去る2014年12月13日(土)に、
全国の栄養管理の医療職のツワモノが集う『日本リハビリテーション栄養研究会学術集会』の第4回目に参加してきました。
今回は名古屋開催だったこともあり、運営委員として関わらさせていただきました。
今さらですがホームページはこちら! ⇒第4回日本リハビリテーション栄養研究会学術集会HP
懇親会が終わろうとする頃、
この研究会への入会当初からのモヤモヤを解消するヒントになることが頭に浮かびました。
「対象者のスタートラインを確認せずにリハ栄養管理を成そうとしているのかもしれない」
「スタートライン」については当施設の代表とよく話す内容ですが、
リハビリテーションに取り組む際に、
医療機関においては必要性の観点から、患者さんよりも医療側が比較的優位にリハビリを行うスタート地点(リハビリへ向かう意識・意欲という準備)へ誘導しやすいものです。
それが在宅生活におけるリハビリテーションを取り組む際には、(ケアマネを中心とした専門職からみると明らかに必要性が高いはずなのに)
まずはリハビリに取り組むための心構えというスタートラインに乗せる、立ってもらうことの優先度が高い場合があるのです。
まだスタートライン以前の場合には、たとえ栄養管理の剛腕スペシャリストを集めて、非の打ちどころのないリハビリメニューに併せた栄養マネジメントを行おうとしても、
「いやいや先生やめて、もう歳だからリハビリ?つらいことはイイです。」
「動いたら痛くなった…。筋肉痛?知らないし痛くて怖いからもうリハビリは止めときます。」
「関節がシクシクするからリハビリ休ませてください。また痛みが無くなったら、やりますね。」
「力が入らないので、歩けるようになったら歩く練習します。」
と、どんどん日本語的にも?良く分からないコメントになることも多くて、そんな状態での栄養アプローチは単なる栄養管理に過ぎず、「リハビリ栄養」なんてものではない。
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幾度となく呟いてしまうことですが、
栄養管理的介入とリハビリテーションを合体させた戦略が必要な対象者は、
●病状不安定期やリハビリ病院の入院患者さんへの栄養管理だけではなく、
●介護サービスを駆使しながら在宅生活をギリギリで過ごしている方への経管栄養管理や食支援だけでもなく、
○買い物行くのに玄関から駐車場まで歩くのが不安定
○階段動作が努力的過ぎて転倒リスクが高い
○浴槽に浸かる動作が危なくて人に見てもらわないと行えない
○コタツに入りたいけど床に降りられない、降りても立ち上がれない
というところで後遺症・障害と闘っている方もおられますし、機能改善には栄養管理が必要・有効なケースが多いものです。
そして、
ことリハビリ入院後の介護サービスでのリハビリというと、
やれ「福祉用具を使えば?」とか「他の方法で生活できるでしょう?」と、
ご本人の後遺症と共存していかざるを得ない気持ちや自尊心を全く汲み取っていない浅はかなことを、やたらと言われてしまうのですが、
生活機能改善を身体機能の回復面から目指して何が悪いのですか!(・へ・)
と、いつも叫びたくなりますねっ。
そんな配慮を抜きにしてしまうと、せっかく完璧な栄養管理を整備しても勿体無いと思うのです。
今の在宅介護・医療・リハビリテーション情勢だからこそ、対象者の障害像を入念に、かつ繊細に丁寧に、職員で協議したうえで考えないといけない。
(すぐに考察を家庭環境や物的・量的・質的バイアスの解釈に持っていってはダメー。まずは障害像に問題解決のヒントがあることが多いと思っています。何故そんなに障害像を、って?…リハビリテーションだから。)
~~~ てなことで ~~~
「リハビリ栄養」を(特に)在宅環境で(もちろん医療機関でも)きっちりやるには、
・ リハビリテーション対象者がリハビリのスタートラインに立っているかを見誤らないこと。
・ それを提供者側観点からの決めつけや押し付けで対象者の真意を浅く見積もらないこと。
だと個人的には思ったりしました。
またおそらく、単なる栄養管理のみが「食」のポテンシャルではなく、そのスタートラインへ導く手段としても「栄養」「食」は有効なんだと思います。
患者さんのポテンシャルは浅くない。
食・栄養のポテンシャルも浅くない。
そして専門職が集う団体のポテンシャルも、もっと眠っている気がした学術集会の一日でした。
A deu!!
Masa