運命はマッチを擦ってくれる相手を常に探し続けている。
「東京本部の社長・役員の前で1時間ほど話してください。」
営業スタッフより同行依頼。全国商流系の会社が当社に興味をもっていただいているが、モノ・金額の近視眼的な条件ではなくビジョンやモーター業界を今後どう変えていきたいか?という想いを代表者に話して欲しい、とのこと。
少なからずエキセントリックなホームページを見てアプローチいただけるのは好意的に言っても「好奇心」からかもしれないが、その表層的なフィルターを越えて手を組む取引先には必ず「踏み込んで良かった」と思っていただけるような真剣さと価値の増大を提供し続けてきた。
取引開始前にそのような場で想いを語るのは初めてだが、『何をするのかではなく、誰と組むか』を大切にされている会社なのだろう。それは大切なことだと思う。ディナーにおいて何を作るのかではなく、誰と食べるのかのほうがずっと重要なのと同じだ。
【いまの自動車業界についてどう感じているか?】
【今後、自動車業界をどのようにしていきたいのか?】
本部訪問前に立ち寄った中華料理屋のホイコーロー定食が予想以上に時間がかかり、走りこんで本社ビルに入った頃には詰め込んだピーマンと春キャベツが万国旗を引っ張り出すみたいに交互に連なって出てきそうな勢いだった。もちろんプロとしてそれは許されない(人としても)。
プレスリリースや掲載記事でしか拝見したことのない社長と役員の前で思う存分に当社のビジョンと業界に寄与できる価値創造をご説明させていただいた。少しずつ双方が意見を交わし、熱を帯び、いつの間にか緊張ではない類の汗が机上のシミになった。
そして1時間が過ぎた。
役員より一言。
「力を合わせて業界を変えましょう!」
運命はマッチを擦ってくれる相手を常に探し続けている。
少なくとも自分はそう考えている。


