蓄電池を調べているんだけど、「全負荷型」と「特定負荷型」ってあるようなんだけど
どっちがオススメ?
どう違うの?
今日はこんな疑問を解決します!
2022年はほぼ全負荷型の蓄電池が主流となってきました。
以前は全負荷型のトラブルが多く、特定負荷型がおススメでしたが
トラブルへの対応ができてきたため、全負荷型一択で問題ないです。
こんにちは、成功電気の今井です。
愛知県北名古屋市で住宅の電気設計を20年ほど続けています。
中部電力電気工事委託店として主に住宅の
蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を500件以上実施しています。
もくじ
全負荷型:特定負荷型 選び方の条件
全負荷型:特定負荷型 とは
全負荷型:特定負荷型 出力は大切
全負荷型:特定負荷型 おすすめ
まとめ
2022.3.30 更新
2021.5.11 作成
1,全負荷型:特定負荷型 選び方の条件
蓄電池を選ぶ条件で問題だったのは、販売会社側の知識不足による接続不良が多く
特定負荷型のほうが知識がなくても接続が簡単でした。
また、エネファームやV2Hなど蓄電池以外の機種がある場合に全負荷型では
対応できない場合が多い傾向がありましたが、こちらも改善されてきました。
蓄電池の選び方は、電気の契約と太陽光発電の状態によって大きく変わります。
電気の契約
基本料金について
一般的なガス併用の40A~60Aの契約
オール電化の6KVA~15KVAの契約(単位が分かりづらいので、6KVA→60A 15KVA→150Aで記載します)
※この基本料金の大きさで全負荷型にできない場合もあります。(特定負荷型は可能)
例 15KVA以上のご契約の場合や、エコキュートや温水器を別契約している場合。
使用料金について
ガス併用の人は、使うほど電気代が高くなります。
オール電化(深夜電力に移行可能な1KW以上の設備を設置)の人は、時間帯によって電気代が変わります。
2016年以降の時間帯別の契約は、縛りがなくなって誰でも加入ができるようになりました。
こちらの記事で詳しく解説
2,全負荷型:特定負荷型 とは
蓄電池の使用方法に「通常時」と「停電時」の2パターンがあります。
通常時、
一般的な蓄電池は家全体に電気を送ることができます。
なので、全負荷型も特定負荷型も家全体に電気を送れます。
停電時、
一般的な蓄電池は分電盤を返して電気が使えるようになります。
この停電時の使える範囲で呼び方が変わります。
「全負荷型」は分電盤全体に電気を送れるタイプ
「特定負荷型」は分電盤の一部に電気を送れるタイプ
となります。
3,全負荷型:特定負荷型 出力は大切
「全負荷型」この呼び方にも問題がありますが出力(AC:自立運転時)は
代表的な各メーカーの蓄電池例
シャープの全負荷型は出力2KWなので、20Aまでしか使えません。
スマートスター系(ネクストエナジーNX、エネパワボ、DMMスマートを含む)は出力3KWなので、30Aまで
田淵電機アイビス7は出力5.5KWなので、55Aまで
ニチコンESSーH2L1は出力5.9KWなので、59Aまで
電気を使い過ぎてブレーカーが飛んだことありますか?
キッチンで炊飯器と電子レンジとポットを使ったら小さいブレーカ(分岐ブレーカ)が飛んだことがある。
とか、
以前40Aの契約だった時、エアコン2台と何か使うとブレーカが飛んだ経験はありませんか。
出力が2KWとは、20Aまでしか使えず、それ以上使うとエラーで蓄電池が止まるということです。
あと、
ブレーカと蓄電池の出力で違う特性があり(詳細は下記の記事でまとめています)、
蓄電池は出力を超えた時点ですぐにエラーが出ます。
また、冷蔵庫やエアコン、換気扇などは起動電力というものがあって、
機器の立ち上がりの時10倍近い電気が流れたりします。
この電気を蓄電池が感知して、エラーが出てしまったりします。
200Vが使えるから全負荷の蓄電池を選ぶケースが多いようですが
200Vの設備は、IHコンロ、リビングなどの大きいエアコン、エコキュートなどがポピュラーですが、各出力はIHコンロ:5.5KW 大きいエアコン2KW以上 エコキュート3.5KW前後
です。
停電したら、節約して使うことは必要ですが。そもそも使えない場合もありますので、しっかりチェックしてください。
また、停電したときにどんな使い方ができるかをしっかり把握しておきましょう。
4,全負荷型:特定負荷型 おすすめ
2022年度より、ニチコントライブリッド蓄電池システムが進化しました。
電気自動車の機運が大いに高まっている今、将来的に車を買い替えることも想定します。
電気自動車になったら、車を蓄電池代わりする「V2H」を使うことで、より車と太陽光発電と蓄電池
をうまく使えるようになりますが、相性が悪いケースも出てきます。
ニチコントライブリッド蓄電池システムはこの問題を解決します。
リニューアルされたこちらの商品は、全負荷型となり、V2Hを後付けできて、その上
他社メーカーの蓄電池と価格が同等になっています。
かなりお勧めです。
私個人的な意見ですが、
停電時の対策も大切ですが、
通常時の今後の電気代上昇を自給自足で賄うことが最優先と考えています。
オール電化の方で、停電対策に重きを置かれる方には大きめの全負荷型の蓄電池をオススメしています。
その他の方には、特定負荷型で、契約容量と使う人の使い方が重要です。特定負荷型は奥が深く、しっかり理解して選べると金額的なメリットと停電時も長期間利用でき、将来的にも有用なのでおすすめです。
全負荷型は、相性や出力など、住宅の設備すべてに影響します。
全負荷型蓄電池を設置し15年~20年間ほかの設備を付けない場合に選択してください。
スマートスター、ニチコンはまだ対応可能。
各設備の条件からのおすすめ
あなたに合った機種選定方法
1,太陽光発電と蓄電池を付ける場合
ハイブリッドタイプ
2,10年目前後からFIT中 蓄電池設置
3,15年以上で蓄電池設置
その他:
蓄電池の施工費と太陽光発電の施工費
パワーコンディショナーの施工費
まとめ
トライブリッド蓄電システム(全負荷型)一択という結論となってしまいました。
併設が難しそうな設備がある場合は事前にご相談頂くことで、メーカーからの適合判定なども可能です。
詳細はこちらの記事をチェックしてください。
自動切り替えスイッチがあると、他機種の併設が困難
HEMSは付属設備、やりようはいくらでもある
とあなたの条件次第でおすすめ蓄電池は全く変わってきます。
具体的に選択する方法を次回解説していきます。
おわり
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