太陽光発電に蓄電池をつなげて、電気代を安くして、災害対策に利用したい。
しかし、パワーコンディショナーが2台あり、どう蓄電池を設置するのがいいのか分からない。
太陽光発電を設置した当初は全部売る設定にしたけど、10年経ってやっぱり自分で使って余った分を売りたい
などのお問い合わせをよくいただきます。
単機能型の蓄電池ならまだしも、ハイブリッド型の蓄電池でメーカーも変わるとなるとかなり複雑になります。
また、連系時の電力のモニタリングができるかや、全負荷型での停電時の運転の切り分けなどが課題になっていきます。
10年前の電気代と比較して今の電気代は1.4倍に跳ね上がっており、当時の太陽光発電で売る固定買取価格より高くなっているケースが多くなりました。
蓄電池を付けて、災害や停電の対策をしたいニーズにいつでも答えるのが私の務めです。
こんにちは、成功電気の今井です。
愛知県名古屋市で電気設計を30年ほど続けています。
中部電力電気工事委託店として主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を500件以上実施しています。
もくじ
パワコン2台の用途とは
太陽光発電に蓄電池設置の設備認定制度
太陽光発電パワコン2台に蓄電池を設置するときの注意事項
システム連系時の電力のモニタリング方法
全負荷型での停電時の運転の切り分け方法
発電設備や蓄電設備の優先順位とは
まとめ
パワコン2台の用途とは
まず、パワーコンディショナーが2台以上付いている状況では、設備の用途が大きく2つあります。
1,太陽光発電システムが10KW未満で認定されたもの。
2,太陽光発電システムが10KW以上50KW未満で認定されたもの。
住宅や工場などでも太陽光発電を10KW以上設置しているケースも多く、その場合は発電した電気を全て売る(全量売電)する方法も選べます。
よく勘違いされていることもありますが
太陽光発電を10KW以上設置すると、すべてが全量売電ではなく
太陽光発電で発電した電気を自宅で使い(自家消費)余った発電分を電力会社に売る(余剰売電)方法も選択できます。
自宅に付いている太陽光発電のパワーコンディショナーが2台付いていて、
太陽光発電のシステムには、太陽光パネルとパワーコンデェショナーが付きます。
太陽光パネルは、光を電気に変換させモジュールと呼ばれる1枚のパネルを屋根の上などで複数ケーブルでつなぎ合わせて系統にまとめます。
この系統を複数作り、パワーコンディショナーに繋ぎ込んでいます。
太陽光発電に蓄電池設置の設備認定制度
小規模の太陽光発電システムの2024年現在の固定買取制度では
10KW未満と10KW以上50KW未満に分かれており
10KW以上の太陽光発電システムは産業用として厳しい規制が付いています。
固定買取制度(改正FIT法)を利用しながら自家消費させるシステムが主流ですが
2009年から始まった再生可能エネルギー固定買取制度(RPS法)が2012年7月より改正されFIT法となりました。
法律上、固定買取制度を利用した卒FIT設備は電力会社が買い取る義務があります。
また制度上取付方法や申請など複雑な手続きをパスして10年間発電を継続した実績からも買う側は安心して電気を購入できます。
近年、固定買取制度を利用しない全量自家消費型太陽光発電や、非FIT太陽光発電なども出始めてきました。
経年劣化した太陽光発電システムのパワーコンディショナー(パワコン)の取替などを行う場合の注意点として
固定買取期間が終了しているか
固定買取期間中であれば買取価格の変更がない申請か
の2点となります。
20年の固定買取期間中に蓄電池を設置する場合、固定買取価格が買取期間はそのままに単価だけ現在の価格となってしまうケースがあります。
過積載で条件が変わる場合もある!
太陽光発電システムのうち、出力容量には2つあり、太陽光パネルの合計出力容量、パワコンの出力容量があります。
コスパをよくする場合、太陽光パネルの価格が安くなってきたため
パワコンの出力容量以上に、最大接続太陽光パネル出力量いっぱい(出力容量の1,2倍から2倍程度)まで太陽光パネルを設置する方法が主流となってきています。
そうすると固定買取制度の登録ではパワコンの出力容量となる為、パワコンの種類が変わり出力容量が変わってしまうと登録内容が変更されてしまい、固定買取単価が安くなってしまいます。
また、10KW以上の太陽光発電システムの過積載では、蓄電池の種類によっても固定買取価格が安くなってしまうケースがあります。
こうした問題を解決させるためには、接続方法を明記した系統図が必要です。
システム連系時の電力のモニタリング方法
エネルギーマネジメントシステム(EMS)と呼ばれ、10KW前後のシステムの場合はHEMS(ヘムス)ホームエネルギーマネジメントシステムを利用するケースが多いです。HEMS内の接続方法として現在では「MODBUS」や「ゲートウェイ」を利用して接続するように変わってきました。
全負荷型での停電時の運転の切り分け方法
蓄電池の種類により停電時の接続可能な設備と容量が違い、案件ごとに適した接続方法とメーカーの選定がポイントとなってきます。
その他、発電設備や蓄電設備の優先順位についても系統図の作成方法で大きく変わり
ニーズによってメリットが大きく変わってきてしまいます。
この内容については、設置するシステムについてご相談頂ければ回答させて頂きます。
まとめ
後付けの設備は、設置に様々な課題が出てくることが多く
先にメーカーを決め打ちせずに、現状に適した方法と自分の要望を検討することが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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