『13日の金曜日』
1980年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ショーン・S・カニンガム
脚本 ヴィクター・ミラー
撮影 バリー・エイブラムス
音楽 ハリー・マンフレディーニ
出演 エイドリアン・キング/ハリー・クロスビー/ケヴィン・ベーコン/ジャニーヌ・テイラー/マーク・ネルソン/ローリー・バートラム/ロビー・モーガン/ピーター・ブローワー/ロン・キャロル/ウォルト・ゴーニー/ベッツィ・パーマー
《解説》
なぜ全米で失神者が続出したのか⁉
ようこそクリスタル・レイクへ、ここは忌まわしい過去を持つ、呪われたキャンプ場、ロマンチックな満月の夜、愛欲に溺れるキャンプ指導員を1人また1人と血祭りに上げていくのなら、狂った殺人鬼にとってこれ以上の舞台はない
ショーン・S・カニンガム監督/製作による、数多くの続編と無数の模倣作を生んだ、スプラッター映画のオリジナル、セクシーなキャスト陣、猟奇的ストーカーによる斬新な殺害方法、その息子を溺愛する母親など、観る者に強烈な印象を与え続けるホラー映画の金字塔
《物語》
1958年6月13日の金曜日、ニュージャージー州の美しいキャンプ場クリスタル・レイク、その自然あふれる美しい地が呪われたキャンプ場と呼ばれるようになったのは、その日起こった若い男女の惨殺事件が原因だった
1980年6月13日の金曜日、スティーブを会長とする8人の若者たちでクリスタル・レイク・キャンプ場の復活計画が進んでいた、2週間後にはオープンの予定だ
スティーブとアリス、ビル、ブレンダの4人はすでに到着して復旧作業を開始していた、そこにマーシー、ジャック、ネッドの3人が同じ車で到着して合流
しかしまだ料理担当のアニーが到着していない、1人でヒッチハイクで向かっていたアニーは途中で町の人々に向かうキャンプ場は呪われていると言われる
そのアニーはヒッチハイクした後、キャンプ場への道とは反対に行く運転手に恐怖を感じて車を飛び降りて森に逃げ込んだ、しかしアニーは先回りした運転手に森の中で首を切られて殺されてしまった
夜になり雨が降ってきた、キャンプ場のバンガローでセックスをしているジャックとマーシーだったが、二段ベッドの上でネッドが殺されているなど知る由もなかった
セックスの後、マーシーは洗面所へ向かった、ジャックはベッドでタバコを吸うが、ベッドの下から銛で首を貫かれて殺された、マーシーは洗面所で斧で惨殺された
ストリップ・モノポリをしていたアリス、ビル、ブレンダらは夜も遅くなりブレンダは自分のバンガローに戻ったが、誰もいないはずのアーチェリー場で声を聞き確認に行くがそのまま姿を消してしまう
ブレンダの悲鳴を聞いたアリスはキャンプ場の異変に気付きビルと共に外部と連絡を取ろうとするが電話線が切られ、ブレーカーも落とされてしまった
雨の中、外出していたスティーブは車の故障で遅くなったがキャンプ場に戻ってきて顔見知りと会うが、そこで新たな犠牲者となった
ブレーカーを直しに行ったビルの死体を発見したアリスは遂に1人となり恐怖の夜を過ごしていたが、そこにスティーブの友人だというパメラ・ボリーズが現れた
パメラはアリスを気遣うがアリスに案内されて死体を発見したパメラはそこで過去に起こった自分の息子のジェイソンがこのクリスタル・レイクで溺死したことを話しだした
キャンプ場の若い監視員たちはセックスに夢中で溺れているジェイソンに気付かなかった、それ以来このキャンプ場は再開させてはいけない、閉鎖するべきとアリスに襲い掛かってきた、全ての殺人はパメラだったのだ
《感想》
このスラッシャー・ムービーの原点は「ハロウィン」だと思いますが、80年代に多大な影響を与えた作品は本作だと思います、本作はその後に10本もの続編とスピンオフを作られた金字塔です
このクリスタル・レイクでのシリーズではジェイソンという不死身の殺人鬼のキャラクターが有名ですが、この第1作ではジェイソンが犯人ではなく母親のパメラ・ボリーズが犯人なんです
それに最初から犯人が分かっているわけではなくて、姿の見えない殺人鬼に怯えるヒロインの姿を追うサスペンス要素の強い作品で、ただの殺人ショーではない面白さがあります
それに80年代は特殊メイクの技術が飛躍的に進歩し、その殺人シーンも驚くほど残酷で、それに観客は歓喜したものです、なかなか人が残酷に殺されるシーンはそれまでなかったですからね
特殊メイクを担当したのは、「ゾンビ」のトム・サビーニで特殊メイクの第一人者で、とにかく彼の手掛けたホラーやスラッシャーはヒットしています、どれも素晴らしく残酷です
本作の主人公でクリスタル・レイク・キャンプ場の監視員のアリスを演じるのはエイドリアン・キング、最初は主人公だとは気付かないのですがファイナル・ガールとなったことで活躍します
でもエイドリアン・キングは2作目も主人公の予定でしたがストーカー被害に遭い、2作目のオープニングで殺されてしまいます、彼女はその後に女優を引退してしまいました、ストーカーが彼女の運命を壊してしまったんですね
もう1人の主人公のパメラ・ボリーズを演じるのはベッツィ・パーマー、車の購入費の為に出たくもないホラー映画に出たと言っていましたが、後のファンイベントに参加したときに大歓声で迎え入れられて出演してよかったと思ったそうです(笑)
息子のジェイソンが溺れているのに監視員はセックスに夢中でジェイソンは行方不明となってしまったんです、その怒りがパメラをここまで殺戮に走らせたのです、でも若いからねぇ
そしてジャック役にケビン・ベーコンが出ています、まだ売れる前で本作ではイケメンでマーシーとのセックスシーンを演じています、その後にあっさりと殺されてしまいますけどね
ジェイソンのいない本作ですがラストには登場します、それもクリスタル・レイクからガバっとね、でもジェイソンが生きていたならボリーズ夫人がここまでやってきた意味がなくなってしまうのですが、そんなこと言っちゃいけないですね、辻褄の合わないことはよくあります
監督は「鮮血の美学」の製作者のショーン・S・カニンガムでおいらは本作だけでこの人の名前を憶えてしまっています、だって他にめぼしい作品はないもんね、このキャンプ場は呪われている~、このおじさん好きよ、自転車乗ってるんです
若者たちにとって楽しい夏休みキャンプのはずだった… それが『13日の金曜日』です。
夏のキャンプ場で人が殺される、もう鉄板ネタですね
更に過激でシリーズを網羅した、裏237号室の『13日の金曜日』はこちらです。