悪魔の沼 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『悪魔の沼』





1976年 アメリカ





《スタッフ&キャスト》


製作 マーディ・ラスタム

監督・音楽 トビー・フーパー

脚本 アルヴィン・L・ファスト/マーディ・ラスタム

撮影 ロバート・カラミコ

音楽 ウェイン・ベル



出演 ネビル・ブランド/メル・ファーラー/マリリン・バーンズ/ウィリアム・フィンレイ/キール・リチャーズ/クリスチン・シンクレア/ロバート・イングランド/ジャナス・ブリス/ロバータ・コリンズ





《解説》


「悪魔のいけにえ」に続いて鬼才トビー・フーパーが放った、ブルータルでスプラッターな問題作!

アメリカを震撼させた「テキサス連続失踪事件」を元に、血しぶきと絶叫の連続で描く狂気と殺戮の世界!

テキサスで起きた連続失踪事件を追求していた警察は、あるモーテルを捜査し庭の池をさらっているうち、人間のものとおぼしき髪や爪や肉片を発見した そして、その池で飼われていたのは巨大なワニだった

アメリカを震撼させたこの猟奇実話が、鬼才トビー・フーパー監督によって映画化された トビー・フーパーの名を一躍有名にした「悪魔のいけにえ」の底知れぬパワーを秘めた恐怖は、チェーンソーの身の毛もよだつ唸りと、人間のものとは思えぬ女の絶叫は、観客を完膚なきまで打ちのめし、恐怖のどん底におとしいれた





《物語》


若い男バックとの行為を拒否したために売春宿を追い出された家出娘のクララ、行くあての無いクララを気の毒に思った従業員のルビーは金を渡し近くのホテルに泊まるように勧める




テキサスの片田舎で林の中を彷徨っていると、1軒のホテルがあらわれた、朽ち果てた廃屋のような木造ホテルだ




ホテルには隣接して金網に囲われた沼がある、そのホテルの主人はジャド、中年で義足の足を引きずり、長い髪の間から欲情に充血した目が不気味に光る

ジャドはクララを部屋へ案内するが売春宿から来た事を知ると態度が豹変、関係を迫りブラウスを引き裂き階段から突き落とした、追い詰められたクララは鋤でメッタ刺しにされ絶命、クララをジャドは沼に投げ入れた、現れた巨大なワニがクララを水中に引きずり込んだ



そして新たな客がやってきた、ロイとフェイの若い夫婦に6歳の娘アンジーとペットの犬、ロイがトイレに行くとその犬が金網の中に入りワニに食べられてしまった、ショックを受けたアンジーを2人は部屋に運び入れて落ち着かせた

そこにまた1台の車が到着した、ハーベイとリビーの父娘は1枚の写真をジャドに見せた、そこにはクララが写っておりハーベイはクララの父親でリビーは姉、しかしジャドは知らないと言うがそんな態度に疑問を感じながらも2人は保安官を訪ねに町に向かった



ロイは犬を襲われたことで気が動転していた、ライフルを車のトランクから持ち出し沼に撃ち込んだ、そんなロイの後ろからジャドが大鎌を振り回しロイを血祭り、沼からあがってきたワニに沼に引き込まれた



この殺戮で興奮したジャドはバスルームのフェイに暴行をする、床にねじ伏せてベッドに縛り付けて監禁、これを見たアンジーはジャドから逃げ、床下に入り込みなんとか逃れた



保安官のマーティンに送られてハーベイがホテルに戻ってきた、彼はアンジーの泣き声をかすかに聞き床下を覗きこんだ瞬間、大鎌を首に刺され苦しみながら死んだハーベイをジャドはワニの餌食にした

ハーベイの血の始末をしていると町の若者バックが恋人のリネッティを同乗させて来た、部屋を無理矢理借りて2人は情事を始める

しかし隣室に縛られているフェイが恐怖のあまりたてる激しいベッドの軋みに業を煮やし、バックが階下へ降りるとアンジーの泣き声を聞いた、彼は忍び寄ったジャドに沼に突き落とされワニに襲われてしまう



バックの叫び声を聞き、食い殺される現場を見たリネッティは悲鳴を上げて森に逃げ、ジャドは追いかけるも通りがかった車に運良くリネッティは救われた



妹の捜索に疲れたリビーが泊りにきた、部屋に入って服を脱いで休む彼女は物音に気付きホテルを調べると縛られたフェイを発見して縄を解いて助けた

2人はアンジー救出の為に階下に行くが、そこにはジャドが薄ら笑いを浮かべて大鎌を振りかざし襲い掛かってきた…








《感想》


やはりと言うか当然と言うか「悪魔のいけにえ」には及びませんね、大鎌振り回してもチェーンソーの迫力にはかないません、しかしハリウッド作品を撮るだけでも凄いです

この時期のトビー・フーパー作品はだいたい観てるんですが、本作だけはなかなか観る機会がなかった、でもネビル・ブランドの演じるジャドはインパクトはありました



不潔だし、女と見ればセックスの対象のようで嫌悪感だけはバツグンです、それにワニを飼ってる異常さもあります、毎回、客を餌としていたのでしょうか? アメリカ映画にはよくある光景ですね

面白いかどうかは別にして観れてよかった、胸の支えが取れた感じ、噂のロバート・イングランドも見れたしね(笑)



感想としてはフーパーはセット撮影は慣れてなかったね、この時期はロケで勝負するべきやったね、それに照明も意味がわからない、森の中を逃げるシーンも、「悪魔のいけにえ」の同じシーンの方が1000倍くらい怖い



それでもワニに人間を食べさせてしまうのは思いついてもなかなか出来ませんよね、残酷極まりないです、こんなでかいワニを一般人が飼えるなんて

それに想像してたよりヌードなシーンが多かったです、少しビックリでした、それにこんな寂れた道外れのホテルなのにけっこう客が来るのね(爆)



「悪魔のいけにえ」の次の作品なので酷評されてますが本作も残忍極まりない良作だと思いますけどね、トビー・フーパーもいつも比べられて大変ですね

 

この展開ならもっとえげつないものやエロいものが撮れたはずなんですけど、やはりハリウッド作品となって色々と事情があったのかもしれませんね





あまりに異様な大虐殺!あまりに凄まじいその手口!恐怖と絶叫の連続に見る、地獄の底の、本当の地獄を! それが『悪魔の沼』です。





DVD特典映像にロバート・イングランドが淡々と語ってます、あのフレディー・クルーガーが(笑)、作品内でもイイ味出してます