水素で走る車、トヨタ「ミライ」最近たまに見かける水素ステーション


環境にやさしく走っても水しか出ないクルマってキャッチコピー


ガソリンで走る車は、ガソリンスタンドに行くと燃料を入れることができます。


最近よく聞く電気自動車は、家や車のディーラーやショッピングモールなどで充電します。


ガソリンは石油から作っていることはご存じのことですが、水素って何からできているか
ガソリンスタンドと違って水素ステーションでは、ステーションで燃料を作ってる所もあるんです。


今回は環境負荷の大きい輸送に利用する車やトラックやフォークリフトの燃料、化石燃料の代替えが可能な「水素」について解説していきます。


環境にやさしく、太陽光発電エネルギーの自給率

 

 


こんにちは、成功電気の今井です。

愛知県名古屋市で電気設計を20年ほど続けています。
中部電力電気工事委託店として主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を500件以上実施しています。


もくじ
水素ステーションの仕組み

水素ステーションの種類
環境にやさしい水素ステーションとは
水素ステーション制御盤の特徴
実際の問題点や懸念事項
世界の水素事情とは
今後の水素の在り方とは
まとめ




水素ステーションの仕組み

 

水素とは、宇宙一軽くて、燃えやすく、いろんなものに含まれているものです。
例えば、水やコンロで使うガス、おしっこにも含まれています。

しかし、軽い分エネルギー密度が低く、そのままでは役に立ちません。


圧縮して高密度にすることで燃料としての利用が可能となります。


移動することは、重量が軽いほどエネルギーが少なくて済みます。


なので軽い燃料ほどたくさん持って移動しても運ぶエネルギーが少ないので効率が良くなります。
それに引き換え電気自動車に利用しているバッテリーはとても重たい。
移動するためにエネルギーを貯めておく機構としては効率が悪くなります。
そのため、トヨタやホンダは水素を利用した車の開発を行っています。

 

そんな水素ステーションの仕組みとは

 

ガソリンスタンドと同じように、目的は車に水素ガスを充てんする仕組みです。

 

仕組みはガソリンと違いガスは密閉した状態で車とノズルを接続して、

圧力が高いステーションタンクから圧力の低い車へ水素ガスを送り込みます。

 

プールなどにある、浮き輪に空気を入れる機械みたいな感じです。

 

3分から10分ほどで充填が完了します。

 

ガソリンなどのように流し込むわけでないため、圧力の影響により温度が高くなるリスクがある為

なるべく冷やした状態で充填します。‐20℃~‐40℃くらい。



水素ステーションの種類
 

水素ステーションの種類とは、ガソリンスタンドと比較すると多くあります。

水素は2次電池なので、水やLPガスから作ることも可能です。

 

水素ステーションで作っている仕組みの場合「オンサイト型」と呼び

水素ステーション内で作ってなく、運んでくる仕組みでは「オフサイト型」と呼びます。

 

 

オフサイト型の仕組み

ガソリンスタンドのように、水素タンクローリーが水素を運んできて

水素ステーションにあるタンクに充填して、販売する仕組み。

 

水素タンクローリーのタンク自体が、水素ステーションに置いてあり

そこから水素を販売する仕組みなどが「オフサイト型」と呼ばれています。

 


オンサイト型の仕組み

オンサイトとは、水素ステーション内で水素を作っている仕組みを指しています。

水素を作る仕組みは、現在事業として多くある仕組みとしては

LPガスから水素を取り出す仕組みと、水から水素を取り出す仕組みがあります。

 

環境にいちばんやさしい方法の水から水素を取り出す仕組み

水から電気分解で水素を作る水素ステーションの場合
水素ステーション内の水電解装置から精製する水素を圧縮して販売しています。





環境にやさしい水素ステーションとは

水素を効率的に製造する方法は、天然ガス(LPガス)から抽出する方法です。
プロパン (C3H8)は、水(H2O)の4倍の水素を持っています。
水から水素を取り出すには、電気分解する方法があります。

電気分解には大量に電気を消費します。
この電気を太陽光発電や風力発電で製造することで環境にやさしくなります。
太陽光発電や風力発電は、お日様や風任せなので、必要なタイミングで電気を作ってくれません。
電気は貯めることにコストがかかる為、なるべく発電したタイミングで消費できる仕組みが必要です。
電気分解で水素を貯めることは、発電したタイミングで電気分解することが可能な技術なので太陽光発電や風力発電との相性がいいのです。
移動のエネルギーとしての水素が環境にやさしい所以になっているのは、このような理由からなのです。
しかし、この水素をプロパンガスから作っては結局、化石燃料を使っていることとなり、本末転倒です。



圧縮水素の課題、危険、漏れる、腐食する、燃えても見えない
水素ステーションが増えない理由には、水素で走る車が少ないことがあります。
水素ステーションを増やすには、水素で走る車が多くいるのです。
そんな中、水素ステーションに必要な車を多く利用したのが東京オリンピックでした。
 

 

トヨタ自動車は、オリンピックおよびパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、東京2020大会向けにFCV約500台を提供
東京2020仕様ミライは現在、中古車としてお得に購入可能です。
フランスで2024年夏に開催される「パリ2024オリンピック・パラリンピック」の公式車両に、燃料電池車の『ミライ』(Toyota MIRAI)500台が導入されると発表
https://www.meti.go.jp/shingikai/safety_security/suiso_nenryo/pdf/002_s01_00.pdf


水素ステーション制御盤の特徴


 水素が燃えた場合、燃えている炎は目で見えません。そのため炎を検知するセンサーを設置します。
 圧縮した水素を貯めておく「蓄圧器」には、散水装置が必要です。
 非常時の消火のための散水と、蓄圧器のタンク温度を冷やすための散水が必要です。
 令和3年より散水装置の条件が緩和し、上水道の水の圧力をそのまま利用することが認められました。
 それまでは、タンクに水を貯めておき、ポンプで水圧を確保。万が一の停電時には、このポンプを動かせれる発電機を常備。
 また、水素ガスが漏れていないかガス濃度を計測するセンサーも複数台必要です。
 ガス濃度が現場と事務所で見れます。
 音とライトで危険を通知させます。

水素ステーションの機械装置の輸入への対応も可能です。
日本の高圧ガス保安法、電気事業法、TIIS労検やJIS

川崎重工は、大型液化水素運搬船用の貨物タンク(CCS: Cargo Containment System)の技術開発を完了。合計搭載容量160,000m3マイナス253℃に冷却し、体積を気体の800分の1とした液化水素を長期間安定して保冷
CC61Hタイプ
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20230606_1.html

使用可能水素量は、5.6kg
N㎥=Nはノルマル(ノーマル)と発音、0℃、1 気圧の標準状態を表す。1N㎥は,標準状態(0℃、1 気圧)に換算した 1㎥のガス量になる。

水素には「グレー」「ブルー」「グリーン」がある

「水酸化カリウム」の強アルカリ溶液を使用する「アルカリ型水電解装置」と、純水を使用する「固体高分子(PEM)型水電解装置」の2種類があります。
研究段階のものとして、「固体酸化物型水電解(SOEC)装置」

2023年4月に発表された水素基本戦略案


実際の問題点や懸念事項

LPガスから作るオンサイト型水素ステーションと比較して、水から作るオンサイト型水素ステーションは危険エリアが少なくすることが可能になります。重いLPガスは地面に溜まるため、危険エリアが機器の設置場所範囲に重なりやすいですが、水から作ると水素以外に危険物がなく、水素は軽い為、高い方に上がっていくので設置場所範囲に重なりにくくなります。
また、水素は金属を腐食させる

小規模(50Nm3/h 未満)70MPaの水素を一日あたり20kg製造することができる設備
1Nm3(ノルマルリューベ)あたり100円程度(1kgあたり1,200円程度)なので、1時間当たり12N㎥程度の製造量です。

水素ステーションは全国に164か所あり
移動式
大規模
中規模
小規模
オフサイト
となっており、小規模型の5拠点に制御盤を納入しています。



まとめ

水素ステーションの仕組みについては、

細かく分かれている部分が多く、一つ一つを理解していくよりはざっくり全体的なイメージをつかんだ方が得策です。

 

水素ステーション導入の方向性としては、

現在海外から大量に輸入される計画がある為、タンカーが寄れる港付近ではオフサイト、移動式。

その他の地域には地域主導のグリーン水素オンサイト小規模型がおススメです。

成功電気は、IoTの経験値から、事業投資のお手伝いを行っています。
電気に係る事業の中で、小規模(数千万円~数億円)の予算内でよりバランスの取れたプラン
例えば、ソフトウェア開発と制御盤開発と手動動作のコストとパフォーマンスのバランス
ソフト>制御>手動 のコストとなり、ソフトが1点100万円なら制御が1点10万円、手動なら1万円みたいな感じです。
200点あるシステムならば、5:20:175になれば、875万円のシステム
これが10:50:140だと、1640万円となり、前者と比較すると765万円の差額となります。つまり、手動で事足りる部分と制御を導入する部分、どうしてもソフト化しないといけない部分をヒアリングしながら調整していきます。
消費電力50KW以上の設備関しての特例や、特殊防爆など輸入品の国内仕様への改造なども承っています。