脂肪滴: 脂肪質内に存在する脂肪の小滴。
脂肪代謝とその調節
より
空腹時や運動時はこの脂肪滴から、脂肪(トリグリセリド)が脂肪酸とグリセロールに分解され、脂肪酸が酸素を利用しながらエネルギーとして利用されます。
爆発的な力を発揮する際は、嫌気的代謝という形でクレアチンリン酸や解糖系でATPを作り出しますが、
脂肪を燃焼させるには酸素を要します。
イワユル「ダイエットには持久系運動!」という話。
脂肪酸がミトコンドリアに入り込むためにはカルニチンが要りますので、ダイエットサプリメントにはカルニチン成分が入っているモノが多いようです。
糖が利用できなくなった状態になると、ヒトはこの脂肪酸をエネルギーとします。
●持続的な力を求められた時(中~長距離走)
●エネルギー不足(空腹時、飢餓時)
●糖尿病(血中から細胞に糖を取り組めなくなった状態) など。
糖質をあまり摂らないアトキンスダイエット が体重を減らす研究結果が多いのも、体内の代謝システムが脂肪酸を利用する状況下にもっていくからでしょうね。
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持久系(有酸素系)トレーニングをすると、筋肉内ミトコンドリアの密度が高まり、脂肪滴が減少し、ミトコンドリア周囲の脂肪滴が増えるようです。
すなわち、脂肪酸を代謝するシステムは身体を鍛えているアスリートや運動愛好者は利用効率が良いと言えます。
筋肉中のグリコーゲンをラストスパート用に節約しておくことができ、スタミナがある、ということになります。
筋力の使い分け、という表現になるでしょうか。
今思えば、私も現役時代に、最大馬力を使ってしまわない状態で、それなりの力強さを発揮しながらプレーすることを心がけて練習していました。
カウンター攻撃で相手選手を抜き去る時や、掴みあってでも点を取りに行くパワープレー時に爆発的に力を出せるように、温存しながら(力を抜くわけでもなく)動いていた感覚というのは、
このエネルギー利用効率の話からも納得できる気がします。
スポーツ選手に糖質の摂取を制限することは困難かもしれませんが、
高齢者や血糖調節異常をきたしている方に対しての運動内容の処方は、
代謝システムに配慮して、摂取する栄養を検討しながら細かくオーダーメイドしていく必要があると思います。
Masa