JSA | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『JSA』

 

 

 

 

 

2000年 韓国

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 パク・チャヌク

 

原作 パク・サンヨン

 

脚本 キム・ヒョンソク/チョン・ソンサン/イ・ムヨン

 

撮影 キム・ソンボク

 

音楽 チョ・ヨンウク

 

 

 

出演 ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンエ/キム・テウ/シン・ハギュン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

1999年10月28日午前2時16分、11発の銃声、2つの死体、共同警備区域で何が起こったのか

 

今も緊迫した関係が続く「南北の分断」をテーマにし、韓国の歴代興収記録を塗り替えた社会派エンタテインメントの大ヒット作品、北と南の兵士たちが、それぞれ友情の念を抱いたことから起きてしまう惨劇、そんな皮肉をあますところなくとらえることで、民族の怒りと悲しみを浮き彫りにさせた意欲作

 

南北分断の象徴である共同警備区域(JSA)で起こった射殺事件、生き残った南北の兵士たちは互いに異なる証言をする、中立国監督委員会は責任捜査官として女性将校を派遣、彼女は事件の真相に迫っていくが

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1950年、朝鮮戦争勃発、1953年、休戦協定調印、朝鮮半島の中央部に軍事境界線(38度線)という深い傷跡を残した、その線上に定められた(共同警備区域=JSA)では南北の兵士たちが対峙する緊迫した状況が今なお続いている

 

10月28日2時16分、韓国と北朝鮮を挟むJSAの北朝鮮側詰所で警備を担当していた北朝鮮人民軍将校のチェ・マンスと兵士のチョン・ウジンの2名が韓国軍兵士のイ・スニョクにより射殺される事件が発生

 

 

事態を重く見た韓国と北朝鮮の同意を得て、中立国監視委員会は真相解明に向けてスイス軍法務科将校の韓国系スイス人女性のソフィー・チャン少佐に捜査を依頼

 

 

韓国人の父とスイス人の母を持つソフィーはジュネーブ生まれで初めて韓国にやってきた、スイス軍のボッタ将軍はソフィーに最終目標は中立を保つ事、南北いずれも刺激してはならないと念を押される

 

 

ソフィーは容疑者であるスヒョクと面会するが上官のピョ将軍は北を2匹殺した英雄だと、スヒョクは鈍器で頭を殴られておりショックでこころここにあらずの状態

 

 

陳述書には事件当日にスヒョクは詰所のそばで用を足していたところを朝鮮人民軍2人に拉致されて北朝鮮側詰所に連れて行かれ、脱出のために発砲

 

銃撃戦となり足を撃たれて負傷しながらも詰所を脱出し、その後に応戦にやってきた韓国軍兵士たちに救出されたという、スヒョクと共に勤務していたナム・ソンシクも同じ証言をした

 

 

次にソフィーは銃撃戦で負傷した北朝鮮人民軍の兵士オ・ギョンピルに話を聞くと、スヒョクが自ら北朝鮮詰所に現れて発砲したとのこと、両者の証言の食い違いにソフィーは困惑するのだが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

これは相当悲しい物語でしたね、こんな作品を作れるのは韓国だけでしょうね、韓国軍と北朝鮮人民軍のJSAでの銃撃戦を描いた作品なのですが、この事件の裏には温かくて悲しい物語があったんです

 

 

スヒョクは用を足していたら拉致されて脱出のために発砲して銃撃戦となったと説明、ギョンピルはスヒョクが現れて突然発砲したと説明、食い違う説明なんです

 

でも実は2人とも実際とは違う証言をしているんです、これが謎が謎を呼ぶような感じではなく、すごく胸に沁みる展開となるんです、イ・ビョンホン演じるスヒョクが地雷を踏んでしまうんです

 

 

そこに犬を連れて現れたのが、「シュリ」のソン・ガンホ演じるギョンピルでまずは掴み合いのようになるのですが地雷を踏んでいる事に気付くと地雷を外してやるんです

 

そこから文通となるのですがギョンピルの同士が文通で誘うんです、そしたら本当にギョンピルが北朝鮮側詰所にやってくるんです、それには誘った本人もビックリです

 

やはり韓国にはアメリカ製品もあるのでギョンピルは羨ましいがるんです、ギョンピルにピカピカのジッポライターをプレゼントするのとアメリカ産は素晴らしいと、アメリカのポルノ雑誌を見せると、やはりアメリカ産を素晴らしいとね(笑)、チョコパイもね

 

 

スヒョクも後輩を連れて再び詰所に行くんです、こうして4人の交流が始まるんです、4人はこれが南北交流だと言って兄貴と呼ぶようになるんです

 

 

でもとある事件が勃発してしまって銃撃戦となって南北が一触即発となるんです、死者も出る事となって中立国であるスイスから韓国系スイス人のソフィーが派遣されてきます、演じるのはイ・ヨンエ

 

 

関係者が口を閉ざしたり嘘の供述だと見破ったソフィーがこの事件の全貌を暴いていくのですが、ソフィーの上官にすれば南北はうやむやに終わらせろとの事なんです

 

 

ソフィーは嘘の報告をするかわりにスヒョクとギョンピルから真実を聞き出すんです、これで物語は終了となるはずなんですがまだ悲しい出来事が起こって、ラストには味わい深い写真で幕を閉じます

 

 

監督のパク・チャヌクは暴力描写に定評がありますが、本作は別人が撮ったようだと言われたらしいです、原作は男ばかりなのですが監督は男しか出ない映画なんてむさくるしいとスイス人将校を女性に変更したそうです

 

 

 

 

 

 

一触即発・ヒューマン・ポリティカル・サスペンス、上陸! それが『JSA』です。

 

 

 

 

 

ギョンピルがスヒョクからチョコパイをもらうシーンがあるのですけどこれは脱北者が北朝鮮では韓国製のチョコパイが流行っていると強く希望したシーンだったそうです