『ジョーズ』
1975年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 スティーヴン・スピルバーグ
原作 ピーター・ベンチリー
脚本 ピーター・ベンチリー/カール・ゴッドリーブ
撮影 ビル・バトラー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 ロイ・シャイダー/ロバート・ショウ/リチャード・ドレイファス/ロレイン・ゲイリー/カール・ゴットリーブ/マーレイ・ハミルトン/ジェフリー・クレーマー/スーザン・バックリーニ/ジョナサン・フィレイ/クリス・レベロ/ジェイ・メロ/テッド・グロスマン/ピーター・ベンチリー
《解説》
スティーヴン・スピルバーグの名を一躍世に知らしめた海洋パニックサスペンス!
平和な海水浴場に突如出現した巨大な人食い鮫、観光地としての利益を求める市当局によって対応が遅れ犠牲者の数は増すばかりとなるが、遂に警察署長ブロディと漁師クイント、海洋学者フーパーの3人の男が鮫退治に乗り出す
ピーター・ベンチリーのベストセラーを若きスティーヴン・スピルバーグが映画化した不朽のメガヒット・ムービー
《物語》
6月のある夜、海水浴場アミティの浜辺には若者たちが焚火を囲んでビールを飲んで楽しんでいた、女子大生のクリシーは目当ての男の子を誘って砂浜を走り出した
クリシーは服を脱ぎ一糸まとわぬ姿で夜の海に飛び込んで沖へと泳いだが男の子は砂浜で酔いつぶれて眠り込んでしまった、やがてクリシーは何かに足を引っ張られる衝撃に襲われ、次の瞬間にクリシーの叫び声は海の中へと消えていった
翌朝、アミティの警察署長のブロディの家に死体が上がったと電話があり直行したブロディはその無残な死体を見て報告書にサメに襲われ死亡と書いた
ブロディは海岸に遊泳禁止の立札を立てようとするが市長のボーンはアミティの収入源のほとんどは夏の海水浴場で封鎖は死活問題で死因はサメではなく漁船のスクリューだと主張し検死官も証言を翻した
次の日の日曜日、大勢の人が浜辺で楽しんでいたがゴムボートで遊んでいた少年が2人目の犠牲者となった
少年の母親は3000ドルの賞金を出すと新聞広告を出し全米中からサメ退治に名乗りを上げる、そんな中、依頼した海洋学者のフーパーが現れ、クリシーの遺体を調べサメの仕業だと、しかもかなり巨大なサメだと
沖合に群がった漁船の一隻が4メートルのサメを仕留めたがフーパーは小さすぎるとサメの腹を裂いたが人間の肉片は発見されなかった
フーパーの調査船で捜索に出た2人は壊れた漁師の船を発見、潜ったフーパーは漁師の死体を発見する
翌日は海開きで続々とアミティに海水浴客がやってきたが2人は市長にホオジロザメがいるので海を封鎖する必要があると申し出るが利益優先の市長は拒否し海開きを実施
しかしサメは入り江に入りボートに乗っていた青年を襲い3人目の犠牲者となる、それにブロディの息子も危うく襲われるところだった
海岸は封鎖され漁師のクイントを雇い、彼の漁船オルカ号にブロディとフーパーの3人でサメ退治に出発するが、数時間後に全長8メートル体重3トンという巨大なホオジロザメが姿を現した
《感想》
とにかく知らない人はいないほどのメガヒット作品です、この作品のおかげでサメのことをジョーズと呼ばれるようになりました、本作でスピルバーグの名は全世界に知れ渡りましたね
テレビ作品の「激突!」が評価が高くアメリカ以外では劇場公開されてそのサスペンスとアクションの演出を評価されたスピルバーグが「続・激突!」で劇場映画デビューを果たし、若干27歳で本作を作り上げました
女子大生のクリシー役を演じるスーザン・バックリーニがホオジロザメに襲われるオープニングが素晴らしい出来で一気に引き込まれます、彼女はプロダイバーのようですが足を引っ張られて溺れそうになったとか
クリシーのシーンから子供が襲われるシーンも青年が襲われるシーンもほとんどサメは姿を現しません、見せないことで恐怖の演出が盛り上がります
スピルバーグにしては全裸女性(ほとんど何も見えない)やバラバラの死体や食べられたり子供が犠牲になるなど珍しいシーンがあります、やはりまだまだ駆け出しの若さゆえの残酷シーンだったかな?
そしてサメが初めて姿を現した時の迫力の凄いこと!ここまで見せなかったのはこの一瞬の驚愕シーンのためだったんです、まさに天才的です
サメだけのパニック作品に留まらず、船上での男3人の人間ドラマでもあります、特にクイントが傷の話しから第二次世界大戦で広島に投下する原爆を運んだエピソードを話すシーンは日本人ならギョとします
4メートルのサメを仕留めて浜で漁師たちで盛り上がっている時に子供をサメに殺された母親が喪服を着てサメがいることを知っていたブロディをビンタするシーンがあるんです、このシーンは悲しんでいる人がいる横で笑うのは忍ばれるなと
そしてラストではブロディはサメ退治に大活躍するんですが原作ではサメは力尽きて死んでしまうんです、ラストを派手にしたことでスピルバーグは成功したと思います、原作もベストセラーですが「ジョーズ」はスピルバーグのものだと思いますもんね
おいらは90年代には「ジュラシック・パーク」、80年代には「E.T.」、そして70年代には本作でスピルバーグのこの3本は映画に革命を起こした3本だと思ってます
全世界を興奮の渦に巻き込んで巨大な『ジョーズ』がやって来る!
続編が3本ありますが本作以外は面白くなかったです、当時似たようなサメに襲われる映画や動物パニックものが流行りましたがB級の域を出ずに余計に本作の評価が高くなりましたね
更に過激な続・裏237号室の『ジョーズ』のレビューはこちらです