2021年4月に電気代が高騰するニュースが出たため、お客様から問合せが多数ありました。
理由を簡単に説明すると、燃料代の入札価格が爆上がり(安い時は5円前後が150円を超えた)
したため、入札価格と連動するタイプ(燃料調整費も含まれるが徴収方法が違う)の新電力の電気代が高くなった。
じつは新電力だけではなく、燃料調整費を単価に入れている一般的な電力会社も同様に高くなりますが
各月に散らして徴収することになったのであまり気になり難くなっているだけです。
電気料金の高騰により、電力会社切り替えの影響で
「電力会社の見直し」
のニーズが高まっていますが、
電気料金は、設備や使い方で大きく変わります。
本記事では、毎月なぜか金額が変わる電気料金のしくみから、
電力会社の契約の比較や省エネを踏まえた
電気料金の削減方法について解説します。
こんにちは、成功電気の今井です。
愛知県北名古屋市で住宅の電気設計を20年ほど続けています。
主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの
設計施工を500件以上実施しています。
もくじ
電気料金削減:電気料金はいつも変動します。
電気料金削減:具体的な電気代の値上がりのケース
リスクを最小にして、電気料金を削減する方法3選
1,電気料金はいつも変動します。
1年前と比較しても先月と比較しても同じ料金になっていることはほどんどありません。
電気料金はまず、基本料金と使用料金に分かれています。
(街灯など一部使用料金が変動しないタイプもあります)
基本料金
基本料金は契約を変更しないと変わりません。
種類は3つあります。
1つ目
デマンド値と呼ばれる、
1年間のうち最も電気を使った30分間が基本料金になるタイプ。
大型施設(高圧6600V以上)に採用、
近年の新電力では低圧でも一部採用されています。
2つ目
使用する予定の設備の消費電力の合算が基本料金になるタイプ。
低圧電力(動力3相3線)に多く採用されています。
3つ目
契約用にリミッターブレーカを取り付け、
そのブレーカ容量が基本料金になるタイプ。
低圧全般に多く採用されています。
住宅はほぼこのタイプです。
導入している設備によって、
例えばエコキュートであれば時間帯によって値段が変わるタイプで基本料金は2000円前後と高めです。
ガス併用は1400円前後の基本料金ですが、使えば使うほど電気の使用料金が高くなります。
使用料金
使用料金は、電気の使用量×単価=使用料金になります。
使用量は電気を使った分カウントされていきます。単価は、様々な要素が含まれ、低圧の住宅の場合、合計1KWh当たり30円前後になっています。
高い電気代になった原因については下記にまとました。
容量の変更についてはこちらの記事に纏めました。
2,具体的な電気代の値上がりのケース
単価の要素を分解すると、2021年現在公表単価(託送料金25%+予定燃料調達価格50%+小売電力単価15%)+
燃料費調整単価(毎月変動)+
再生可能エネルギー賦課金単価10%
となっています。
託送料金とは、
送電事業者(中部電力や東京電力など)に支払う料金です。
2021年4月より、
福島原子力発電所の廃炉費用(約2兆円分を40年間で徴収)
一般的な住宅で年間1000円前後をここに含めました。
(その他の原発の廃炉費用と福島廃炉費用不足分50兆円以上は今後ここに含んでいくと思います)
燃料調達価格とは、
小売電気事業者が各自で調達した単価です(電力市場JEPXで調達が多い)
2021年1月にJEPXの調達相場の需給バランスが崩れ価格が暴騰、
普段10円前後の単価が50~100円を推移し、最大250円まで上がりました。大手小売電力は、燃料調整費の今後の価格に分散させて急激な高騰を避けましたが、中小小売電力などは契約により消費者から徴収することになり契約離れが加速しました。
解説:小売電気事業者とは、新電力を含んだ電気の契約を消費者が直接契約する電気の販売会社です。
燃料費調整単価とは、
火力発電に使う燃料(石油・天然ガス・石炭)の輸入価格に応じて電気代を調整する金額です。
発電には火力発電、原子力発電、再エネ発電とありますが。
このうちの火力発電に関わるコストの増減分が毎月よくわかるように明細書に記載されています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギーにかかるコストに税金を使わず消費者から徴収できるように、わかりやすく表示してあります。
最初に書いた各発電設備に含まれていない原子力発電は本来、
建物費用(建設費用+廃炉解体費用)+燃料費用(燃料のウラン調達コスト+プルトニウムなどの処分コスト)
がかかりますが、
建設費用の多くは補助金(税金)で賄われ残りを減価償却として送電コスト(託送料金)に含まれています。
また、プルサーマル計画と言ってウラン燃料から出た副産物のプルトニウムをリサイクルして使えるかもしれないため、
補助金を投入して50年以上開発しています
(リサイクルできる可能性があるため、処分コストは電気料金にも税金にも含まれていません)。
なので、原子力発電だけ、燃料費調整単価(ウラン燃料輸入コストだけ含まれる)にも再生可能エネルギー発電促進賦課金にも含まれず、託送料金(電気を買う消費者全員が知らないうちに払う料金)に含まれ未だに処分コストが含まれていません。
原子力発電開始当初から廃炉費用と燃料処分コストを想定することはできたと思いますが、
火力発電(石炭発電)より安く見せる為にはしょうがなかったと思います。
いつまでも蓋をし続けることはできないため、いつかは電気代か税金のどちらかに含まれると私は考えています。
前置きが長くなりましたが、電気料金を払うより自分で発電した電気を使うことで、
上記の電気料金が上昇するリスクから逃れることができます。
現在では、PPAという0円で太陽光発電が設置できる事業が始まっていますが、
結局は再生可能エネルギー発電促進賦課金として支払うか、
PPA事業者に電気代として支払うので自分で太陽光発電を設置することでメリットが最大となります。
3,リスクを最小にして、電気料金を削減する方法3選
太陽光発電と蓄電池(V2H)を設置する使用電力料金を削減する。の両方をする。
今、市場の小売電気事業者は顧客と使用料金を確保したいため、あの手この手で営業しています。
私たち消費者としての防衛策としては、自家消費のために、自分で発電してなるべく省エネして発電量で賄うことです。
電力会社を見直す
電力会社を見直すなら、通信系の新電力がおすすめです。
なぜなら、自家消費を増やし、電気代をなるべく0円にするため、
通信系の新電力は通信料金と電気料金をセットにして通信料金を値引きします。
その他の新電力は電気等のエネルギーコストを値引きするため自家消費との相性が悪くなります。
おわり
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