『ピラニア』
1978年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョー・ダンテ
脚本 ジョン・セイルズ
撮影 ジェイミー・アンダーソン
音楽 ピノ・ドナッジオ
出演 ブラッドフォード・ディルマン/ヘザー・メンジース/ケヴィン・マッカーシー/キーナン・ウィン/ディック・ミラー/バーバラ・スティール/ポール・バーテル/ブルース・ゴードン/ベリンダ・バラスキー/メロディ・トーマス・スコット/シャノン・コリンズ
《解説》
ついに河に入った!もう、誰も逃げられない!
食肉魚であるピラニアが突然北米テキサスの山間部に出現したことから起こる人間とピラニアの戦いを描くサスペンス映画、製作総指揮はロジャー・コーマン、製作は元日活女優の筑波久子がチャコ・バン・リーウェンの名で担当
ジョー・ダンテ監督の原点ともいえる動物パニック映画、いわゆる「ジョーズ」の亜流を狙った企画だが、しっかりとした脚本の構成や、低予算を逆手に取ったサービス旺盛な演出によってあなどれないB級テイストを堪能できる作品に仕上がっている
《物語》
真夜中にキャンプにやってきた若いカップルが山間部の立ち入り禁止区域の施設に好奇心から侵入、中にあったプールで泳ぐカップルだったが2人は何かに襲われて沈んで消えてしまった
女性調査員のマギーは失踪したカップルを捜しに山に詳しい案内人のポールと共に現地に赴いた、そこで現在は封鎖されている研究施設を発見
その施設の中には不気味な標本がズラリと並んでいる、そこでプールにカップルの荷物と衣服を見付けたマギーはプールの水を河川に放水した
そこに施設で研究をしていたホーク博士が現れて止めに入るが水は全て放水してしまった後、プールの底には動物の骨や人間の骨と思われる物が無数にあった
ホーク博士によると恐ろしい事をしてくれた、皆殺しになると言うばかり、プールの中にいたのはピラニアでそれもベトナム戦争の兵器として開発していた毒性にも強い巨大ピラニアで繫殖力が強く、おそらく数千に増えている
しかも今は水位の調整で二日おきにダムの放水をする、川下で子供たちがサマーキャンプをしている、すぐに知らせなければと三人はイカダで川を下るが途中ですでにピラニアの犠牲になった人がいた
父親をピラニアに襲われて転覆したボートに辛うじて乗っている少年を発見し、助けるためにホーク博士は川に飛び込み少年を助けるがホーク博士はピラニアの犠牲となった
イカダもピラニアに襲われてバラバラになってしまい、何とか岸へと辿り着きダムまで走り放水をストップ、マギーとポールは軍隊を呼んでピラニア退治に毒を撒く
しかしダムには支流があり結局ダムの下流にピラニアが向かう、しかし軍は漏洩を恐れて事態を隠蔽しようとするが、下流ではピラニアの餌食となる人々が出ていた…
《感想》
この作品もスティーヴン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」の真似をした数ある動物パニック映画の1本かと思ったら、それは上手く出来ていました
大きいサメではなくて小さいピラニアにしたのは良かったですね、それに小さいけど数は恐ろしいくらいいるのでサメのように1匹殺せば終わりってわけではないですからね
監督のジョー・ダンテは見事な手腕を発揮しましたね、ロジャー・コーマンの元で編集者として修業をして前作のコメディ映画に続いて本作を撮ったようです、コメディよりホラーが向いているようですね
おいらの子供の頃の記憶では真夜中にやってきたカップルが放水したように記憶してたのですが、実際は違ってました、女性調査員のマギーと案内人のポールがやってしまったんです
カップルはプールで泳いで食べられちゃったんですね、久しぶりに観るとなんか記憶違いがあって自分の記憶がうろ覚えだったりするのですね
やはりピラニアが何十匹や何百匹で人間を襲うシーンはサメがガブリと一口で食べるのより残酷に見えました、体の肉を少しずつ取られていくのですからね
主人公のマギーを演じるのはヘザー・メンジースで、ポールを演じるのはブラッドフォード・ディルマン、この二人の失態で軍用ピラニアが一般の河川に放流してしまったんです、よくやったね(笑)
ホーク博士を演じるのはケヴィン・マッカーシーで、最初はちょっと悪役なのかと思いましたが少年を助けるために自らを犠牲にするなんてね、こんな武器を作ってしまった罪滅ぼしでしょうか
それでも軍はこんな兵器を隠蔽しようとして事態はさらに悪化してしまうなんてよくある事です、こんなの毒を撒いても死ななそうなのに隠蔽しながらの駆除は無理ですよ
こんなホラー映画にもベトナム戦争の影が現れるなんてアメリカ人にとってベトナム戦争はそれほどの悪夢だったのかも知れませんね、開戦した奴らはどんな思いでいるのでしょうか?
断末魔の叫びがこだまして、緑のリゾート・エリアは一転血の海地獄へ! それが『ピラニア』です。
製作の筑波久子ことチャコ・バン・リーウェンは続編の「殺人魚フライングキラー」にも名前があります

















