死霊伝説 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『死霊伝説』

 

 

 

 

 

1980年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 トビー・フーパー

 

原作 スティーブン・キング

 

脚本 ポール・モナシュ

 

撮影 ジュールス・ブレンナー

 

音楽 ハリー・サックマン

 

 

 

出演 デイヴィッド・ソウル/ジェームズ・メイソン/ランス・カーウィン/ボニー・ベデリア/リュー・エイヤース/ジョージ・ズンサ/レジー・ナルダー/バーバラ・バブコック/マリー・ウィンザー/エリシャ・クック・Jr/エド・フランダース/ジェフリー・ルイス/フレッド・ウィラード

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

ゴシック吸血鬼映画の集大成

 

「キャリー」「シャイニング」などで知られるホラー小説の巨匠スティーブン・キングの「呪われた町」を、「悪魔のいけにえ」の鬼才トビー・フーパーが監督、墓・柩・十字架と吸血鬼映画としての雰囲気も満点

 

当初は2時間・3夜放映のテレビムービーとして制作されながら、ホラーとしてのクオリティの高さに再編集して公開された本作、その劇場版より約72分長いテレビムービーのノーカット版、数あるキングのホラーの映画化の中でも最高峰と目されている

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

メーン州セイラムズ・ロット、作家として成功したベン・ミアーズは故郷のこの町に戻り、マーステン館という丘の上に建つ家を眺めていた、セイラムズ・ロットは人口2013人の小さな町

 

 

その後に街を出てラリー・クロケットの不動産屋にマーステン館を借りたいと申し出るがすでに売却済みと断られ、従業員のボニーにエバ・ミラーの下宿を勧められた

 

 

この20年空き家だったマーステン館だがリチャード・ストライカーが最近この町に来て骨董品店を開店するためにマーステン館を購入した、共同経営者のバーロウは近日中には到着予定らしい

 

 

野外でスケッチをしながらベンの著書を読んでいた美術教師のスーザン・ノートンに声を掛けたベンは彼女を夕食に誘った、夜になりマーステン館を見ているとストライカーと遭遇し挨拶、警察官のパーキンズにはベンは怪しく見えた

 

 

夕食に招待されたベンは食後にスーザンと湖にドライブに行き、次にマーステン館を題材にした小説を考えていると話してスーザンに告白して交際することになった

 

 

翌朝、ストライカーはラリーを呼び出し、今夜埠頭に届く食器棚を受け取って、マーステン館の地下に運んで厳重に施錠しておいて欲しいと依頼する

 

ベンはかつての恩師のバーグを訪ねて学校へと向かい、その夜にベンはバーグと食事をしながらマーステン館の話しをした、ベンは子供の頃にすでに空き家だったマーステン館に忍び込みそこで幽霊を見た、首を吊ったヒュービー・マーステンの姿を

 

最初に館を建てたボーンは妻と使用人を殺害して自殺、ヒュービー・マーステンの妻と妹も謎の死、マーステンが住むと町の少年が数人、姿を消した、証拠は何も無い、ベンは邪悪な家は邪悪な人間を引き寄せると説明

 

ラリーは運送業のカリーを雇い、カリーは友人2人を雇って木箱に入っていた食器棚を運んでいたがあまりの重さと冷たさに館の地下で開けようか考えたが止め、施錠をせずに去った

 

 

その頃、森を歩いていた兄弟が何者かに襲われる事件を皮切りに町では次々と怪奇な事件が発生する

 

 

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

元々はテレビムービーとして制作された作品で183分の3夜連続の作品なのですがそれが日本公開では111分の編集版が公開されてさすがに72分もカットされているので意味が分からなかったですね

 

 

原作は「シャイニング」のスティーブン・キングの「呪われた町」で分厚い小説です、それを「悪魔の沼」の鬼才トビー・フーパーが映像化しました、テレビムービーとはいえショッキングな描写はさすがトビー・フーパーです

 

主人公のベン・ミアーズを演じるのはデイヴィッド・ソウル、彼は故郷であるセイラムズ・ロットに戻り、丘の上にあるマーステン館の幼い頃の恐ろしい記憶の謎を解明しようと戻ってきたんです

 

 

そのマーステン館はいわく付きで家主が自殺や殺害されたり行方不明、それにマーステンが複数の子供を拉致していたという噂もあったんです

 

そのベンと良い感じになるスーザン・ノートンを演じるのがボニー・ベデリア、美人の彼女に言い寄る男は他にもいてベンは逆恨みされたりするんです、ちなみに彼女の甥にマコーレ・カルキン

 

 

面白いのはラリー・クロケットが経営する不動産店で勤務する従業員のボニーと不倫関係にあったんです、リチャード・ストライカーが依頼した仕事を運送業のカリーに頼むんです

 

 

なんでカリーに頼んだかと言うとボニーはカリーの妻なんです、カリーが食器棚を運んでいる間にラリーはカリーの家に入って情事に耽るんです、でもそれはカリーも怪しんでいて仕事を友人2人に頼んで家を見張っているんです

 

ラリーとボニーが行為に及んだところでライフルを持って不倫現場に乗り込むんです、驚いた2人は見苦しい言い訳をするんです、ボニーは乱暴されたと言い、ラリーは彼女が誘惑してきたと苦しい言い訳

 

 

カリーはライフルをラリーの目の前で引き金を引くんです、ラリーは慌ててパンツ一丁で家の外に飛び出して逃げるんです、そこに何者かが襲い掛かるんです

 

 

ラリーがストライカーに頼まれた食器棚の中には吸血鬼が入っていたんです、それがしっかりと施錠しなかったせいで外に出てしまうんです、これが想像する紳士的な吸血鬼ではなくてまるでモンスター

 

 

ベンはその吸血鬼の謎に挑んで真相を突き止めようとするんです、その時にはすでに少年が餌食となっていて吸血鬼となってしまっているんです

 

 

しかし柩に眠る吸血鬼や胸に打ち込まれる杭なんかは吸血鬼映画の醍醐味ですね、長い作品ですが見応えありましたよ、トビー・フーパーやスティーブン・キングを語る上では外せない作品です

 

 

 

 

 

 

現代に甦ったヴァンパイア、巨匠スティーブン・キング×鬼才トビー・フーパーのホラー最高峰 それが『死霊伝説』です。

 

 

 

 

 

一味違うヴァンパイア映画です、ラストは意外と納得の作品でした