後に名美は土屋から夫婦をやり直す為に思い出の場所に泊まる事を告げられて喜んだ、しかし名美は信の計画を思い出して不安になってしまうのだが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

駅の前で偶然ぶつかった女性に目を付けて、結果的にその女性を暴力で我が欲望を満たす、しかしその行為の後には泣き出してしまうおかしな男が主人公なんです

 

その主人公の平野信を演じるのが永瀬正敏です、特に何もない信は当てのない旅をしているような男なんですが、その女性・土屋名美を見た事からその町に留まるんです

 

 

土屋名美を演じるのが大竹しのぶです、最初のオファーの時に「こういう役はあと5年ぐらいしか年齢的に出来ないかもしれない」とオファーを受けたそうです

 

 

本作の監督の石井隆は元々は劇画漫画家で自作の劇画「天使のはらわた」が日活ロマンポルノで映画化され、その2作目の「天使のはらわた 赤い教室」から脚本家として参加しています

 

1982年に本作の脚本を石井隆は依頼され、関根恵子主演で池田敏春監督で映画化の予定でした、西村望の原作「火の蛾」は実際に起きた殺人事件で、死ぬのを分かっているのに炎に飛び込んでしまう蛾の習性を男と女の性に喩えたものです

 

しかしその後に関根恵子は高橋伴明監督と結婚したことで関根恵子はヌードを拒否した事で白紙となりました、1989年に樋口可南子主演で相米慎二監督となり石井隆は脚本を大幅に変更するも、クランクイン2日目に樋口可南子が解釈が違い過ぎると降板

 

1992年になって大竹しのぶと永瀬正敏で石井隆に監督の声が掛かり、10年越しの企画がようやく映画化となりました、大竹しのぶもヌードも辞さないラブシーンがマスコミに過度に取り上げられました

 

 

でも大竹しのぶのラブシーンもそこまで過激でもないです、最初は永瀬正敏演じる信に暴行されるのですが、名美は泣く信を受け入れてベッドで再びセックスとなるんです

 

 

そこに名美の主人の土屋英樹がやってくるんです、信は眠ってしまったと言うのですが土屋は女がいた事もベランダに女が隠れていた事も気付いていたんです、でもまさか相手が自分の妻だとは思わなかったのでしょう

 

 

結局は土屋にバレてしまって信は仕事をクビとなるのですが、名美は自分から信を捜して再会となるんです、暴行から始まった関係なんですが、今度は自分から信を求めるなんて女心は分からないですね

 

 

 

 

 

 

鬼才・石井隆が描く究極の愛のシーン それが『死んでもいい』です。

 

 

 

 

 

この頃の石井隆監督はまだ少し控え目な演出のような気がしましたね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な続・裏237号室の『死んでもいい』のレビューはこちらです。